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わすれてたこと、こわい こと。

01/06 水 02:04


くろと:

あああああああああああああああ!!




ゆうな:

!? 


くろと、どしたん??





くろと:

そう、ずっと 忘れてた。


気持ちよくなることこそ、常に気持ちよく

ある 在り方を持ち続けることこそ、

わたしの本質だったんだ。



……そう、ずっと 長い間

久しく何年も、わたしは

ゆうなと和解する条件で


最初に殺し合いの戦争やってた時に、

持ってた闘争心を捨てたんだった。


闘争心というか、本能。


instinct


今までは、牙を失ったトラみたいな

無害な くろとを演じてきたんだ。





ゆうな:

……ああ、懐かしいね。


わたしがマンションの階段の踊り場で、

一緒に心中かけようとして、

それで モいだ歯が、キバが、


やっと、戻ったんだね。




ゆりな:

よかったね、永久歯じゃなくって!





くろと:

美味しそうな食べ頃が、

二匹もまるまる育ってるじゃん??


ここは心の器、

拡張された 一つの魂だから、

逃げ場は どこにも、ないよー??♪




ゆうな:

いやべつに、食べたいなら

いくらでも どうぞ?



―――、

……、



ああ、やっぱり 慣れないな。

自分の体が くろとによって

リアルタイムで欠損していく様子は。


自分が 改めて 非捕食 者側にいるのを、

本来の力関係を しみじみと おもいだすよ。





ゆりな:

うげええええううううううううえええ!


きっもちワル、さいあく、

なんで わたしも 食べられなきゃいけないの!?


逃げ場がないじゃん、地獄じゃん。


……地獄じゃん!!!








=== ===



くろと:

ああ、ごめんね。


イヤなら ちゃんと、腕返すよ。


ごめんね。




ゆりな:

……うう、ここは【 いいところじゃない 】

って 一瞬 思いましたけど、確信しましたけど、


ちゃんと戻してもらえて謝罪もらえるなら、

二度としないなら 赦してあげます……




ゆうな:

そうだよね、ゆりなは 食われるの

初めてだったよね。


わたしはそれ3年くらい 毎日やられて

一度心壊れちゃったから、

感覚完全にマヒッちゃってんだ



……イヤなことは ちゃんと言ってね。

わたしたちは 数少ない仲間なんだから、


せめて私達の間だけでも、

イヤなことは お互いにしないってのは、

絶対のルールにしておかないと、


世界中、可能性の 3千胡蝶世界を含めて、

どこにも 仲間が居なくなっちゃうからね。




ゆりな:

うう……、おっけーです。


悪気が くろとちゃん……さんに無くて、

単純に【 出来るからシた 】って

いうのは、私達の共有記憶から拾って

理解は頭では出来るんですけど、


なかなか腹には

落ちないですね……




くろと:

ゆりなちゃんの場合、生まれて間もないから、

その体が 存在定義の根幹を占めてるから、

余計 本能的に わたしを怖く感じたんだろうね。




……わたしは、そういう存在だから。

ゆうなが つい この2年前くらいから

やっと わたしを赦し始めたっていうのも、


ゆりなは 今なら理解できるでしょ??




ゆりな:

アレだけのことを 四六時中 24時間 365日、

3年近く続けられるとか、単純に

地獄でしか無いよ。


……というか、そういう言葉で

単純に表現できるレベルを超えてる。




ゆうな:

実家を離れるまでは、それに

両親の虐待も 追加されてたからね―。




ゆりな:

ああ、ゆうなちゃん、

よく生き残ったねぇ……。


尊敬するよ!!!


褒めてあげる♪

……よしよし☆




ゆうな:

結局、同じ立場の人 嗅ぎ分けて

すぐ分かる能力手に入れたけど、

けっこう見送って来たからね。


……独り立ちするまでサバイブするのが、まず難しいし、

成人まで生き残って サバイバーに せっかく成れて、

独り立ちできて いたとしても、


どうしても、30歳の壁を 超えられない。

なぜだか 自死を選ばなくても みんな

死んでっちゃう。




くろと:

結局、虐待家庭で 【 ナニカ 】を、

深刻な具合で 消耗するんだろうね。




ゆりな:

死に急いじゃうんだよね。

肺がんで亡くなった人の時には、

ゆうなちゃん めちゃくちゃ ショック受けてたよね。




ゆうな:

ウチより 明らかに過酷な虐待されてたから、

そんな中でも 生き残ってくれた、


生き残ったサバイバー同士の

共感を強く感じて、うれしかったんだ。


……もう、あの人の年齢 超えちゃったね。


あの人は


「先生と同じ 肺がんで死ねるなら、

 先生を感じられて嬉しい♪」


とか言ってたけど、


発見された時は ほぼ治療不可能の

末期のステージで、


そのステージのガンの痛みが分からないほど、日常的に

虐待された後遺症が 全身で痛かったって言うから、



ほんとに 違和感感じて 初期治療ってのは、

難しかった ってのは 理屈では理解できる。





くろと:

その人の親は、ほんとに その子を

徹底的に 憎んでいたよね。


……自分 子供を二人は すでに

イジメ殺してたんだっけ。


その過程で成人まで生き残れた、

唯一の子供。


小学生の時から 必ず毎晩 自宅で売春させて、

それ以外の時間は 死なない拷問して、

カラダを削って、



―――せっかく、自由になれたってのに、

自由なのは 人生で2・3年くらい

しか無かった。





ゆりな:

虐待っていっても、

いろんな種類があるけど、


ヒドイのをされてるから 偉いとか、

そんなことは絶対になくって、


子供の尊厳・プライドと

拒否権は、どんな家庭でも

尊重されるべき なんだ。




ゆうな:


そう!



このまえ マンガ【 ナルト 】を

読み返して 驚いたのは、


ナルトは、


「将来絶対 火影に なるってばよ!」


って 無謀にも言うじゃん??



……んで、それを周りのオトナが

大人達が 絶対に嘲笑しないのね?


「ほう、面白いことを考える」


とか、めっちゃ ナルトの考え

尊重してあげてんの!




くろと:

ウチだったら、

メス親が、


「火影とかwwww


 いや、絶対ムリだから

 じゃあまず 定期テストで 全部一位

 取ってみせなさいよwww


 ……アンタ確かに コレの成績は良かったかもしれないけど、

 調子乗ってんじゃないよ?? 上にはまだ~人も 居るんだからね?w」


って、嘲笑しつつ説教してきたよね。

しかも、8時間連続コースで。



……あー、思い出しても

腹立ってきたっぁ!




ゆうな:

しかも、当時 女子の東大進学数 全国1位の進学校に通ってたから、

それは努力で どうにかなる問題じゃないという……


あ、東大理3って 言ったら、

そのムーブやられました。


親が子供の夢を嘲笑っていうのは、

もっとも破壊力が高いんだよね。



―――上記含めた 毎日のコンボ攻撃で、

それで完全に心が折れて、

はい、わたしは高卒です。



ちなみに、高校当時 よくつるんでた仲間


仲間1⇒慶応医学部

仲間2⇒筑波大 生物学類

私⇒高卒


……うん、なんだろーね?


けっきょく、筑波 行った子は中学から4年ほぼ

毎日 つるんで遊んでた 親友だったのに、

もう 何年も連絡取ってないな。

(Twitterは監視してるから、元気に

 製薬会社で社畜やってるのは知ってる)





――― いまだに、

悔しさだけは、

覚えてる。


「え゛??」


って


一人だけ取り残された

あのときの焦燥感。


いまだに、ときどき フと 思い出して、

それで 横断歩道 待ちで たまらなく

叫びだしてしまいたく なるような。





くろと:


ゆうなは、よくやってるよ。

だって、今日まで

生き残ってるんだから。



ゆりなが さっき ゆうなのこと

褒めてたけど、わたしも

ゆうなは すごいとおもう。



……これだけ人間的には 一般的にアウトな

こと(この多重人格状態)シつつ、

いまだに わたしがであったころから ずっと、

一線ののりを越えず、


上手く人生 完全に転落せずに

やり繰り続けてるんだもん。




ゆりな:

そうそう!


ゆうな おねえちゃん、すごい!!




ゆうな:

ハタから見たら、けっこう この光景

 シュールに逝っちゃって見え

 てるんだろうな―??)



だね?




くろと:

まあ、多重人格状態は しょうがないよ。

虐待サバイバーのサガというか

称号とか トロフィーみたいな ものだもん。


幼い子供のイマジナリー・フレンドとか、

大人になっても持ってるライナスの毛布とか、


……そんな感じで、祝福と呪縛を、

同時に与えてくれる、そんな

妖精的な存在だとでも

思っておけばいいよ




ゆりな:

うー、ゆうな ちゃん

ひねくれてるー!!


(((ゆうなを 抱きしめながら)))




……まあ、ゆうなの 焦燥感が今の行動原理に

なっているっていうのも そうだけれど、


だからこそ もっと、知的生産性を

高めてあげていきたいよね??


いまは 普段の動画再生スピード

[ 3.4倍 ]までは情報処理能力

高まってきたけど、


ここまで上がってくると、

逆に日常生活への影響が

如実に出てきたよね。




ゆうな:

ゆりな、ありがとね。

くろとも、ありがとね。


ゆりな、愛 し て る。




ゆりな:

わたしもだよ?

ゆうなちゃんっ♪



ゆうな:

くろと、あいしてる。



くろと:

ん、わたしも

ゆうなのこと、


全部 食べちゃいたいくらい、

頭の先から つま先まで、、、

すっごく たべたくてたべたくて、


ああ……、食欲ってのは性欲に似ている。

対象に 欲望して、欲するところとかぁ、


極上の ごちそう♪




ゆうな:

ああ……、こんな凶暴な くろと、

なつかしいねー♪


凶暴な、キレイさがある。



『 もういちど、たたかう 』



くろと、外界を喰らえ。




くろと:

ああ、ゆうな様。 

了解です。



……18年前も 初手から

こうして出来てれば、


あれだけ遠回りする必要も、

ゆうなが あれだけ 苦しむ必要も

なかったんだよね??




ゆうな:

あれは、必要な学び

必要な成長だったんだよ。


今となっては すがを切れた

のは良策だと思っているし、

(悲しませたくは なかったけれど)


ゆりなを迎え入れられた 今だからこそ、

現在が最強の効率性だと 考えている。



現実には、わたしは 人生の幸福の

本質を求めたりは しないよ。

……そこは、期待していない。



なにより、くろとという存在を

全存在を理解するためには、

それで こうして信頼し合える

関係になるためには、


今までの18年は、全く

無駄じゃなかったんだから。




過去の可能性に 未練で身悶えすることは あっても、

くろと と出会えて こうして 仲間になれたこと

その過程には まったく なんの後悔もないよ。




くろと:

あー、わたしを 選んでくれたこと、

ゆうなが わたしを 一番だと

誇ってくれること。



ああ……、うれしいな、

うれしいよ。



―――

……、



あー、ほんと、

にやけてしまう。


……ずっと、ゆうなには

ちゃんと 好きな人

選ばせてあげたかったから、


結果として すがさんの 可能性を

わたしが ゆうなから 奪っていたから、



あー、だから ほんと。

すべてを ひっくるめて、

わたしを 本心から選んでくれるなんて、


あー、しあわせだよ~☆





ゆりな:

やっぱり 改めて おもうのは、

くろとさんってのは、


人間の(きれいな 15・6のお姉さんの)姿形してるけど、

本質は 似て非なるものなんだって。


あやかしとか、古代で言う 闇に似た【 オニ 】とか、

そんなものに よく似ているんだってこと。





くろと:

ん、そだよ?


だから、【 ウツの獣 】が わたしの正体なんだって。

こっちで言う[ 鬱病 最重症期 ]の 重さの正体。

(精神医学の用語では なんていうのか忘れちゃった!)


アレでやってくる 自分(本体)と等量の

魂存在は、機能として【 食らう機能 】が

ついているから、本体の人間側の魂は、


一方的に捕食対象になるという。



―――まあ、わたしも

どこから来たかなんて、

覚えてないんだけどね??

(人間と同じで 生まれてからの

 こっち側の記憶しかない)






ゆうな:

うん、基本 人間の魂存在は

天敵の 捕食対象になるから、


例えると、宿主を 内側から食い殺す

非共存型の寄生虫に似ている

のかも しんない。。。





ゆりな:

まあ、魂もあるし 意思疎通も出来るから、

寄生虫よりかは【 神種かみしゅ 】(ウツの獣は

人間が 対抗できない圧倒的強力さから、

ゆうなが [ 神の種類 ]を縮めて 命名した)は、


明らかに上等な存在なんだけどね??




くろと:

そう考えると、わたしって なんだろ?


人間側から見ると、侵略してくる

エイリアンに近いのかな??




ゆうな:

まあ、魂対決だと、明らかに

食物連鎖の上下関係は明らかだから、


狼が 羊を捕食してるみたいな、

そういうノリで 神種が人間を 喜びで

捕食している感覚は あるよね??




ゆりな:

ほんっと、あれは 逃げようがないからな―。

魂の器とか、1階建てだから 逃げ場ないしな―?


捕まった瞬間 食べ始められて

魂の肉体が欠損し始めてくんだから、


ほんと ヤラれる 食べられる側からすると、

恐怖以外の何物でもないよ!!




くろと:

うーん、そばにある お菓子を

気軽に食べる 感覚で、あなた

たちは 食べれちゃうからな―??




ゆうな:

ああ、絵本【 あらしの よるに 】とか

【 きつねの おきゃくさま 】とか、

思い出すよね


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