ひたすら 泣きじゃくった、ゆうなの おてがみ
イヤな夢を見た。
わたしの人生が 最初に明確に呪われた時のことを。
蹴られて、叩かれて、「アンタなんて生むん
じゃなかった」って呪いを突きつけられて。
起きてすぐ 泣いてしまったのは、さすがに初めてかもしれない。
くろとが 驚いてる気配がするけれど、どうにも泣きやめない。
―――フラッシュバックが強すぎる!!
「ごめんなさい、
ゆるして……!」
って、今まさに 幼い わたしが
毒オヤから 暴行を受けているかのように、
わたしはフラッシュバックのほうが
現実になってしまっていて、勝手に
息も ヒュウヒュウ早くなってしまって、
「しにたい……」
わたしの受けた呪いは こんなにも強かったのだろうかと、
新しい新鮮な驚きと 新鮮な耐えられなさそうな痛みと、
耐えられなさそうなので 現実的な出口を望み望む。
ほんわかっ!
……そういえば、隣の方で なんだか あったかそうな
桃色の雰囲気があるな??(わたしは雰囲気が色で
見えたりする)…って、視線を上げると、
「??」
「っ!!」
見知った この世で唯一の味方の存在の
くろとが、わたしの そばに居てくれた。
たまらなく体温が欲しくなって、くろとに
抱きついて、だけれども 泣き止めないし、
息もまだヘンだ。はずかしい、早く泣き止みたい。
……そうしたら、こんな失態、
くろとに 見せなくて済むのに。
「じゃあ…、」
察しの良い くろと(いつも わたしのことを考えてるっぽいなら、当然の流れなのかな??)
は、わたしが なんの夢を見て なんのフラッシュバックに苦しんでるのかを、知ったみたい!
(まだわたし、なんも説明して ないんだけどなー??)
「……うん」
うなずいても 抱きしめたこの位置じゃ わたしの頭の動きは くろと
には見えないので、どーせ間違ってないだろうから、認めておく。
泣き止めないのに、なんでか劣情を覚えてしまって、
寝巻きの上から 自分の中心を 軽くなぞって もんでいく。
「…!!!」
くろとが、びっくりしてるのが 手に取るように分かる。
……たまには いいかと思って、くろとの背中から
おしりにかけて、やさしく マッサージのように 指を
ホウキのように使い、服の上から撫でてあげる♪
―――くろとが、全神経を わたしの
指に集中してるのが よくわかる。
(これくらい わたしが取り乱すのって、
二度と無いかもしれないんだからね?)
「??」
「!!!」
さすがに、あからさまな部分はイヤがる
かと思ってマッサージ? を止めると、
くろとは 生殺しに遭ったみたいに、
欲情したいような顔で 必死に
なにかを訴えかけてくる。
(かわいいなあ? ほんとに)
「……」
ふーん? じぶんの中心から
淡い弱い快感を得ながら、
人間には11の穴があるという、
そのうちの さっき寸止めにした
後ろの方の一つを 服の上から、
―――力を込めないで 滑らせるように
優しく、集中して刺激して なでなで
つんつん してあげると、
「(ひんっ!)」
くろとは甘い鳴き声を かすかに漏らして、
わたしの されるままに ふるふる
耐えて(喜んで)いる。
(淡い快感しか、送らない)
―――くろとの おしりの
もみごこちは、すごく、よい。
「……」
ああ、よかった、くろとが気を紛らわせてくれた
(抱きしめさせてくれて受け止めてくれた)
おかげで、だいぶ ひぐひぐ泣き止めない
発作も 落ち着いてきたよ……?
(ありがと、ね??)
「じゃあ、」
「!!!」
その気に なっただろうから、あとは
くろとが自分で処理をするんだよう?
適当に、乱暴しなければ わたしの
カラダ使ってくれていいから。
(寝てる間に イタズラするくらいなら、
今なら ゆるして あげるから)
―――でも、これは言葉には
しない。くろとには 伝えない。
「……」
なんだか、疲れてしまったんだよ。
―――わたしは眠って、
眠ってる間、くろとが なにを
したかは、わたしは 知らない。
(わたしを壊すも壊さないも、
くろとの好きにすればいい)