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キャラメルボックス


 悲しい時はキャラメルを舐めたらいいよ。

 そう言って、隣の多久兄ちゃんは小箱からキャラメルを取り出して私の口に放り込む。それが恒例行事だった。

 今やキャラメルを舐めるのが習慣になって。甘い味が口に広がる。多久兄ちゃんが髪を撫でてくれる、そんな幼い記憶が再生される。

 多久兄ちゃんと同じ高校に行く。今の学力じゃ合格圏内ギリギリ。だからもっと頑張らないと。私はまたキャラメルを舐めた。



 久々に多久兄ちゃんを見かけて、私は追いかけようとした――その足が止まる。

 楽しそうに、同級生と思わしき人と笑い合っている。

 私は踵を返した。

 キャラメルを舐める。

 甘い記憶はもう再生されなかった。

第82回twitter300字SS参加作品

テーマ「箱」でした。

文字数、ジャスト300字!

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