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アリスの王様

作者: ワドディ


「あぁもう朝だ。」


2030年変わりげのない日々をこの世界は繰り返している幾度となく。でもそんな世界にはみんな興味を持たない。そこにあるものみんな当たり前のように受けとってしまう。この僕朝日直人は自分で言うのもなんだが普通とは少し違う。いつもこの世界はおかしいと疑いかかっている。何故みんな疑問に思わないのだろうか。異常な干ばつが観られたと思ったらすぐに最大規模の洪水が起きて、また干ばつだ。寧ろ異常気象だ。地球温暖化を2025年までの目標を達成できなかったからだとか。自分たちが起こした問題なのに、世間一般は知らん顔。


この世界は何かおかしい……


だが結局周りに言っても腫れ物扱い。高校でみんな言ってみても信じる素振りなんてない。そんなこんななので、僕はいつも本に読み続ける。本はいつもその中で不思議なストーリーを生み出してくれる、まさにその世界の中に入りこんでしまったように。だがそんな僕もこの現実という空間で生きたいと思えるようになった。僕の考えを共感してくれる女性が現れたからだ。彼女は僕と同じ高校生の木類真美。彼女はよくこう言う。


「私もこの世界はおかしいなって思えるのなんてったって変わっているようで変わらないじゃないこの世界。まるで時間が止まっているみたい。」


彼女は図書館によく居て、見る度、来る度変わる変わる変な話をするのだ。僕にすればそんな話は好物の1つでその話を毎度毎度かいつまみながら、1日ふけているのだ。彼女は泳ぐのが好きです近くの川で泳いでは流されそうになっているとか。何階まで飛び降りれるかとか危険な非行少女。そんな話を聞く毎日を過ごしていた高校に入って3ヶ月がたった。僕も彼女も依然としてこの世界の話しかしない。そんな彼女から一言言われたのだ。


「この世界じゃない世界に行ってみない。」


僕はこの世界にはウンザリしていたこの上ない高揚感と期待感そしてこの世界から背くことのできる背徳感を感じていた。そのまま、放課後彼女に連れられるように神社の大木に着いた。


「ここよ。別の世界は。」


そう一言僕に声を投げた。刹那、何かいろんな物がフラッシュバックしては消えた見たことない物見たような感覚が広がって、体中に熱を帯びだしている。


「飛び込んでよそこに。」


木に飛び込むなんてそんなことはイメージしたことがない。ここじゃない世界に行くにはそういうイメージが必要なのだろうか。僕は飛び込んだ。ゴツっと音が鳴り僕はその場に倒れ込んだ。


目が覚めると僕は自分の部屋で寝ていた。目覚めたときは夜11時。あんなのは彼女のいたずらに違いないと思っていた。明日の学校で問い詰めてやるとそう神に誓った。まぁ信じてはいないけど。そこからは彼女に対する苛立ちで寝るに寝付けない時間を過ごしていた。朝七時僕は学校を飛び出して彼女のいるクラスの彼女の席を覗き込もうとした。そんな席ははなからなかった。でも周りは彼女の席がないことに気づくことはなかった。あり得ないんだ。教卓の前の席の一つがないんだ。必ず必要な部分なのだから。僕は勇気を出して彼女のクラスの人に聞いた。木類真美のことを。


「ごめんなさい知らないのよね。その女性もしかしたら他のクラスだったり、上の学年じゃないかしら。」


そう答えた。教卓前に空いている席についても何も返答はない。決して虐められていたようには考えられない。彼女は本当に違う世界に行ってしまったのだろうか。僕はもう一度意を決して、あの大木の前に立った。そしてもう一度……


水の中に居るのだろうか目を開いても薄い光が見え、手を差し伸ばしても届きやしない。何かを掴み取ろうとしたとき僕は自分の部屋で寝ていた。夜11時10分。


「何も変わらないよな。」


そう呟いた。僕は重い足取りで学校に行った。全部ウソだ最初から彼女なんて……そう思い、いつもどおりに図書館に行った。


「おはよう……朝日さん。いつにもまして元気がないね。」


彼女はそこにいた。昨日消えていた彼女が自分の目の前に現れたのだ。僕は図書館で泣いてしまっていた人目をはばからず。彼女の慌てふためく顔は二度と無いだろう。自分の涙一つでこんなことができるならいい思い出だ。彼女が昨日いなかったのは偶然なのだろうか。


「神社の木は何を意味していたんだ?」


「あれは何も意味ないよちょっといたずらしてみたかっただけ。」


彼女は恥ずかしながらにそういう。彼女が言うならそれまでだ。でもかすかに謎は残る確実に彼女は昨日姿を消していたのだから。図書館の帰り僕は彼女と2人で歩いて帰っていた。彼女は


「この時期は花火大会の時期ですよね。どうです花火私と一緒に見てくれませんか。」


こんな意気地のない僕を誘ってくれている。でもこの謎を解決してから彼女との時間を過ごしたい図書館の川を渡って向こう側にある大木にまた僕は向かった。僕はその放課後また大木に向かって飛び込んで見た。目が覚めると夜11時20分。


「ここの世界が僕が行った先なんだろうな。」


朝起きて彼女を探す。彼女は勿論いなかった。そんな一人いなくても平然と回っていくここ世界に興味を持った。内心呆然としていた。今の流れを整理したら。元々の世界と神社の大木の世界では木類真美が居ない。たった一人が居ないだけかもしれない。でも僕を共感してくれる人一人が居ないのだ。また元の世界に帰ろうとその大木に飛び込んだ。


夜11時30分になっていた。この世界には彼女がいるそう思って朝学校に向かった。彼女の教室を覗いた。彼女の席は無くなっていた。僕はこれは嘘だと思ったそう信じた。きっと何かの間違いだと。そのまま学校を飛び出した学校から大木に行くには学校から右に進み続ければ大木につくことができる。勢いよく走り続け大木につくことができた。また大木に飛び込んだ。

夜は11時20分になっていた。またも学校に行く教卓の前の席は詰められていた。席があるそう思い、クラスの人に問いかけた。


「木類真美さん?多分他のクラスの人か上の学年じゃないかしら。」


この瞬間から悟ってしまった。彼女はこの世界から消えてしまったのだと。何とも言えない無気力のまま、僕は1日の授業を受けた。大木に向かって歩いた。大木に付いたとき初めてその大木をみたときと同じ感覚を味わった。そして僕に一言。


「彼女を助けていのだろう。なら力だ。彼女はどこにいるのだろうか。君はこの大木にぶつかるたびに夜11時頃に目が覚めている。今何時まで行っているかは知らない。ただ彼女のいた世界から記憶のピースを持ってくるしかないそれしか彼女を見つけ出すことはできないのだ。私は君がどうなろうと知ったこっちゃない。ただここの大木にぶつかられても困るんだよ。」


「お前は誰だよ。木がしゃべるわけ。」


「姿を見せればいいのか?どうだ私の姿」


奴は狐のような形で狛犬のような形にも見えた。奴は続けて


「十二時を過ぎればね……どうなるんだろうかね。おっとこれはこれはしゃべりすぎた。」


「じゃあ僕は帰るので。」


「1日に1回は大木の中に飛び込め。」


奴は困るとか言った割にそんなことを口にしていた。全くもって変な奴だ。


「大木に飛び続けないとお前すら認識されなくなる。お前自身すらも奪われてしまうぞ。」


そう言われるやいなや大木に飛び込んだ。夜は11時40分になっていた。即行動しないといけない。俺は夜から行動しないといけないと思い準備を続けた。彼女との思い出を。朝になり俺は皆に俺の話を聞いてもらうことにした。仲の良い友達からは口調が強くなったよなと言われた。彼女のいた証俺は図書館に言って彼女のよく座る場所をみた。誰も座ることないその場所は誰にも使われることない物置場のような雰囲気を醸し出していた。何も見つけることができない。そんな不甲斐なさを感じで俺は図書館の壁を殴りつけた。


嫌な感じだが大木に飛び込むしかなかった。夜の11時50分ラストチャンスなのだろう。オレの頭にふっと声が聞こえた。


「これはゲームみたいなものだ僕と君と楽しいだろ大切な人を守るために動くのは。」


俺は机に手をを叩きつけながら。奴の声をかき消そうとした。ラストチャンスと聞くと焦りが浮かび続けている。俺は学校に行くことなく図書館に向かった。彼女がよく読んでいた本を探すことにした。彼女はよくSF小説を読んでいた。その作品を見つけ触れたとき、手がしびれるような感じを味わった。恐る恐る中身を開くと図書館の貸し出しの名前に木類真美と書かれていた。俺はこの本を開いたときに気づいてしまった。俺の人格すらも歪み出していること本の魔法によって彼女の名前が消えることはなかったたこと。俺はその本を勝手に持ち出し神社に走り出した。神社は火事で大木は焼き焦がれていた。目の前にあった大木はもうない……


俺は川の中が光っているような感じがした。あるいは疲れていたのかもしれない。俺はこの本を持ったまま川の中へと進んでいった。全てはこの本が教えてくれていた。川の中腹あたりで急に深さを増した。吸い込まれていく感じがしてそのまま意識がフェードアウトした。


朝の七時になっていた。目を覚まして学校に向かった。学校に向かうと彼女がそこにはいた。僕は涙を堪えながら、また図書館で彼女にあった。そしてそこで彼女に聞いた。


「その話ってさ面白いの……」


「ええ勿論、この『木の神遊夢』でしょこれが面白くて朝日さんに仕掛けてみたんだから。」そう彼女は笑っていった。


「僕はさやっぱ木類さんといる変わらない毎日のほうが好きだよ。」


そう言って彼女の本をそっと閉じた。



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