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全部、攫っていく


 砂浜を歩く。足跡をつけて。波が足跡をさらって。風が吹いて。麦藁帽子が舞い上がりそうで、慌てて私は掴んだ。


「……要人の護衛で、この格好は無いんじゃない?」


 私は恨めし気に王子に言葉を投げ放つも、どこ吹く風で。


「可愛い。とても似合ってる」

「そういうことを言ってるんじゃなくて、これじゃ護衛が――」

「君がいて俺がいる。後方には魔術師団の精鋭がいる。武装することが全てじゃないと思うけど?」


 それはわかる、分かるけど。着慣れている衛士服と比べて、ワンピースはどうも落ち着かない。


「今日の君は本当に可愛い」


 囁くように言うから狡い。君は波のように私の気持ちを全部攫っていく。本当にズルい――。

第78回Twitter300字SS

テーマ「波」でした。

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