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よろこばせる ゆうなの おてがみ

 わたしは くろとを愛している。

 

 ―――目の前の あなたは信じてくれない

 かもしれない けれど、わたしは

 くろとの幸せを願っている。

 

 くろとが幸せで居ればいいと、

 本気で願っている。

 

 ……ただ、くろとに

「あなたの 幸せって なに?」

 って聞いても、くろとは

ゆうな(あなた)が 一緒に居て

 くれることだよぉー??」

 とか しれっと答えてくる。

 

 そんなのは わかってる!!

 (きっとまだ うぬぼれてる

  ワケじゃないけれど……)


  


 ふつふつっ!

 

 じゃあ、くろとの

 もっとの しあわせは??

 

 ―――どーしても

 気になって くるので、

 

 

「どうしたら、くろとは

 もっと 幸せになれる?」


 すなおに尋ねてみた、

 

「ゆうなちゃんが いつもニコニコ

 ツラくて泣いてたり、絶望して

 自分の生を終わらせたり

 しないこと かなぁ……??

 

 ゆうなが 苦しんで生きなきゃ いけない

 ことが無くなれば、もっと しあわせっ!!」

 

 くろとは、難しいことを言う。

 

 ……生きる苦しみが なくなるのは

 死んでしまうしか他に方法がないのに、

 わたしに 苦しくない生き方を してくれっていう。

 

 ちょっと、それは 現実的に

 難しいんじゃないだろうか??

 

 

「ほかに くろとに願い事

 無いの……??」

 ダメ押しで訊いてみたら、

 

「ゆうなが 毎日たっぷり、わたしが

 満足行くまで抱いてくれることっ!!」

 

 とか のたまって いらっしゃったので、

 ちょっと身近な くろとを引き寄せて

 抱きしめてあげて じっとしてると、


 

 

 ◇ ◇ ◇


 

 

 つととっ!

 

「(これじゃ ないん だけどなー??)」

 って、うれしいけど残念そうで、

 しょんぼりした顔して 居やがる!

 (ざまーみろ、わたしなりに

  あいしてやる!!)

 

 ……うん、知ってる。

 くろとは、性的に抱いて欲しいんだよね?

 ―――でも、わたしが くろとに許してる

 接触は、抱擁ハグと 手つなぎ。


 それより深いのは、許してない。

 勝手に自分で 自分を満足させるなら、

 それはそれで ご自由にって感じだけれど。

 (自分に禁じてないのを くろとにいる

  のは、さすがに コクなので……)

 

 それより深いのを くろとがムリヤリして

 きた日は、わたしたちの関係が終わる日。


 


 ゾックリ!

 

 わたしはまだ、くろとを 激しく憎んでいる。

 ……愛してるけど、わたしの魂の底から

 の激情は、いまだ乾いていない。

 

 わたしは くろとを憎んでいるし呪ったこともあるし、

 恨んでるし キライな部分(?)も けっこうある。

 

 

 ―――今は たまたま、その負の感情 生乾きの

 まだ ぜんぜん生きている暗い黒い感情よりも、

 わたしが くろとを愛して大事にしたいと想う

 気持ちが強いから、こうして 一緒に暮らしている。


 

 

「うん、」 

 ……前回は、

 アレは惜しかった。

 

 くろとが わたしが許容した一線を

 ぜんぜん越えてきたならば、わたしは

 容赦なく くろとを切り捨てられて、

 

 わたしは くろとが わたしを必死に つなぎとめていた この

 世界から、他ならぬ くろとの おかげで サヨナラできたのに。

 (最高の、復讐になったのに……!)

 

 

 ―――でも、くろとは 頑なに わたしとの決めごとを

 守ろうとした、てか、実際に 守ってきた どころか、

 わたしの予想の 斜め上を行ってきた。


 

 

 ◇ ◇ ◇


 


 おろおろ!


「ッ!!」 

 ……ちくしょう、くろとが そんなに 手を握ってきて 必死に祈って

 くるだけの かわいい……祈ってくる存在を かわいく感じてしまって、

 

 ―――そしたら、わたしは くろとを もっと

 大事にするしか無いじゃないか。

 

 わたしの心の復讐と憎しみの炎を、増幅させて

 くろとと この世を憎んで、激情だけで

 この世界を終わらせるなんて、とうてい

 できなくなってしまう……っ!!


 

 

「……ああ、」

 わたしも くろとの

 ために なんか祈るかな??


 ―――でも、くろとが これで けっこう幸せ(いい)とか 言ってるなら、

 わたしたちの今生が終わった時に 輪廻転生が もし仮にあったら、


 確実に今度は 綺麗な人生を 二人っきりで送りたい、

 っていう願い事しか いまは無いんだよなー??

 (くろとが また一生のパートナーで

  あることは、ぜんぜん異存がない!)

 

 

 

「で、」

 わたしにとっては それが いま くろと と

 二人で書いている なろう小説なんだよ!

 

 (目の前の)あなたに言ったら 爆笑されてしまうかも しれないけれど、

 わたしは この世で死んだら、あの世界に 本当に行けると信じている。


 わたしたちが書いている なろう小説の

 創作? 想像世界に。アレは本当。

 (くろとは どーだか知らないけれど)

 

 

 ……だから、【 あたビギ 】が 完成してもしなくても、わたしは

 どーせ 死後に 書き続けの途中から再開できるのだから、

 ぜんぜん一向に かまわないと、実は思っている。

 (むしろ、早く こっちの世界を止めて、あっちの

  世界に行きたいと さえ おもっている!!)

 



「くろとが」

 こだわっているんだよね……?

 なろう小説の 毎日更新とか、

 書き続けることっって。

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

「たぶん、」

 わたしにとっては 【 あたビギ 】は、天国とか

 地獄とか そーいった キリスト教の聖書的に言う

 【 死後 約束された世界 】って意味合いなのだけれど、

 

 くろとに とっては、小説を一緒に書き続けることこそが、

 わたしたちが生きている証であるし、わたしと一緒に

 この世で共同作業が出来る(セッ●スが出来

 ないからね?)唯一のことだから、

 

 ―――それで あんなに わたしと一緒に

 書くことに こだわっているのだと想う!

 


 ……くろとが 小説書くのが好きなだけなら、

 わたしとなんて しちめんどくさい ことせずに、

 ひとりで しこしこ 書き続けてるハズだからね?

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