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小話:其の参拾《ぎもん(仮題)》
【率先して“それ”を知ろうとする姿勢が、大切なこと】
《ぎもん(仮題)》
あなたは、この村で一番の物知りさんです。知らないことはなにもないと称される、この村で一番の物知りさんです。
あなたのところには、日々疑問でいっぱいの小さい子どもたちが、
「ねえ、ねえ、おしえて! おしえて!」
と疑問の答えを求めてやってきます。
今日もまた、ひとりの小さい子どもが疑問を抱えてやってきました。疑問で頭がいっぱいなのか、眉をハの字にしています。
「ねえ、ねえ、おしえて! おしえて!」
あなたは、この村で一番の物知りさんです。知らないことはなにもないと称される、この村で一番の物知りさんです。
「どうして【 】はいけないっていうのに、【 】のためっていって【 】をするの? おなじ【 】なのに。ねえ、ねえ、どうして? どうして?」
あなたは、この村で一番の物知りさんです。知らないことはなにもないと称される、この村で一番の物知りさんです。
さあ、この子の疑問に答えてあげてください。教えてあげてください。