嚆矢濫觴の段 1
日本最北の大地、北海道。その最大都市札幌、その隣の田舎町。俺はこの町に住んでいる。
俺の名は佐川風也。どこにでもいる普通の高校生だ。
俺には願いが二つある。
1つはゲームの世界を体感する事。
小学二年生の時から、俺はゲームセンターでその名を轟かすゲーマーだった。そんなだった俺は今、勿論ゲーマーである。そんな俺がゲームの世界に憧れるのはしごく当然の事だ。
もう1つはゲームを創る事。
ゲーム制作ソフトを使ってのゲーム制作に感銘を受けたのがきっかけでプログラミングの勉強を始めた。将来はゲームクリエイターになろうと思っている。
ある日、俺は枕の下に『ゲームの世界に行く』と『そのゲーム世界を創る』と書いた紙を置いてから寝た。見たい夢を書いた紙を枕の下に置くとその夢が見られるという迷信を実行したのだ。俺にとってこの二つは夢ででも良いから実現したかった。勿論、期待はしていない。
気がつくと、宇宙のような空間に漂っていた。小さな光がいくつもあって、重力がなく、浮いている。
《…お前の願い、確かに聞き入れた。》
どこからともなく謎の声が聞こえて来た。
《今からお前を、ゲームの世界に送り、そのゲームを自由に創ってもらう。好きに創ってくれたまえ。》
なんなんだこの夢は。
まさか、あれは迷信じゃ無かったのか?
《それでは、異世界転移を行う。頑張って創ってくれ。》
「ちょっと待て!異世界転移って…」
言葉を言い切る前に強い光に包まれ、俺は気絶した。
目を覚ますと、何もない野原の上に立っていた。
腕にはレンズ付きの謎の機械が取り付けられている。
―――ピピピ、ウィーン
機械が起動して、レンズの上に手のひらサイズの女の子が3D投影された。
「こんにちは。本日から世界神・佐川風也様の制作活動をサポーターさせていただきます、クリエイトシステムNo.8です。よろしくお願いします、世界神様。」
女の子は俺の事を世界神と、そう呼んだ。