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知る者、知らない者  作者: 螺旋の凡人
~第2章~
22/38

第22話 墓参り

新しい話が始まります

キーンコーンカーンコーン


本日最後の授業の終了を知らせる鐘が鳴り教室の生徒がそれぞれ移動を始める。所属している部活に向かう者、帰り道何処で遊ぶか話しながら帰る帰宅部、教室に残りイチャイチャし始めるカップルとさまざまだ。


そんな中教室の窓際の一番後ろの席――四音のところにはいつも直ぐに部活に行ってしまう雪奈と一週間前の事件を切欠に薫と付き合い始めた猛が集まっていた。

薫はそこに近づくと四音に声を掛けた。


「何してるの?早く私たちも部活に行きましょう」


「ああ、悪い。今日はどうしても外せない用事があるんだ」


「用事って?」


「ん?なんなら委員長も一緒に来るか?新しい家族が出来たって報告も兼ねてるしな」


「誰かに会うの?」


「今日は俺の両親と妹の命日だからな。これから猛ンとこの寺に墓参りに行くんだ」


「そう…なんだ。なら私も行かせてもらうわ。自分の口で挨拶するね」


四音の言葉で家族として認めてもらうために話してもらった四音の過去を思い出した薫はそのときのショックが蘇り一瞬言葉に詰まってしまった。


「そうか。じゃあ行くか」


席を立った四音に続いて四人は猛の実家の寺に向かった。



天ノ上高校から歩いて三十分のところにある寺ーー陰陽寺オンミョウデラ。そこに隣接してる墓地に四音、雪奈、猛、薫の姿がある。四音の手にはスクールバッグの他にここに来る途中で買った花を差した桶が握られている。


今四音たちがいる一角には“水引家之墓”と書かれた墓石があるが、その周りは雑草が伸びきり以前来たときに差した花も枯れている。


「よし!じゃあまずは掃除からだ。みんな手伝ってくれ」


三人は黙って頷き手分けして掃除を始めた。四音はバッグから取り出した雑巾で墓石に着いた汚れを落としている。猛と薫は草をむしって、雪奈は掃除に必要な水を桶に汲んできている。


掃除が終わって見違えるように綺麗になった墓の前で四人は手を合わせている。各々の心の内にある想い、一つは謝罪、一つは感謝、一つは決意、一つは疑問。


「さて、報告も済ませたからな。どうだ?今日俺のウチで薫の歓迎パーティーでもしようかと思うんだが、みんなこの後の都合大丈夫か?」


最後まで手を合わせていた四音が立ち上がりみんなの方を向いた。


最初に四音の問いに答えたのは雪奈だった。


「ボクは問題ないよ♪」


「おっいいね。パーティーってことは四音の料理も食えるんだろ。楽しみだ」


雪奈に便乗するように猛が舌なめずりをした。


「私は確認してみないと分からないけど、猛が行くなら多分大丈夫だと思うわ。でも猛、四音君の料理ってそんなに美味しいの?あまりイメージがないんだけど」


「一度食ってみれば分かる。楽しみにしとけ」


猛は記憶が蘇り既に涎を垂らしている。


「決まりだな。じゃあ七時に俺の家に集合ってことで、先生には俺から連絡しとくよ。あっ雪奈は買い物手伝ってくれ」


「りょーかーい♪」


そしてその場は解散となった。

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