表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
matataki  作者: 大橋 秀人
91/95

幸せじゃないわけでもない。

瞬くと、何も映っていない真っ黒なテレビのスクリーンに自分の顔が浮かんでいた。




テレビもカーテンも、観葉植物やぬいぐるみも、いつも通り配置されている。




特に変わったところはない。




ただふと、いつの間にか言い知れない空しさが体の奥底に滲んでいた。




何があった訳ではない。




上手くいっている人生かはわからないが、ひどいとも思えない。




言うなれば、至極平凡に生活を送っている。




普通に仕事をして、家庭を持って、子供の世話をしている。




つまらない人生といえばそれまでだ。




でも、例えば自分が才能に恵まれて、一生夢を追いかけられたとして、例えば自分が財をなしてなに不自由なく暮らせたとして、果たして自分が今感じているむなしさを感じないと言いきれるだろうか。




誰しもふとした瞬間に、空しさを感じているのではないだろうか。




何のために生きてきたのか。




何を成し遂げたのか。




何の途中なのか。




だから何?




疲れきって高ぶった気持ちが落ち着きを取り戻していくにつれ、空しさが押し寄せてくる。




テレビに浮かんだ幽霊のような顔は、皮肉たっぷりに歪み、やがて諦めとともに弛緩していく。




幸せじゃないわけでもない。




ただ、どうしようもない空しさに襲われているだけだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ