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「どうやら動き出したみたいだねえ。例のタイムアテンダントとやらが」
艶やかな女の笑い声がした。
「透視火炎で見る限りでは召使いの一人に化けてるらしい」
闇の中に青白い炎が揺らめいている。炎の中には卑弥呼と侍女姿の英麻が小さく映っていた。
その炎を囲む人影が三つ。彼らは全員、黒いフードをかぶり、顔は見えなかった。
「…タイムアテンダント……我々の邪魔になる者…」
「タイムアテンダントもタイムパトロールもさっさと始末しちまえばいい。奴らがいたんじゃ、この先の弥生時代に出てくる親魏倭王の金印だって手に入らないし」
「親魏倭王の金印…どのみち贈られない…受け取る人間いなくなるから…」
「そう、その通りさ。今回、あたしらが手に入れるべき獲物はたった一つだけ。じき眠り姫となる女王様の時の花びら一つだけさあ」
女の赤い唇がフードの下からニタリと笑った。




