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知る者、知らない者  作者: 螺旋の凡人
~第3章~
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第38話 新企画

放課後、普段は俺と委員長が稽古をしている剣道場に4人の部員と顧問の亜久間先生、それから副顧問・・・のミッチーが集まって会議をしている。


議題は文化祭における部活動としての出し物だ。


ただの出し物と侮ることなかれ。クラスの出し物とは違い部活動の方には、文化祭特別企画部活動対抗戦のポイントに加算されるのだ。対抗戦は出し物の評価ポイントとトーナメント戦の順位ごとのポイントの合計で競われる。


優勝した部活動には来年の部費の大幅なアップと夏休みに海岸近くの温泉宿のチケットを部員全員分が与えられるのだ。皆本気にならないわけがない。


出し物に関しては配点が低いこともあり比較的平和に行われるのだが、トーナメント戦は毎年怪我人が出るほど熱く盛り上がり、最近では学校非公認の賭けまで開かれているらしい。


そんな大事なことを決める会議なのだ。みんなとても真剣な表情をしている。


「出し物は例年通りポップコーンでいいと思うんだけど、皆は何かある?」


委員長が確認を取るために皆の顔を見る。それに対して皆頷いて肯定の意を表す。俺以外…


「四音君は何かあるの?」


「ああ、これに関してはちょっと面白いことを考えてるんだ。皆が良ければ部活の出し物は俺に一任してほしい」


これにみんな驚いている。まあ去年まではこういうイベントごとには消極的だったからな。突然こんなことを出だしてビックリしたんだろう。


「ボクはいいよ。シオンに任せる♪」


「俺もいいぜ」


「私もだ。面倒事は少ないに限る」


「私は今回が初めてなのでね。あまり役に立てそうにない。皆に任せよう」


雪奈、猛、先生、ミッチーは賛成してくれた。って半分が惰性かよ!


「委員長は?」


「私は出し物の内容によるかな。危険なものだったり他の部活と被るようなら賛成はできないわ」


なるほど。100%被ることは無いだろうけど、危険に関してはどうも言えないな。ちゃんと説明すれば大丈夫だろうけど、何かあってからじゃ遅いしな。


「うーん、それに関しても俺に任せてくれ。ある程度纏まったら皆にも話すから」


「どんなことをするの?」


委員長はなかなか逃がしてくれないな。


「まあ、ちょっと変わったお化け屋敷ってとこかな。知り合いにそっち関係の専門家がいてさ。手を貸してもらえそうなんだ」


「…分かったわ。でも四音君はクラスの方の代表者でもあるんだからね。ちゃんと両方できる?」


「もちろん。任せてくれ」


「ん、よろしい。何か手伝えることがあったら言ってちょうだいね」


「ボクも!ボクも!」


雪奈が元気よく手を挙げている。


「今回の企画では雪奈の協力は必要不可欠だからな。期待しているぞ」


「任せてぇ♪何をすればいい?」


「今の段階ではやることはない。だけど能力の申請を生徒会に通しておいてくれ」


「分かった♪」


「じゃあ今日はこれで解散か。お疲れさん」


先生の号令で部活が終了した。あっミッチーが先生に捕まった。これから朝まで飲みにつき合わさせられるのだろう。そこに鳴海さんも加わったらミッチーが潰されるな。ご愁傷様。


さて、今日の部活はミーティングだけで終わってしまった。そのあと雪奈は他の部活に行き、猛と委員長はデート、先生とミッチーは帰ってしまった。つまり何が言いたいかというと・・・暇なのだ。


先生の家へのお礼は今日じゃなくてもいいし、お化け屋敷の手配をしてもいいが、それも後回しでいいだろう。


「先手を打っておくか」


俺は着るには暑くなり始めたパーカーを羽織って、昼間にユウやジュウイチたちが話していた町はずれの教会を目指して歩き始めた。


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