表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
70/99

書簡


 言葉を書き記す。最初はただの余興、回顧録のつもりだった。言葉で、過ぎた過去を、事実を振り返りながら無造作に書いて。ごく当たり前のこと、ごく当たり前の事実、それだけのはずなのに、不思議と忘れていたことまで思い出して。通り過ぎた風景、誰かの横顔、時には流血もあった。まるで喜劇のように繰り返す、それが歴史なのだ。

 愚かな――とも思うが、悪くもなかった。

 君を拾った過去にまで行き着いて。

 君を失ってから気付く。700年ほどたっているのに。忘れていた。君の言葉も、君といた喜びすらも。

 言葉で書き記しながら、君の欠片を探す旅に出るのも、今なら悪くない。

 今さらだけど、千年魔女は君に恋をしていたのだよ。


第64回Twitter300字SS参加作品

テーマ「書く」でした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ