初戦の裏側
34歳この私、今更ながらXを開設してみました!
全然なにすれば良いのか分かんないですけど、とりあえず近況とかやってるゲームの動画とか上げたりしてこうと思っています。
誰か色々教えてくれ!
https://x.com/rAQDPtARVO47344
学校から帰宅し、杏とアカネと話した後の話だ。
準備をするということで、俺は部屋に戻ってメグに連絡をとり、ユキといつもの通信を繋げてもらっていた。
『…と言うわけで今から鬼憑きの退治に行くんだが、それはユキの配下だったりするのか?』
少しだけ思案を挟むが、すぐにユキは返答する。
『人同士を混ぜ合わせる鬼憑き…。以前、無機物の構成を弄って形状を変化させたり融合させたりする鬼憑きはいたはずよ。狩人側の記録で見たことがあるわ。ただ人間同士を混ぜてしまうような能力は聞いたことが無いわね。そこまで凶悪な力を持っているならもっとデータとして残っているはずよ。つまりは最近鬼憑きとなった者で間違いないはず。私の配下にそんな神通力を持っている者はいないわ。』
『なるほど。となるとこれは以前ユキが言っていたことと関連がありそうだな。』
『ええ、私もそう思う。』
俺が神通力の修行を始めた初日、帰り道にメグと会った時に彼女が言っていたことを思い出す。
キナ臭い噂、調査、身辺警護
それが気になっていた俺は、ユキに詳しい話を聞いてみた。
最近この町で正体不明の鬼憑きが確認されているとのことらしい。
何がキナ臭いのかと言うと、
まず前提として鬼憑きというのなら、神通力を得るための儀式を行っているはず。
狩人側はもちろん、ユキにもそれを模したことができるらしいのだが、それらのどちらも介さずに神通力を会得しているらしい。
狩人協会かユキが把握していないのならそれは第三の組織による人為的な神通力の会得が予想されるが、まだそれらに関する情報は何もない。
そもそも何故そのような噂が出たのか。
それは科学的なことでは証明できない謎の現象がいくつか狩人協会内で報告されているらしいためだ。
ユキも独自のルートでそれらの情報を入手したらしいが、あくまでそれらを目にしたことはないため噂程度、しかし報告数がそれなりにあったために、一応としてメグに簡単な調査を依頼していた…とのことらしい。
それが今回、人的被害という形で唐突に噂の範疇を越えてきた。
杏たちの話を聞いても、その犯人の鬼憑きのことはほとんど何も分かっていなそうと言うことでユキに相談を持ちかけた。
『そいつ、捕まえてうまいこと利用できないかな?』
『利用?』
『ああ。』
俺は自分の中でまとめていた考えをユキに説明する。
『今回の鬼憑きだが…さっきユキが言った通り十中八九、最近鬼憑きと成った存在だろう。それにも関わらず狩人協会やユキにも心当たりがないというのなら、やはり第三の組織による結果と見るべきだ。いや、仮に突然変異的なものだとしても関係ない。その第三の組織、あるいは突然変異のプロセスの情報を狩人に先んじて入手し、利用できれば今後の計画をかなり上方修正できると思わないか?』
『…なんとなく言いたいことは分かるけど、具体的には?』
少し説明が大まか過ぎたか。
『例えばだ。その鬼憑きの発生が第三の組織によるものだと仮定する。そいつらは狩人や鬼憑きについての知識を有してる上、鬼憑きを作ったということなら狩人に敵対するのを目的とした組織作りをしている可能性がある。』
『狩人を作ろうとして、鬼憑きになってしまった…という可能性もあるんじゃない?』
『もちろんだ。そこらへんは捕まえて吐かせてからだが、何にしても狩人と情報が共有されてないなら少なくても狩人の味方ではない、というのは合っているはず。
それならば俺たちにとっても利用価値が出てくる。その組織が狩人への敵対を主な目的としているなら、シンプルに手を組むってのもアリだ。ユキの望みを叶える大きな歩みとなるかもしれない。自分達の欲望を叶えるためだけの無法者の組織であったりするなら、俺たちで支配してしまえば良い。せいぜい狩人に対する防波堤、餌になってもらおう。今回の鬼憑きだって組織うんぬん関係なく、使えるならソイツだけでも味方に引き入れてしまえばいい。』
『あらあら、悪いことを考えつくのね。いけない人。』
ユキの声色は優しく、笑っている。
まるで悪ガキを優しく嗜めるお姉さんかのようだ。
『悪い俺は嫌いか?』
『最高よ。』
2人で笑い合う。
ユキと話していると本当の自分を包み隠さずに自然でいられる。
それは何にも変えられない、とても幸運なことだ。
俺はこの子を守りたい。
…っと、まだ話が途中だったな。
『しかしソイツを捕まえると言っても大きな問題が2つある。』
『居場所が分からない…後は龍堂アカネね。』
『そういうことだ。』
居場所が分からないなら狩人より先に捕まえるとかそういう段階の話でなくなる。
当たりすらつけられていない、そもそも見た目すら分からないものを捕まえようなどとそれはただの絵空事だ。
そしてアカネが俺に付いてまわる以上、仮に鬼憑きを見つけても俺が連れ出すことなどそもそも不可能と言っていい。
ではどうすれば良いかというと…
『私の出番、ってことかしら?』
『かなり危険だけどな。正直そんなことをユキにやらせたくないんだが、俺だけではどうしても不可能だ…でもユキの力なら。俺が何とかして隙を作りさえすれば、不可能ではない。そう考えるが、どうだろう?やってくれるか?』
『つまり、ユウトを信じて命をかけろ、ということね?最高よ。その話、乗った!』
ユキは普段の様子からはあまりイメージにない大きい声で強い同意を見せる。
『普通は嫌がるところだと思うんだが…テンション高いな。』
俺は苦笑しながら作戦概要を説明した。
『作戦はこうだ。ユキには今から俺の周囲にしばらく潜んでもらう。ユキの力なら仮にアカネ相手にも捕捉されないと思うが、油断はしないようにな。そして兎にも角にもまずは鬼憑きを見つけ、捕獲する。昨夜の被害者は神社にいるってことだから、今その被害者にかけている治癒が上手くいかない場合、鬼憑きを神社に移送する可能性が高い。だから見つけた瞬間に殺す…ということもないだろう。やった張本人なら治せる確率も高いだろうからな。問題が解決した後はその鬼憑きを処分することになるだろうが、その前を狙う。』
『その鬼憑きが殺される前に隙を作って回収するのね。隙はどう作るの?』
『考えがある。ここは鬼憑きの首魁、闇女ちゃんに全責任を被せようと思う。』
『…わたしのことよね?どういうこと?』
『問題が解決した後、鬼憑きは処分されるのは間違いない。俺はそこで純真無垢な少年らしく、人に近い存在が殺されるところを見るのが怖いとかなんとか…とりあえずテキトーなこと言ってその場から離れる。多分死刑執行役はアカネだろうからな。そもそも討伐依頼が来たのもアカネという話だし。』
『フフッ。ユウトなら見るのが怖いどころか自分で殺っちゃえそうだけどね。』
『…そしてアカネから離れてすぐに、俺は闇女に襲われる。俺は大声を上げて、騒ぎを演出する。アカネは結構俺に粘着してるし、騒ぎを起こせば必ず俺の様子を確認しにくるはずだ。』
『そこを狙うのね。』
『ああ。ただしこれにも問題がある。もし先程の仮定通りに行くと、最終的な位置は龍堂神社だ。そこにはババアや姉さんもいる。姉さんには今回の鬼憑き捕獲に関して俺の関与は秘密にされているらしいが、事がどう運ぶかまでは予想できないからな。もし、2人が近くにいた場合、ババアはどうなってもいいが…姉さんは…』
『大丈夫よ。あなたのお姉さんに乱暴なことはしないわ。ユウトの大切な人なんだもの。』
俺の言いたいことは言わずとも理解してくれている。
『ありがとう、ユキ。』
『当然よ。ところでなんで闇女に襲われるというのが必要なのかしら?別に騒ぎを起こすだけなら何でも良いんじゃない?』
『それは、今回の鬼憑きの黒幕も闇女…ということにしたいからだ。俺やユキから見たら、今回の鬼憑きの裏には第三の組織が絡んでいる可能性が非常に高い。しかし、狩人協会はどうだ?』
『狩人協会から見て?…なるほど。そういうことね。』
ユキは本当に賢い。
言いきる前に、俺が言わんとしていることを正確に把握できているようだ。
『狩人協会から見たら鬼憑きの首魁である闇女が一番怪しいに決まっている。そこに第三の組織が絡んでいるなんてまず想像がつかないでしょうね。そして件の鬼憑きを殺そうとしたところに実際に闇女が現れ、そして鬼憑きを連れ去る。仲間であることを確信…誤認するでしょうね。第三の組織から完全に意識を反らせることができる。そのうちにその組織へ交渉、あるいは支配。どちらにせよ狩人の邪魔が入り辛くなるなら悪いことはないわ。』
『そうだ。それに闇女の悪名を上げておくこと自体にも意味がある。全ての黒幕のような感じで仕立て上げた闇女ちゃん(仮)を討伐したときの姉さんの鬱憤を晴らせる良い要素となる。戦いの終わりを演出しやすくする。』
『その将来の闇女ちゃんがとってもかわいそうだけどね。』
『ユキと姉さんがいるなら他はどうでもいいさ。極力、後腐れのない人選をするつもりだ。』
今回の作戦は急なこともあり、ほとんどぶっつけ本番だが、ユキとなら何でもできる。
『合図はどうするか?』
『今やってる通信は私が許可しない限り、誰にも気付かれることはないわ。ポーカーフェイスに自信があるのならこのまま繋げておくのが良いんじゃないかしら?そうすれば逐一ユウトの状況も確認できるわ。』
『だったら普段からずっと繋げてても良いんじゃないか?』
ユキをずっと傍で感じていられるならそんなに素晴らしいことはない。
何もおかしくない提案だったと思うが、現実はそこまで甘くはないようだ。
『ごめんなさいね。結構維持するのが大変なの。半日程度なら何とかなるけど、1日中ずっとでは私の集中力が持たないわ。』
ユキが残念そうに言う。
俺も深く考えずにワガママを言ってしまったことを後悔した。
『いや、俺が悪い。ユキとずっと話していたいからと、ワガママを言ってしまった。』
『…ユウト。』
『じゃあそろそろ行くとしよう。合図は何でも良いが、そうだと分かる風に頼むよ。』
『分かったわ。』
そうして時は進み、鬼憑きは捕縛され昨夜の被害者も元通りとなり事態は解決した。
俺はその部屋を後にする。
すぐに愛しい声が脳内に聞こえてくる。
『ユウト…』
合図か…?
俺は身構える。
『大好きよ。』
『…俺もだ。』
そして俺は道化となった。
せっかくなので最近の投稿ペースを重視し、少し添削が甘くなってるところがあると思います。違和感等ありましたら是非ご教示頂きたいです!
前書きでも書きましたが、この度Xの方開設致しましたので、そちらのほうでも感想等頂けたらとってもモチベーション上がるかと思いますんで、今後ともよろしくお願いします(*^-^)




