表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/24

17 王都で金貨140枚貰ったよ。

「俺達3人は仕立屋に行ったけど、リーダー・サブリーダーの【正装】はどうするの?」と、若い気持ちを取り戻すかのように元気な声で聞くと・・


「ああ・・駆け出し冒険者のサンドは知らないのだな・・知ってのとおり冒険者は【色々な国】に行く事が多い。したがって【衣類】や【鎧・剣】の類は予備を揃えておく必要がある~貴族が住むような大きな街に【貸し倉庫】を借りる冒険者が多いのだよ。それと、私達のパーティーメンバーは、最近ラトビア王国に来る機会が増えたので、王国ギルドの【貸倉庫】を借りているのだよ。」


と、2人の関係をバラす情報を語るのだった。


「へへへ~貸倉庫が1つって事は、二人はデキているのですな!」と、若きシーフが遠慮なく【ニヤニヤ】と話に入るのだった。


+++++++++++++++++


翌日、午前中は王都の武器屋・鎧工房・冒険者雑貨などを魔法師から案内してもらい、午後になると宿で【正装】に着替えて、貴族街に入ることにした。


<冒険者ギルドから使いが来ていると思いますが、サンドと、そのパーティー一行ただいま到着いたしました。>と俺が侯爵家の門番に告げると・・


「暫くお待ちを。」と言い『チェック柄の制服』を着た門番が中へ走る。


魔導師は「子爵家は『大アーリア魔道国』周辺の出身のようですね。貴族の制服は大抵、出身を示すものです」と言うのだった。


俺が「詳しいですね。魔導師とシーフ・・いや鑑定士も魔道国あたりの出身ですか?」と尋ねると、少し驚いた顔をして・・


「どうして鑑定士と私が同じ国だと思ったのですか?」と聞いたので、俺は・・


「食事の時に、リーダーとサブリーダーが同じ神を敬い、鑑定士と魔導師も同じ神を敬っていたので、そう感じたのです。」と正直に答えた。


魔導師は少し怖い顔になり・・「フム・・教えてくれてありがとう。君は思ったよりも鋭い少年ですね。」と言うのだった。


<カツン カツン>と、固い大理石?で出来た階段を登り、応接室に案内された。


「おお!さっそく来てくれたのだね。あと2日遅かったら会えないところだったよ!」と言いながらアンドリュー団長が来た。


俺は預かった『タグ』を渡しながら・・「2日後にはセキガハーラに行くのですか?」と聞くと、リーダーが「サンド!失礼だろう。軍事の話は命に係わるものだ、不用意に聞いてはだめだ。」と俺を諌めると「侯爵令息様。大変失礼をいたしました。サンドは若く、貴族についても詳しくは無いのです。」と焦ったように早口で言い訳するのだった。

アンドリュー団長は「いや。私が不用意な事を言ったのが悪いのです、自分の屋敷にいると、どうしても口が軽くなってしまう。お客様に気を使わせるなど、私はまだまだ当主失格ですね。」と謙遜するのだった。


<パン パン>と手を叩くと・・<ゴロン ゴロン>と大きな【革袋】が乗ったワゴンが使用人によって運ばれて来た。


「約束の金貨100枚だ。受け取ってくれないか。」と言う団長に対して俺が「あのう・・」と断ろうとすると、リーダーが小声で「サンド!貴族に恥をかかせてはいけないよ。」と俺に言うのだった。


俺が「わかりました。ありがたく頂戴いたします。」と承諾したところアンドリュー団長は


「申し訳ないのだが、私は直ぐに【城】に行かなくてはいけない。君たちはゆっくりして行ってくれ。」と言うと、グラスに入ったワイン?を一口飲むと、軽く会釈して部屋を出ていったのだった。

「いや~貴族の料理は格別だねえ!」と喜ぶ鑑定士。

「サンドが貴族慣れしていない事にヒヤヒヤさせられたよ。」と小心者のリーダー。

「立派な人でしたね。」と貫禄のサブリーダー。

「まことに・・」と感無量?の魔法師。


俺は「最低限のマナーは知っているつもりだったが、知らない事だらけでした。皆が来てくれてよかった。」と安堵していた。


「ところで金貨100枚について・・」と言うと、リーダーが「サンド!俺も人の子だ・・金貨100枚を目にしたら【オーガ】に変身するかもしれないぞ!」と警告する。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ