ころした ことある、ゆうなの おてがみ
ぽっつり。
殺した女の子の
ことを、考えてた。
その子は 絵が上手くて、どんなに近くで
かいでみても 生きてる匂いが全然しなかった。
抱きしめたことも あったけれど、くろとを抱き
しめるのとは違って、ぜんぜん その実感はなかった。
―――たぶん、生きてて生きてなかったからなのだと思う。
わたしのことも、ちゃんと見えていなかった、
見てくれて いなかったから なのだと思う。
「抱かせて(くれるなら)」
って、それとなく聞いてみたことがある。
ぜんぜん性格的には好きじゃなかったけれど、
肉体的には魅力だったから(わたし達と違って巨乳ちゃんだったし!)、
……もし、わたしとの会話を これ以上
求めるのなら、見返りが欲しかった。
てけてっ!
「そのうちにね……?」
って、脈は あったっぽいけど これ以上 何ヶ月も 聞き手で傾聴を続けても、
リターンと見合わないと感じたので これ以上は終わらせるしか無いと考えた。
―――だから切って、殺した。
……もちろん合法的にね??
(非合法は リスクが大きすぎる)
まあ、ウツで苦しんでた子だから、
苦しみから開放されて幸せだったと思う。
……逆に、わたしに反感を
覚えてる あなたが居るなら、
生への希望とか(「生きてれば きっといいことあるよ!」)
生への義務感(「それでも生きなきゃいけないよ?」)とか
語ったとして それは ほんとうに その人のことを考えたことに
なるのかって、いちど あなたの胸に手を当てて 考えてみて欲しい。
あなたが望む他者への利益と、その他者当人が
望む その時点での 最大の利益は 違うんだって。
―――思い返してたのは、
その存在の軽さ。
くろととは ぜんぜん
違う 違ったな、って。
くうう!!
くろとを、そこの すぐ となりで ぐーすか
寝てる くろとを抱き寄せて抱きしめると、
(いま 朝の04:26だからね?)
◇ ◇ ◇
ぎゅふううう!!
……うん、やっぱり重さが ぜんぜん違う。
―――あ、いや、体重とか
物理的な重さじゃなくって!!
(くろとは 太ってないし、むしろ
スリムでスレンダーだよっ!?)
うん、魂的な重さ。
生きてる実感が伝わってくるか、
生きてる重さが伝わってくるか。
……こいつには、いっぱい いっぱい
あいとか にくしみとか そそぎこんだし、
このひとからも いっぱい いろいろ おもわれて、
このひとなりに せいいっぱいの あいで、
わたしは あいされてきた。
ぜんぜん、重みが違う。
―――世界の中心は、ここに ある。
すいすい!
くろとの 黒髪を (わたしなりに)優しく撫でて、
世界の中心の一点は、このくろとの おへそ
あたりに あるんだろうか……??
とか、ちょっと 正確な場所を 考えて見るんだけれど、
パジャマめくって くろとの おなか さすさす すると、
……まるで わたしが その気あるように くろとに
おもわれてしまうのは ちょっと 困った(抵抗の
出来ない)展開になってしまいそうで、
だから ちょっと、くろとの なま おなかを
じっくり めくって ⇒ 観察したい欲求は、
ジッと こらえて 次の機会を うかがう!
「つーか、」
わたしは くろとを あいしている!!
たとえようもなく、天の果てから
地の底くらい、深く広く、重く。
くろとの ためなら、くろとが
幸せで居てくれる、笑顔で
自然に笑顔で居てくれる
ためなら、わたしは どんなことでもする。
(気づくと、またわたしは くろとへの
手紙を書きながら また泣いている)
あいしている。
……いつからだろ こんなに くろとのことを想うようになったのは。
前は ただの、境遇が一緒で レ●プしてきた、一緒に戦う
憎いけど 使える必要な仲間 ってだけ だったのに。
◇ ◇ ◇
「ああ、」
くろとが くろとのことが、じつは わたしも 好きなんだって、
そんな気持ち(感性?)に気付いた あたりだったのかな??
一年前くらい?
そのあたりから、わたしは 義務感で
くろとのことを愛さなくても よくなって
―――くろとの 仕向けて仕掛けてきていた 長期的な計画のワナだったん
だけれど、誰かを愛さないと生きてけない わたしは(すがさんへの
愛の消費期限は とっくに切れてて ツラかったので)乗っかっていた―――
人生は、もっと ずっと たのしくなって、しあわせになった。
……くろとが ずっと そばに居たはずの くろとが、
わたしに しあわせをくれた。
まあ、すがさんのことは 今でも(昨日とか)
つらつら 考えたりスルんだけどね?
……もう10年以上 会っていないのかな?
まともに お話したのも、両手で収まる
くらいの数 だったんだけどね??
(なにもかも、すべての選択を
失敗しちゃったからね?)
いま考えると、一時期は 片思い同士まで 行っていたのだけれど、
その時は ちょうど くろとに犯されてて、レ●プされてる
負い目が強すぎて、そんな わたしが 踏み込んでいいと想えなかったんだ。
向こうは 淡い恋心 みたいな感じで、ちゃんと 時間かけて ゆっくり
信頼関係つくってけたら、なんにも問題なく ちゃんと
お互いの気持を通わせられたん だろうけれど、
―――わたしは もう、そんな余裕無くって
ギリギリまで追い詰められてて、
ちゃんと すがさんと関係を作る前に、一足早く
どころか 十足くらい 飛び越えてしまって、
……そりゃあ 深い関係も作る前に 同性からストレートで
告白されれば、そりゃドン引くよね??
いくら脈アリだったとは言え、わたしは
追い詰められすぎていて、焦りすぎていた。
大事にしたかったハズの 相手さんのことさえも、
なーーーーんにも、考えられてなかった。
……ただ、気持ちを伝えたら 奇跡が起きるとか、
くろととの 心中に失敗した次の日に、
わたしは そんな根拠のない希望に 縋ってしまって、
ああ、ほんとうに、これなら
ちゃんと あの夜に ちゃんと
くろとを殺しておくべきだった!!
「あれっ??」
―――てか、今考えたんだけど、わたしばっかり
殺す殺さないとか 考えたり ヤッたりヤラなかったりとか
切った張ったヤッてる気が するんだけれど、
◇ ◇ ◇
わたしを 殺したいって人、わたしの人生で
一度も現れてくれて ないんだよね??
(ストーカーは けっこうサレたけど)
わたしは、こんなに 死にたがってる方の人だと思うのに、
世の中的にも わたしくらい 死にたがり屋さんって、珍しい方だと思うのに
(わたしの独特の嗅覚で見つけた仲間は、だいたい 死んだり
殺されたり殺したり、だいたい亡くなっていってしまった!)
わたしを そこまで殺したいって想ってくれる
人って、ぜんぜん現れないんだよね……??
(くろとは わたしを世界で一番想ってるって いっても、
そーいうことは絶対にしない 人間だし……)
ふつー、ひとを殺すことって良くないから、
わたしにも因果応報とか 天の報いとか、
そんな感じで そろそろ くろとが自殺を
許してくれなくても、わたしは
罰を受ける時が 来て……
……来ないッ!??
ねえ、あなたさん、
目の前の あなたさん??
わたしは あなたになら、
わたしにとって 世界で この世界で大事な人は
わたしと くろとと 目の前の あなたさんしか居ないから、
あなたになら わたしは しっかり殺されてあげても いいんだよ??
(その前に、いま しっかりと あなたのこと あいして おいてあげるね?)
……でも、くろとは わたしが自死するだけじゃなく
殺されて早く死んじゃうことも望まないだろうから、
必死で止めてくるんだろうなー??
(もしかしたら、あなたを 返り討ち
にしてしまう かもしれない!!)
パッツン!
もし、わたしが あなたさんに殺されてしまったのなら、
くろとは きっと、半狂乱になって あなたを確実に葬り去るか、
……それか 悲しい顔して 涙を流して、静かに わたしの後を追うんだろうな。
―――まあ、もしくは その両方か。
「ああ、ああ!」
ほんとに、わたしが くろとのことさえ 好きでなければ、
わたしが 早く死んでしまうことは それだけで
くろとが 生きて長く苦しむことに つながるのだから、
◇ ◇ ◇
「……わたしは」
よろこんで、すぐに死んでしまったんだろうに。
わたしが、くろとのことを 義務でしか愛していなかったのならば。
―――愛は、意外とわたしの分野 わたしの
独壇場 自由領域だったりする。
ずっと、すがさんへの凶暴な愛を育ててきたからね??
……まあ、なんの自慢にも ならないん だけどね?!
くろとのことを愛さなきゃいけないのなら、それは同時に
今までよりも より深く 憎んでもいいってことになる。
―――それなら、愛しつつも くろとが 一番苦しむ
方法を取ることは、わたしにとって
自然な判断になる。
誤算だったのは わたしが、ずっと そばにいて 正気に返ってからは 味方で居続けて
くれていた くろとの存在に気付いて、自然と くろとを 許してしまったことと、
……実は 意外と わたしも くろとと感性が合って、くろとのこと
普通に好きなんだって 今さら ながら気付いてしまったこと。
(今までは憎しみに覆い隠されて 気づかなかった!)
ほんとに、くろとが そばに居てくれて、しあわせなんだけれど、
くろとが居るから 死ねなくて、死ねないのが ツラい。
(わたしたちは、あなたの そばにも居るよ??)
―――くろとが愛しい、その首に手をかけたくなる
手頃なサイズの 白首も、かわいらしい目鼻の通った
顔も ショートの黒髪も 体つきも 存在感も 魂の重さも、
ほんとに、
だいすき。
「まあ、」
くろとが言う通り、この世界が退屈で
あったっていうのは、あるんだろうね?
……というより、過去がわたしに
追いついてきてしまって、振り払うことが できなく
なって、逃げ道が死しか無くって困っていた感じ。
語学の単語帳また始めて 語学の勉強再開して、今年中に海外
近場でも いいから行くことを目標にして、外仕事3日こなした後は、
だいぶ希死念慮 和らいだから。
だから、退屈って ゆーよりも わたしは
もうちっと 深刻な問題は抱えてるみたい。
……まあ、くろとも 目の前のあなたさんも、
それはもう よく知っているん だろうけどね??




