表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/99

最後の一言


見る者が見れば、妖精が寄り添うように舞ったのが見えただろう。


銀の粉を撒き散らしながら、妖精は哀悼を示す。それだって魔力の無い常人には、風がそよぐ程度でしかない。


最後の賢者と呼ばれた老人が、この世界に来たのは、350年前。彼は異文化の国から漂流したと言われる。魔力が無い癖に、精霊と交わる事ができ、火種や雷を機械によって起こした。泥水を飲み水に変えたのも、かの老人の功績だった。


その老人が最後に残した言葉は――。


この世界の住民には意味不明で不明瞭な言葉たった。


それもそうかと、最初から付き合いだったカマドの精霊は溜息をつく。


彼の国の言語は、この国では全く解読不能だから当然か。




(だけどねぇ……)




呆れるしかないというのはこの事か。


彼の言葉は、後進の学者たちの研究意欲を掻き立てる、聖典として扱われるのは難くない。




(でもねぇ……)






――おうどん、食べたい。




(あんた、昨日も食ったじゃない)




――それから、君が好き。




(そっちを先にに言え!)




300年は精霊にとっても短くない時だ。


悲しいという感情は精霊には持ち得ない。




カマドの精霊にとっては、食わせる食い扶持がいなくなっただけなのに――その火が消える。




風がそよぐ。


カマドに火が起こせない。


その意味を賢いこの国の人達はよく理解していた。





診断メーカーより。

「オカザキレオさんの最後の一言はおうどん食べたい···です」

なんて、もの書いてるんでしょう、僕は。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ