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もう包み込まれていた


 もう少し、自分の時間が欲しい。理由はそれだけだった。彼に不満があるわけでは無い。そもそも私に選択肢は無い。貴族の家に産まれた子女としての覚悟はある。婚姻の意味も理解している。ただ、もう少しあと少しだけ、先生とこの国の古代史を探求したいだけなのだ。その時間が無いことを私は知って――。


「先生?」


 私は目を丸くした。この国の第3王子は、学士院の学長であると聞いていた。その王子――目の前で、私の先生が笑顔を浮かべている。

「結婚なんか興味もなかったんだけどね、君となら一緒に歩みたいって思ったんだ。その、ダメかな?」



 包み込むような笑顔で。あぁ、と理解した。今さらに。私、目の前の人に恋していたんだ。

第61回Twitter300字SS参加作品

テーマ「包む」でした。

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