4 神様にお礼を言ったよ。
<ブル~ブル~>と、ワンワンの様に、頭を振って水を飛ばし、街中を吹く【春風】で髪を乾かすと・・ようやく異世界初の【お食事】にありつけた。
当然だが・・【薄いスープ】【謎のおひたし】【謎の干し肉】をであった。
料理は【木の器】【木のスプーン】で、見た目も悪く無く不味いとも思えなかった。
年配のシスターは「若いのに苦労したのですね・・<グスン>・・アッチ村が盗賊団に襲われるなんて・・もう大丈夫ですよ。たんと召し上がれ!」と労ってくれた。
俺は、話を合わせた方が良いと思い、「ありがとうございます。もう充分いただきました。」と答える。
<そうそう!>とシスターは、何かを思い出した様に俺に対して・・
「あなたは15歳くらいかしら?【成人の儀】は終わったの?」と聞くので、俺は「え~と、まだ・・ですかね。」とドギマギしながら答える。
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日差しが暖たかい感じがしたので【昼飯時】だったのだろう。
教会の中は、外よりもヒンヤリとしていたが怪我をした村人らが<ウ~ン・ウ~ン>と痛みを我慢しながら座っていたのが気になった。
俺は1人で祭壇の前に跪いて・・・<神様・・どうかもう一度・・恩恵を!>
シスターの話では「5歳で【魔力】を受け、10歳で【スキル】を得、15歳になったら【調整】してもらえる。」と言う話だった。
<神さま・・どうか!サンドボックスは私の勘違いでした~> 俺が熱心に祈りを捧げていると・・
「そうか・・すまなかった。お前の言う【サンドボックス】とは【箱庭】であったか・・」と言う【何か】の声が聞こえたのだった。
俺はすかさず・・「俺の前の外国人が【サンドボックス】と言っていたので、真似をした俺が悪かったのですが・・流石に【砂場】のギフトだけでは異世界で生きていける気がしません。どうにかならないでしょうか?」と懇願した。
神様?は「う~ん。」等と考えていたが・・「そうじゃ!おまえさんが降り立った【平原】には、かつて【ダンジョン】が存在していたのだ。1000年前だったかのう?踏破されて【コア】が無くなったため、【廃ダンジョン】になっておるのだが、そこを与えようではないか!」と提案したのだった。
俺は当然ながら・・「普通の平民がダンジョンボスですか!それって【魔王】と言うか、もはや【人類の敵】ですよね?」と尋ねる。
しかし神様は「物は考えようじゃ!お前さんは今現在・・『異世界で死にたくない!』また、『空腹は嫌だ!』と願っているであろう。」と俺を見透かすのだった。
俺は「よく!お分かりですね。確かに・・白い部屋では、実感が湧かなかったのですがイザ異世界に転生してみると【死にたくない】【空腹はいやだ】と強く感じているのです!」と申し出た。
神様は「ほ~れ!それならば【ウィン・ウィン】じゃよ。ダンジョンボスになれば【不死】の体となるので【空腹を感じない】し、切られても【復活】するのじゃ!」とセールスポイントを大いにアピールするのだった。
俺は「不死と言うのは【何千年】も【地の底】に拘束されるのですよね?それって詰んでいないですか?」と不安要素を指摘したところ・・
「いや。ダンジョンは基本【魔素】によりボスやコアが居なくても機能するので、地の底に居る必要もないぞ!それに【不死】は自然の摂理を曲げているので制約がある。通常は【10年更新】になっておる。イヤになったら【昇天】できる。更に!ダンジョンボスは【上級職】であるから【再転生】の可能性が他の職よりも高くなるのだ!」と畳みかけたので・・
俺は「そこまで言っていただけると断る理由がありませんね!わかりました。ダンジョンボスになります。」と承諾したのだった。