0話 プロローグ
俺の名前は、神代優樹高校生だ。
自分で言うと悲しくなってくるが容姿、学力ともにクラスでは中間ぐらい特に特技というものもなく毎日を淡々と過ごしていくだけで面白みもない日々に嫌気が指していた。しかし、もう高校の2年なにをやるにしても中途半端な結果しかまってないだろう、将来どうしたいかもわからない。
こんなダメ人間だ親など優秀な弟に構ってばっかりで俺になど期待なんてしてない、多分はやく家から出ていって欲しいとさえ思っているだろう。
「はあ、家に帰るの面倒臭いなー」などと帰宅途中にごちってしまっても仕方ないだろう。俺の家は学校から、歩いて15分程だ自転車で通うには少々近い気がするので運動がてら毎日歩いて学校に行っている。まだ学校から出て少ししかたってないので、あと10分ぐらいはかかるだろう。
はあ、弟が優秀なのは兄としては嬉しいのか、悲しいのかどうなんだろうか、ただまあそんな弟と比べられるのは悲しいか。と、そんな事を考えながら歩いていたら「キャーッ」っと後ろから女の子の声が聞こえてきたので咄嗟に振り返ってみると、「邪魔だ!どけぇっ!」と走りながらくる男と後にさっき叫んだ子だと思わしき女の子が恐怖に引きつった顔で男を見ていた。
ん?痴漢か?と思い走ってくる男をみると手にはバックとナイフがあった、なんだ窃盗か。と思ったがまてまて、ナイフを持った男がこちらに走ってくる!?やばいやばいやばい。恐怖が頭の中を支配する。
「どけぇ餓鬼!殺すぞ!!」と顔を鬼の形相のようにしてこちらに走ってくる男。待て待て待て、びびっちまって腰がぬけてる、足が動かない。男はもう目の前。終わった。。。そう思った瞬間にドスッという鈍い音が聞こえ腹のあたりが熱くなっていく。手で触ってみるとナイフが刺さってそこからは俺の血が溢れるように流れていた。恐怖で感覚がおかしくなっているのか痛くは無かった。
俺は、男が走っていった方向を見ると男はそのまま走って去っていった。
あ〜俺、死んでしまうのか、まあこのまま生きるよりは良かったのかなと思う。しかし優樹の顔は涙で濡れていた。はは、こんなくそみたいな人生なのに今更おしいとさえ思えてくると涙が溢れていた。さっき叫んだ女の子が見える、泣いて電話をしている、あー救急車に電話してるのかな、あるいわ警察か?まあ、俺はもう死ぬから関係ないか、ハハハ。
はあ、短く何もない人生だった、次があるのならもっと真面目に生きていけたらいいな、まあそれはもう俺じゃなくなってるんだろうけど。
そして、神代 優樹は死んでしまった。




