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知る者、知らない者  作者: 螺旋の凡人
~第2章~
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第28話 再会

あのあとすぐに追いかけてきたルカと一緒に地下の各階を制圧していく。俺は腰の刀を二本とも抜き、『水引流剣術、弐ノ型、大蛇オロチ』で敵を撫で斬りにして、ルカは大剣を振り回している。本当にただ振り回しているだけだ。なのに敵は剣に触れるだけで消滅する。


実はヴァルキリーには特別な能力がある。自分が敵と認識した相手なら武器が掠るだけで消滅させることができるのだ。この能力をを使えばたとえ神であろうと倒すことができる。


ルカはこの能力をフル活用して敵を殲滅している。そのおかげで進行が大分速い。この分なら目的の場所まで直ぐに着きそうだ。


そうこうしている間にこの階の制圧が終わった。俺が次の階に行くため下の気配を探っていると懐かしい存在に気付いた。そうかこの下にいるのか。やっと会えるんだな。


「おいルカ、気合入れろ。次が正念場だ」


「ああ?何だって言うんだよいきなり」


俺はその問いには答えず床を打ち破った。開いた穴から下に降りると、思った通りの人物がそこにいた。ルカは降りた途端にそいつに斬りかかろうとしたが、俺が制止したことによってそれは叶わなかった。


「何すんだよ!さっさとやっちまおうぜ!」


「まあ待て。あいつは他の奴とは違うんだ」


「だからって早くしねぇとルイがヤベェんだろうが」


「じゃあ、あいつがお前のお姉ちゃんを含めた人外や覚醒者の誘拐事件の首謀者って言ったらどうする?」


すると、ルカの雰囲気がビックリするくらい鋭くなった。まあそれもしょうがないと思うが、もう少し気配を隠すってことを覚えような。そのせいで表の警備に見つかってたんだから。


「てめぇ、今何か失礼なこと考えたろ」


「いえ、何も」


「フン!それよりあいつはどうすんだよ?」


「まあ、ここは俺に任せてくれないか?」


ルカは渋々ながら了承してくれたようで俺の後ろに下がってくれた。俺はそれを確認してから目の前の男に向かって歩きながら話しかけた。


「悪かったな。帰ってきたのに誰も出迎えに来ないモンだからノックしたんだが、少し強すぎたようだ」


「別に気にしなくていいよ。君が帰って来てくれさえすれば、その程度の損害問題ないからね」


「一応確認するが俺のことは覚えてるよな?ドクタートミマツ」


「忘れるわけないじゃないか。君が私の研究所とそこでの成果を破壊したせいで私がどれだけ損をしたか。だが、一番の損害は“あの時”君を逃がしてしまったことだけどね」


ルカは俺たちの掛け合いを見て再び気配を強くした。


「おい、どういうことだ?てめぇはそいつと知り合いなのかよ」


「どういうことも何も俺が今ここにいるのはこいつのおかげだといっても過言じゃないからな」


俺がそう言い終わらない内にルカは斬りかかってきた。ルカの動きは癖から何からさっきまでの戦闘で見切ってるから余裕でかわせる。ぶっちゃけルカはヴァルキリーの能力に頼りきっていて、その剣技に関していえば大したことない。技術だけなら委員長の方が上だろう。まあ、実戦での話だから委員長じゃ比較対象にならないけどな。


ルカはさらに追撃を試みるが、その前に俺が居合抜きでルカの手から剣を叩き落とした。


「てめぇ……ずっと騙してたのか!」


「ククッいいかげん教えてあげたらどうだい?これ以上からかうのはどうかと思うよ」


ルカの叫びにトミマツが横槍を入れる。そうだな。俺も飽きたし教えてやるか。だけどその前に……


俺は目にもとまらぬ速さで抜刀してトミマツの首を刎ね飛ばした。ルイは俺たちがグルだと思ってたのでとても驚いたようだ。


「ったく、俺とこんな下種を一緒にすんじゃねぇよ。俺は元々ここにはこいつを殺すことも今回の目的なんだからな」


「じゃあなんでそいつと知り合いなんだよ」


「それは……俺が覚醒者アウェイクンに成ったとき、こいつに実験台として確保されたんだ。その時に施された数々の実験によって俺は人間じゃなくなったんだ」


「ククク。随分と懐かしい話をしているね。私も参加させてはくれないかな?」


声をした方に顔を向けると、そこにはさっき俺が刎ねたトミマツ首が喋っていた。ルカがそれを見てギョッとしている。まあ無理もないか。


「やっぱり死なないか」


「ああ、私もこの3年間、ただ遊んでたわけじゃない。君が力を溜めていたように私もいろいろ研究を重ねてここまでこぎつけたんだ」


そう首が言いながら体が首を拾って元の位置にくっつけた。


「私は不死身になったんだ。君と一緒だよ、実験体AC159番」


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