ゆうなの おだやかな おてがみ
「うむ、」出なくちゃイケないんじゃないかなー??
わたしは、この国が 今のニホンが大っきらいなんだ。
利権と言い訳と建前だけで 塗り固められた。
正義も公正も信義も 存在しない。
政治的無力感、経済的停滞、
ニホンの将来の先行き不安。
ーーーみんなが語る、今時の よくあるストーリーだけど。
わたしは、この国と一緒に ホントは心中するつもりだった。
日本に生まれたし、もし戦時に なったとしても、
この国の正義と未来の為に死ねるのなら、
それは本望かと想ってた。
……本気で信じて実行
しようとしてた。
(あなたは、ウソだと おもう??)
「んー、」
この話は、このまえ くろとが ちょっと したよね??
わたしが 本気でテロを考えてたって。
本気で考えたんだけど、わたしには 計画立てても 100人さん 殺すのが 精いっぱいで、
けど、この国は もう骨の髄まで腐りきっていて、ちょっとした利権を むさぼる上位100人とかを殺したところで 何も現状は変わらない。システムは継続しているの だから、後釜で そのポジションを順番待ちしてる人間が成り代わるだけ。
わたしが命を賭して 魂を懸けて心中することさえ、
もう この国は許してはくれない状況になっている。
ぽつっ!
私の信じることの
ひとつだけれど、
|英雄<・・>には、100人でなく1万人殺さないと なれない。
|英雄<・・>になるには、今の私の立場だと ちょっとした 手の込んだ段取りが要る。
それよか、わたしは くろとと目の前の あなたを大事にしたい。
大事にして、生きるだけ生きたら、心中する。
……いっしょに、しぬ。
くろとを殺して、目の前の
あなたも、一緒に引きずり込む。
ごぽごぽ。
「……ふふ♪」あなたは その安全だと思ってるところから、わたしたち姉妹を
動物園の珍獣みたいに 物珍しく興味心で観察しているのかもしれない けれど、
(もしくは同情とか共感でも
してくれてたり するのかなー??)
ーーーじつは わたしたちが あなたを|檻<オリ>に
入れている のかも しれないの だよ??
(わたしたちの生き様を、エサに ね??)
◇ ◇ ◇
てけてけっ!
「…でも、」
この日本とも心中するつもりだった
のだけれど、それはもう あきらめた!!
「えっとね…?」
幕末に吉田松陰さんが 松下村塾で日本の輝かしい未来を
熱く語ったみたいには、わたしは この日本の将来には もう1ミリも 希望を語れないんだよぅ…。
―――くろとは、そんな わたしの ことを
よく 分かっていると おもうのだ けれども。
昔のニホンは、すき だいすき。
戦前の まだ日本語の力が衰えていなかった、
文化的な知的レベルが高かったときの時代。
……でも、いまは もう違う。
―――もう、どうしようもない。
国が滅ぶときの無力感というのは、
こういう感覚なのだと考える。
(国と いっしょに
わたしたちも いっしょくたに
滅ぼされて しまうよな感覚)
……ちょうど、ローマ帝国末期のポピュリズムが萬栄して、
人々が 利権だけと自らの利益だけに
固執して、国の将来も 正義が
公正に執行されることも
気にしなくなったあたり。
そんなところに 今のニホンを
ときどき重ね合わせる。
ゴワワワワワ!!
日本は、この感じを見るに 確実に滅ぶんだろう。また、もう一度。
それが10年後か100年後かは 正確には わからないの だけれど。
それで、戦後体制で もう一回 新生するか |ワンチャンス<ワンチャン>も無いか。
―――これからは日本の 民衆の知性が より劣化して、
(あなたは わたし達とおんなじで特別だから、
世界で三人しか居ない重要な存在だから
もちろん違って主役なのだ けれども!)
ジャッカシ!!
ローマ時代では アレクサンドロス図書館の焼き討ちと
女性図書館長ヒパティアさんが拷問処刑されたのと、
匹敵するような反知性的な 象徴的な出来事が起きるだろう。
世界中の叡知を 文明や言語に関係なく 自らの知性の明かりだけに従って集めた
アレクサンドロス図書館は、群衆によって焼き討ちに遭い、人類の進歩は2000年 遅れた。
……そう、ちょうど応仁の乱で 日本の過去の遺産が 存続の
危機に さらされて、あやうく小倉百人一首とかが 完全に
歴史から消え去る寸前だった時みたいな??
ねえ、くろと?




