記憶想帰の段
こんにちは、風也です。
たまにはゲーセンとかカラオケとか行きたいものです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
目が覚めると、俺は見知らぬベッドで寝ていた。ここがどこなのか知る為に辺りを見回す。
フム、どうやら病院のようだ。白い布の衝立に白いカーテン、とりあえず白い。
俺の体には点滴が付けられている。一体何事?
すると、先生と思しき白衣の男性が病室に入って来た。
「おぉ、風也君。目が覚めたのか。」
そう言って、ベッドの隣のイスに腰かけた。
「6日間も寝たきりでね。いやいや、原因が解らなかったからとても心配したよ。」
6日間?俺が異世界で世界神をやっていた期間と一致している。
「君のお母さんがね、「うちの子、もう三日も起きないんです!」って救急車を呼んでね。しかし、一体何が原因だったのか…。最後の夜に普通に寝ただけだと聞いたが…。」
その通りです、普通に寝ただけです。
「今、君のお母さんを呼んでくるね。」
そう言って、病室を後にした。
あれは夢だったのか…?
…だるい。
母さんには悪いが、少し眠らせて貰おう。
俺は軽く目を閉じた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
目を覚ますとそこには木の天井が…
「あれ?」
俺は病院のベッドで寝たはず。ならば、目の前には病室の白い天井があるはずだ。
俺が寝ている間に家に連れて帰る事もしないだろう。原因不明の寝たきりだったのだ。入院に検査とやることは山積みのはずだ。
となると…
「クリシス。」
「お目覚めになりましたか、フウヤ様。」
手に付けられた機械のレンズから超絶タイプの小さな小さな美少女が表れる。
「俺、今地球にいたんだけど。」
「それは夢ですよフウヤ様。」
横から別の誰かの声がした。
「我輩、ずっとフウヤ様を見守ってましたが、ずっとここにいましたから。」
「…そうか。夢だったか。」
窓から白い昼の日が差し込む。画面左下の時計を見る。昼の1時半くらいだ。
「…地球が恋しいですか?」
クリシスが心配そうに聞いてくる。
「少しな。でも、俺はもう地球には帰らないよ。多分だけど。」
俺にはもうこの愛しきわが子のような世界がある。地球に帰りたいとも思う時もあるが、まだもう少しだけでもこの世界にいたい。
夢で見た日本に少しだけ名残惜しくも、俺はこの世界を創っていく事を改めて誓った。