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幸せそうな
19.視界の中の君
どうしたって手の届かないところに君はいる。
追いつきたくて仕方がないのに追いつかせてくれない。前を走って、時々振り返って笑いかけて、私がもう少しで追いつけると思った瞬間また駆ける。
追いつかせるつもりがないのなら、いっそ姿が見えないところまで進んでいてほしいのに。
君は私の視界にいる。
20.私を壊して
虚無。虚無。虚無。
嗚呼、あの人がいないだけでこうも私の心は何もなくなってしまうのか。
水もジュースもお茶も何もない空のペットボトルみたい。それ本来の利用法がなくなって、あるとすれば、分解をして他の何かを作るのに利用するのみ。
それなら誰か、私を壊してほしい。
今の私のままじゃ、もう。