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知る者、知らない者  作者: 螺旋の凡人
~第3章~
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第36話 新任教師と噂

お久しぶりです!!新章突入です!!

あの後、ミッチーと鳴海さんは二日ほど先生の家に泊まって、挙式するために鳴海さんの地元へ帰って行った。


それからさらに5日が経って文化祭まで1か月を切った教室は、朝のホームルームが始まる前に仲のいい生徒同士が集まって、来るべき文化祭に向けて色々と話し合っている。それもそのはず。今日は文化祭で俺たちのクラスがやる出し物を決める会議があるのだ。ただ話し合っているだけかと思えば、内容の近いものが協力して少しでも多くの票を自分たちに集まるようロビー活動をしている者もいる。


そんな雰囲気の中、俺の席の周りにはいつものメンバーが集まっていた。


「おい、あの話知ってるか?」


日々の筋トレで鍛え上げられた体を窮屈そうな制服に収めたユウが皆の顔を見ながら言った。


「何の話ですか?」


ジュウイチが眼鏡の位置を直しながらユウに聞き返した。


「なんでも、俺らの担任が不倫してたのが理事長にバレたらしくて解雇になったらしいぜ。そのせいで、俺たちのクラスには今日から新しく来た新任の教師が来るんだそうだ」


へぇ、あの禿げオヤジ不倫なんかしてたのか。そんなモテるようには見えないのに、人は見かけによらないね。


「それともう一つ。街の外れに古い教会があるだろ?10日前そこにヨーロッパから新しい神父が来たんだけど、その神父が連れてきたシスターが超カワイイんだ」


「ちょっと待て。なんでさっきは“らしい”とか言って又聞きみてぇなのに、その話は断言してるんだ?まさかお前……」


神父という単語に思わず反応しかけるが、猛が興味深そうにユウに聞き返したおかげで周りには気づかれなかった。だが、猛はもう1つ気づいていないことがある。猛の後ろにいる委員長が殺気立っているのだ。


「そのまさかだ。1週間前に見に行ってきたんだ。シスター服に金髪ブロンド髪が映えててな。肌は雪みてぇに白くて眼は青でよ。ホントにアニメから出てきたって言われても信じるぜ」


10日前っていうと俺たちはまだミッチーの案件に関わっていたころだな。


「シオン!ジュウイチ!俺たちも今日の放課後に見に行くぞ!」


猛の言葉に委員長がロッカーに木刀を取りに行った。それを確認した俺とジュウイチは慌てて猛の誘いを断る。


「悪いな。俺は今日先生の家に行くんだ。こないだののお礼をしにな」


「何だよ、つれねぇな。ジュウイチは?」


俺だってホントは行きたいのに、お前を助けるために我慢してるんだ。早くこっちの意図に気付きやがれ!


「すみません。僕も今日はちょっとワカルに呼ばれているので、ディーラーズに顔を出さなくてはいけないので行けません」


二というのはジュウイチの弟のことで、猛からディーラーズを受け継いだ現リーダーだ。周りからはジュウニの愛称で呼ばれている。たまに猛の世代の幹部を呼んで、自分や現幹部の指導を煽っているらしい。


「そうか。薫と行ってもいいが、どうせなら男と行って盛り上がりてぇしな。そうなると今日は暇だな。ジュウイチ、お前の用事は俺も必要か?」


「いえ、今日はちょっと遊びに行くだけですから」


「そうか。よし、薫!今日はデートするぞ!」


猛の言葉に委員長が振り上げていた木刀が動きを止める。猛はその様子を見て初めて自分が危機に瀕していたことに気付いたようだ。間一髪で命を繋ぎ止めたな。


「そ、そんな急にデートだなんて……別にいいけど、あんまり帰りが遅くなるとお父さんが心配するから……」


委員長は鬼から乙女にジョブチェンジし、すっかり自分の世界にトリップしてしまっている。猛は目で“どうして教えてくれなかったのか”と言っているが、俺もジュウイチも伝えようとしたのに気付かなかったのはお前だ!


キーンコーンカーンコーン


俺らの話が一区切りついたのを見計らったようにチャイムが鳴る。生徒は自分の席についてホームルームを待っている。さっきまで文化祭のことで盛り上がっていた雰囲気はなくなり、代わりに教室が妙な緊張に包まれている。


あっそうか。さっきユウが新任教師がどうのって言ってたな。それで皆浮き足立ってんのか。でも俺はもう誰か“知ってる”からな。今日先生の家に行くのもそれに関係してるし。


そうこうしている内に教室の扉が開かれる。そこから俺たちの新しい担任の新任教師が入ってくる。おぉ、と女子から簡単の声が上がる。入ってきた人が男だったからだ。


男の外見は、180くらいのスラリとした体格にそこそこに整った顔、そしてその左の薬指には僅かに輝くシルバーリング。何人かの女子がそれを確認して落胆している。(その内の数人が目をギラつかせていたのは見なかったことにしよう。何度も担任が変わるのは嫌だからな)猛と委員長が驚いた様子で男を見たあと、俺に視線を移す。


男は教卓の前まで行くと生徒の方を向き生徒一人一人の顔を確認する。男の視線が俺で止まる。ニヤつくな。気持ち悪い。


「皆さん、おはようございます。まずは自己紹介をしましょう。私は“菅原道真すがわらみちざね”といいます。今日から皆さんの担任を務めることになりました。教科は日本史です。まあ担任ではありますが、教職すら初めてなので何かと至らぬところもあると思います。そのときは皆さんの力を頼りにしています。どうぞこれからよろしくお願いします」


道真“先生”が自己紹介を終えると、生徒の顔と名前を覚えるためと点呼を取ったあとホームルームが始められる。


つつがなくホームルームが終わって先生が教室を出ると、猛と委員長がとんでもない勢いで俺の席まで詰め寄ってきた。


「どういうことだ!何で道真様がここにいるんだ!」


「どうもこうもさっきユウが言ってただろ?あいつが理事長に新しく雇われた新任教師で俺たちの新しい担任だ。それに前に説明したぞ。俺が神格を喰らったからあいつはもう神じゃねぇ。だから人間社会に干渉しても問題はない」


「だからってどうして俺らの教師なんだ?」


「ああ、もううるせぇな。そんなに気になるなら直接聞けばいいだろ。今日の5,6限目には文化祭の出し物を決めるためのホームルームがあるから、そこで聞けばいい」


俺の言葉に納得していない猛だったが、1限目の担当教師が来てしまいその場はお開きになった。


因みに猛の不機嫌な気に当てられた1~4現目の教師は皆体調不良で早退した。



ザマァ♪


人物紹介

化灰薫ケハイカオル

本作のメインキャラの1人。四音たちが在籍する2年A組の委員長で剣道部の主将でもある。真面目、眼鏡、巨乳という三拍子揃った委員長になるために生まれてきたような人物。ここら辺が管轄の警察署の所長を父の持つ。猛の幼馴染で相坂組との1件以来猛と付き合っている。

四音と知り合ったのは1年前だが、その少し前から雪奈と交流があった。特に戦闘力がなく身を守るすべを持たないため、四音からは家族ではなく仲間扱いされていた。しかし自ら望んで四音の秘密を知って一度は拒絶するものの、今では以前のような友人関係に戻っている。


※制作秘話

四音と雪奈と猛と薫の4人は始めは全員覚醒者の予定でした。しかしそれだとくどくなってしまうと思い、当たり障りのない薫を除外させていただきました。薫が使う予定だった能力は受信者レシーバーという周りの死を感じることが出来るというものでした。

因みにこの4人は使う能力にちなんだ苗字が付けられています。

水引ミナグイ→皆喰い

氷澄ヒズミ→歪

的井マトイ→纏い

化灰ケハイ→気配

こんなところに薫が覚醒者だった名残が残っていました。

次回はルイとルカを紹介します。

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