藤の季節が終わった日 「魔法使い戦記・アルテミスの贖罪」の短編
VRの世界にログインすると、
ピッチョンピッチョン紫陽花の下に寝転ぶ藤が、角にもしずくが垂れている小鬼が
「沙月、藤の季節終わっちゃった……。藤の誕生日5月だから、誕生日月終わっちゃった」と悲しそうな顔を、している。
「紫陽花って紫もあるよね……。ってことは藤の誕生日月まだ続いてる」とがばっと起き上がると嬉しそうな顔をしている藤
どうやら、藤の誕生日の概念は、紫が存在する限り、続いているようだと思いながら沙月は、「そうだね」と藤の少し濡れた頭を撫でる
「ふじって、頭いい~ 藤の誕生日は毎日だね だから、
チョコレートケーキ食べる~!!」というと早速、ルリに
誕生日ケーキのホールケーキを作ってもらたそうだ
ルリも「そうですね」とにこやかに笑いながら
「毎日毎日、甘いもので、よく胃もたれしないな 見るだけで、うっぷ」という樹
どうやら、ここ最近、毎日ホールケーキをみんなで食べていたそうだ
「沙月も、早く~」と藤が手招きしている
私がいることが当たり前のような、しぐさと行動に胸が時おりじんわりと熱くなりながら、「うん」と返事をする私を、向かい入れてくれるみんなに、笑顔を向ける そう、満開の花のように
因みに、諸説あるが、藤は小鬼なのに豆がどうやら、大好物らしい
豆に当たる時は、痛がるとみんなもっとくれるから、嬉しくて痛いふりをしているみたいだ
「本当に、人間って好物を投げてくるからよくわからないよね 普通に、恥ずかしがらずに渡してくれればいいのに、変なの~。おいしいからいいんだけどさ」といいながら自分の角を撫でている
そういえば、藤の花ってマメ科だったけと思いながら、甘さが広がるチョコケーキをもう一口、口に運ぶ沙月。樹もなんだかんだ言って一緒に食べてあげている、その横で、樹のコップに紅茶を継ぎ足す、
ルリに思わず、笑ってしまう沙月。
「ふじ、みんなと食べるの、一番好き~!!」という
そしてみんな、顔を見合わせて、微笑みあうのだった
「魔法使い戦記・アルテミスの贖罪」の短編です 今日で、五月も終わるということで思いついた短編です 気に入りましたら是非、本編も読んでいただけると、藤の可愛いさをもっと味わえると思います
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