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君は!英雄に!!なりたいか!!?  作者: 奏会
第一章 オレはボクを知る
1/9

1-1 オレはだーれ?

プロローグです。

次回からはあらすじを記載していきます。

いまの心境を一言で表そう。


なんだこれ?


これに尽きるだろう。

なぜなら目の前に広がるのは周囲を取り囲む木々と物語に出てくるような二人の人物。

それもただの人じゃない。


だって二人はオレが遊んでいたゲームキャラそのものなのだ。


そう呆けて居ると目の前の二人も同じようにこちらを見て驚いているのに気が付いた。


「「「あの」」」


オレも含めた三人の声が重なった。

それと同時に三人が自分自身の喉に手を当てた。

全員が似たような行動を取った事にまた驚き、先ほどの自身の声の異変に意識を向ける。


さっきのオレの声って異様に高くなかったか?

不思議に感じるも違和感を覚えることがないというのもまたおかしい事なのだろう。

もう一度、声を出してみよう。


「「あーーー」」


今度はオレともう一人の声が重なった。

声を上げなかったもう一人は腕を組んで考え事をしているようだ。


もう一体何がどうなってるんだ!


憤りを感じてもしょうがないのは分かってはいるがどうにも感情をコントロール出来ない。

そう思いながら胸の前で腕を組もうとしてまたも変な感じを受けた。


なぜって、そりゃあアレだ。

オレは男でガタイが良い方ではないが胸に脂肪はなかったはずなんだが?

さらに組もうとした腕の感触がこんなにもキメの細かい感じがするのもおかしいのだが?


鏡が欲しい、切実に。

説明が欲しい、誰でもいいから。

色々確認したい、安心できるように。


それもこれも今あるすべての疑問を全部放り投げて呆けたい。


呆けたいのだけど、目の前の二人がどう動くのかも同時に気になっている。

何せオレのゲームキャラなんだ。

いや似てるだけかもしれないのだが、それを差し引いても見知らぬ誰かとこんな状況でまともに話が出来る訳がないだろう。


そう考えていると他の二人からも少し警戒するような感じを受ける。


なるべく目を合わせないように観察してみるが、見れば見る程にゲームキャラそのものとしか思えないんだよな。


一人は大柄の男性、歳は30台後半ぐらいだろうか。

中世のような銀色の甲冑を全身にまとい黒い髪はミドルヘアーといったところだろうか。

うん、オレの思い描くイケオジはこれだって感じである。


もう一人は女性にしては背が高いのだろうか、歳は20台中盤ではないだろうか。

こちらも中世のクラシカルなメイド服に赤茶の色をした腰まで伸ばしたポニーテールをしている。

こちらのオレが思い描く最高にかわカッコいいお姉さんである。


そうして観察しているうちに少し落ち着いてきた気がする。

まあ、自身の事については放り投げよう。

オレは元々そういうのを受け入れやすいのだ。

たぶん”アレ”だろう?

小説やらで盛り上がってて自分自身も大好物な”アレ”なんだろう。

だからこそ考えを放棄する。

だってそれ以上はいま分からないのだからしょうがない。


「話しを・・・しませんか」


思考を必死に回してたところに男性から誰に向ける訳でもない声が出てくる。

それにオレも頷いて続きを促すように視線を送る。

女性も頷いて男性の方へ視線を向けているので冷静なのだろう。

この場合は非常に助かる。


「まずお互いを知る前に、お二人は現状の説明を出来るでしょうか」


オレも女性も首を横に振る。

男性も期待してなかったのだろう。

溜息もせずに少し考えるように唸ってからまた問いを投げてきた。


「オレも現状の説明は出来ませんが、いささか気になる事があります」


そう言ってオレ達の容姿に見覚えがあると言うのだ。

これにはオレも驚いた。

だからそれに返答をする。


「わたしもそう、です。お二人の容姿には見覚えがあります」


自分の声かも怪しく感じる高い声ではあるけれど、そう返すと女性も「わたしもです」と似た言葉を返してくる。


一体なんなんだ?

三人ともお互いの容姿に見覚えがある?


ええい、悩むのは後でも出来る。

いまはコミュニケーションを取って少なくとも身の安全を確認するべきだ。

予想が正しければいまのオレは”わたし”という一人称が合う見た目なのだろうから。


「あのそれであればお互いに名前を交換しませんか。話し合うにも不便ですし」


なるべく不安げな表情と声で伝えられただろうか。

こちらに敵意はないと伝われば良いと思ってそうしてみたのだが。


そうしてお互いに打ち明けた名前に全員が驚くのはすぐだった。

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