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命の氷


 男は氷をノミで削るという作業を繰り返す。雪の女王からようやく下賜された【命の氷】だ。

 匠であることの証。芸術をこよなく愛する雪の女王が、本当に認めた匠にしか譲らない。男はその腕で、氷の宮殿を作り上げた。

 女王はお喜びだ、と文官はご丁寧に報告をくれたが、それもどうでもいい。

 彼女が命を吹き返せば、それは何よりも価値がある。

 彼はノミを振るう。彼女の表情を、笑顔を思い返して。



「愚かよのぉ」

 雪の女王は、新しい女王の髪を撫でる。氷柱でできた髪は梳くこともできない。美しき造形は命が宿る。だが人の感情が入り込む余地など無い。あるはずが無いのだ。

 新しい女王の指先は真紅に滴って――。



第29回Twitter300字SS参加作品のもう一つの投稿作品。

テーマ「氷」でした。

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