第13話 結果報告
お待たせしました。
やっと話が動き出します。
結局俺は一回戦の勝利の勢いに乗って、宣言した通り優勝した。
閉会式が終わり制服(俺はパーカーを着ているが)に着替え終えた俺達は、結果を報告するため薫達のいる医務室へ向かっていた。
そしてドアを開けようと俺が手を伸ばすと、何故かドアが内側から開いた。
突然のことで反応出来なかった俺はドアの硬い唇と熱いキスをすることとなった。
「へぶぅ!」
「え?あっ!ごめんなさい。って良かったシオンか」
ドアを開けた張本人である雪奈は俺達を見て脱力した。
「人の顔面をドアで強打しといて何が良かったんだ、雪奈?」
口ではそう言いつつも俺は雪奈に手を差し伸べた。
「そんなことより皆中に入って!」
「そんなことよりって……な、んだこりゃ」
雪奈に急かされて医務室の中に入った俺達は有り得ないものを目にした。
破れたシーツ、散乱した包帯、千切れたカーテンそして何より床に倒れて気絶している救護の女性。
医務室はまるで台風が通り過ぎた後のような状態だった。
しかしそんなことがあるわけも無く、これが人為的なものであることは明らかだ。
もちろんそこには薫の姿はない。
「私がさっきお手洗いから帰ってきたらこうなってたの。それからベッドの上にこれが」
雪奈はポケットから出した紙片を俺に渡した。
「これは!」
「どうした?それには何て書いてある?」
先生が紙の内容を聞いてきたので、俺は紙に書かれた文章を読み上げた。
「…化灰薫は預かった。返してほしければ探し出してみろ。あんまり待たせるとこいつを暇潰しにしちまうぜ。相坂…だそうだ」
四音が内容を読み終えたとき、すでに猛の姿は無かった。
「シオン、先生…どうしよう。私、私……う、ううっ」
雪奈は不安に駆られて泣き出してしまった。
そんな雪奈の頭に手が乗せられた。
「大丈夫だ。何も心配することはねぇよ。相手はご丁寧に名前まで書いてんだ。すぐに俺と猛がこんなことする奴ぶっ飛ばす。薫も助けてまた明日からいつも通りだ」
「でも…でも、私カオルちゃんのこと任されたのに、こんな…」
どうやら雪奈は今回のことを自分の責任だと感じているようだ。
「はっそんなこと気にしてたのかよ。別に誰もお前を責めたりなんかしやしねぇよ。悪いのは全部あいつ等だ。
雪奈が責任を感じることなんか一つもねぇ。そんなことより雪奈が無事で良かった」
四音はそう言って雪奈を抱き締めた。
「落ち着いたか?」
雪奈は四音の腕の中で小さく頷いた。
「よし!それじゃあ行ってくる。先生、雪奈とついでにそこに倒れてる人のことよろしく頼みます」
「ああ、任せな。こっちは気にせず、存分に暴れてきな」
「言われなくても!」
四音が医務室を出ようとしたのを雪奈がパーカーの袖を掴んで止めた。
「どうした?」
雪奈は袖で涙を拭いていつもの明るい笑顔で言った。
「いってらっしゃい!」
「おう!俺達の仲間に手を出したこと後悔させてくるぜ!」
今度こそ四音は医務室を飛び出した。




