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だから、
11.愛してるの言葉
「星が綺麗ですね」
ふとした夜に、彼は神妙な面持ちでそう言った。
きょとん、してから頷いてみる。すると不機嫌そうに見られたので、どうしたのかと首を傾げた。
「夏目漱石の告白を知らんのか」
「星でなく月なら知ってる」
「あ」
やらかした、という表情をする彼。
そんな彼が愛おしくて、笑みが溢れた。
12.恋する乙女の頭の中
ずっと片想いしていた彼と付き合うことになった。
嬉しくて嬉しくて、彼のことで頭がいっぱい。彼からのLINEの返信も気になるしで、もう何にも手がつかなくて困ってしまう。
「大好きだよ」
ついさっき耳元で囁かれた言葉が頭の中でエンドレスリピート。
嗚呼もう、明日の授業の予習も済んでいないのに。