すぐに彼氏と別れる幼馴染…優しさってときには手を貸さないのも優しさなんだって知ったオレは…
カチャカチャ
テラス席で優雅に紅茶の中へ甘〜いお粉をサラサラ滑り込ませる。
わぁ〜キラキラの滑り台や〜ん
ってさ…なんかとてつもなく、つまらないから、紅茶と砂糖で戯れてみたものの…
なぜ⁉︎
なぜ目の前に彼氏がいるのに、この疎外感半端なさかもしだしまくっているわけ⁉︎
…
「別れよう」
⁉︎
えっ⁉︎
「い、いま…なんか言った?」
「別れよう」
…
でた。
得意だよ‼︎
男は、すぐ別れようっていうんだ。
これで何人目だよ⁈
「あー、うん。別にいいけど」
「じゃ、お元気で」
…
なに?
なんでいつもこうなの⁉︎
わたしは、超絶美人でスタイルもよくて、何度も告白されて…
そして…
そして…すぐフラれる‼︎
なんでっ⁉︎
今日だって、わざわざデートだから早起きしてきてやったのに…なんでっ⁉︎
「…またかよ」
⁉︎
この声は…
幼馴染の愛憐
「愛憐…別れ話みてるとか趣味悪っ」
「ちげーよ。たまたまレモンが彼氏といたから、ちょっと話しかけようかなって思ったら、いきなり…あんなことになって…たから。このまま放置したら、後味わるいし…」
「あー、まぁいつも通りよね。心配ありがとう。」
「ん、おつかれ。で?」
…
「なに?」
「泣かないの?彼氏にいきなり別れようって言われたよね?泣かないの?」
「泣くわけないじゃん。」
「なんで?彼氏のこと好きじゃなかったの?彼氏できた〜って喜んでたじゃん」
…
「なんでだろうねー?でも、でないのは仕方なくない?そもそもわたし、慢性的に脱水状態なんだよね。それにさ…よく話したこともない人といきなり付き合いだすんだもん。構えちゃうんだわ」
…なぜ付き合った⁇
…
「あー…そうなんだ。」
「でさ、なんでわたしって…すぐフラれるんだと思う?つまらないってのは、よく聞くけど、つまらなくしてるのってそっちじゃない?って思うんだ」
…
「いや…お互いさまなんじゃね?」
「へー。」
だからか…。
幼馴染の愛憐がずっとわたしと一緒にいるのに、告白してこないのは、つまらん女だからか。
…
「あーあ。わたし美人なのにー‼︎」
「自分でいうのかよ」
「そうだよ‼︎で、愛憐って…どっか行く予定だったんじゃないの?」
「ううん、ひまだから散歩してただけ。」
「…へぇ」
「行く?」
「どこに?」
「憂さ晴らしターイムに」
「行くー‼︎」
こんな感じで、オレはよくレモンの失恋に寄り添い慰めていた。
まぁ、慰めるっていうか…大暴れして歌いまくるって感じだけどね。
でも、オレは…あるとき気づいたんだ。
レモンは、たぶん…このままじゃ、ちゃんとした恋ができないんじゃないかって。
ときには、たすけないことがその人のためになるって聞いたことがある。
だから、オレは…あえてもう手助けしないことを決めたんだ。
(またフラれたー‼︎)
(うん。)
(ねえ、行こう‼︎)
ここは、グッと抑えて
(忙しいからムリっぽい。ごめん)
と、お断りした。
その日からだった。
なんだかレモンの様子がおかしいらしい。
そもそもオレとレモンは、同じ大学だ。
でも、いつも一緒っていうわけではなく、各々友達がいる。
オレはレモンの友達とは、まあまあ話すけど、どうやらレモンがふぬけ状態だというのだ。
そんなに今回の彼氏は、好きだったのだろうか?
思わず手を差し伸べてあげたい気持ちを、グッと抑えて、見守ると決意した。
なんなら、オレのバイト先で辞める人続出して、バイトざんまいな日々でそんな余裕もなかったのだ。
バイトと大学に追われて、忙しい日々を送っていると、ふとレモンらしき人の姿が目に入った。
あれって…レモン?
いつもは、凛としていて華やかな感じなのだが、なぜか今日は元気がなさそうだった。
久しぶりにみたから、そう見えるだけなのか?
それとも、よっぽど今回の彼氏が忘れられないのかな。
珍しいな。
あ…行っちゃった。
まあいいか。
あとで連絡して…
いや、今は…そっとしておくべきかな。
それからは、大学でレモンを見かけることがなかった。
もとから、そこまで頻繁に会うわけでもなかったからな。
あれから結構月日が過ぎた。
今ごろレモンも立ちなおって、新しい彼氏がいるんだろうな。
でも、最近フラれた連絡こないな。
今回は、長く続いているのだろうか?
それとも、別れて珍しく引きずっていた元カレと復縁?
…
それは、それで…
よかった…じゃないか。
うん…
よかったんだよ…
…
なんか…胸がゾワゾワする。
いつもは、レモンに彼氏できても…どうせまたすぐに別れるよねーって、軽い気持ちでいたのに…
なんだろう…このゾワゾワのモヤモヤは…
…
よくわからないまま、また月日はすぎる。
いつも通り、大学からバイトのルーティンで、バイトをしていた。
「いらっしゃいませー」
…
⁉︎
「レッ…レモンっ⁉︎」
「あー…はは…、愛憐ひ…久しぶりー」
レモンは、やつれているし…ノーメイク?っぽい。
「どうした⁉︎」
「あー…そう…だよね。アイ…アイ…」
「え?なに?」
歌いだす?ここで?
…
「アイス……レモンシャーベットくっ、ください」
…アイス買いに来たのか。
そう、オレはアイス屋さんでバイトをしているのだ。
それにしても…元気な過ぎじゃね?
「レモン、オレもうすぐバイトあがるからアイス食べて待っててよ」
「え、うん…」
レモンは、アイスを食べて待っていてくれた。
「お待たせ。久々に飯一緒に食う?」
「えっ⁉︎えっ⁉︎い、いいの?」
「うん。」
「じゃあ、愛憐のチャーハン‼︎チャーハン食べたい‼︎」
「えっ?オレの?」
「うん‼︎…あ、でも迷惑…だよね。」
「そんなことないよ。なら、うちくる?」
「行く!」
レモンが少し元気になった。
腹ペコだったのか?
一緒にオレの部屋でチャーハンを食べた。
レモンは、チャーハンを美味しそうに食べてくれた。
「あのさ、レモンって…今、彼氏いないの?もしいたら、男の部屋いて…ヤバくね?いまさらだけど。」
「いない。」
「えー、珍しいなー」
そう言いながらも、なぜかホッとするオレ。
「もうね、わたし…疲れちゃって。おしゃれも、きちんとすることも…」
…
「そう…なの?」
「うん。そして気づいたんだ」
「なにを?」
「よくみられたくて、スカしててフラれるんだって。あと、好きでもないのに、告白してくれたし、フルのもわるいよねって感じでお付き合いしてきたから、ダメになったって。好きじゃないのに、安易に交際オーケーするのも、ある意味ひどいやつだなってさ…」
おぉ!
素晴らしい成長じゃないか‼︎
「で…もう一つ気づいたの」
「なに?」
「愛憐…わたしのこと、嫌いなんでしょ?」
「ん⁉︎そんなことないよ」
「じゃあ、なんで…わたしのこと避けてたの?」
「いや…あれは避けてたんじゃないんだ。ある意味…優しさ?」
…
「優しさ?」
「うん…。いつも彼氏とすぐ別れちゃうでしょ?なんでなんだろう?ってゆっくり一人になって考える時間がいままで、あんまりなかったんじゃないのかなって」
…
「そ、そんなこと…考えてくれてたんだ。やっぱり愛憐は、優しいね。」
「でも、実際はレモンはオレに嫌われたって感じたんだから、オレが…オレの対応の仕方が間違っていたのかもしれない。ごめんな」
…
「…ううん、でもよかった。愛憐に嫌われてなくて」
「あたりまえだろ。」
グズっ
⁉︎
レモンが鼻をすすった。
あ、花粉症か。
「はい、ティッシュ」
「ありがどゔぅーー」
⁈
この一瞬で花粉症悪化⁉︎
「えっ?大丈夫⁈」
「うん、うん。うん…」
ズズズ
大丈夫じゃ…なさそう。
「え…大丈夫じゃ…ないよね?」
「だいっ、大丈夫だよ〜ぅ。よガッタァ〜ーあぁーっ〜‼︎」
「…なんか、ごめん。オレ…そんなに追い詰めてたなんて…ほんと、ごめん…」
「ううん。でもね…わたし気づいたの。愛憐が離れていって…どの彼氏と別れるよりも辛いって。ほんとは、ずっと愛憐が好きだったんだって」
⁉︎
「え?オレ…?」
「うん。わたし、愛憐といるのが一番楽しくて落ち着くの。」
「オレもだよ」
「え、嬉しいよ。愛憐…わたし、嬉しい。好き」
「うん、オレもずっと大好きだったんだ」
ギュ〜♡
レモンを抱きしめた。
「はじめて…はじめて抱きしめられた」
⁈
「えっ⁉︎今まで…彼氏いたんだよね?」
「うん。でも、つい避けちゃってたの…。無意識に防御してて…で、ごめんってなって気まずくなって…」
「そっか…オレは平気?」
「うん。すごく安心する♡」
ギュ〜♡
♡♡♡
レモンから離れたつもりが、より一層近くになる存在になりましたとさ♡
おしまい♡




