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隣の○○さんは俺に○○してくる  作者: 黒薔薇サユリ
第1章

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95 ここに来ても

「お、いたいた。じいちゃん!」

「優、来たか」


畑で休憩するじいちゃんを見つけて手を振ると、すぐに反応してくれ、手を振り返してくれた。


「優は、元気にしてたか?」


手を振ってからすぐじいちゃんに近づくと、髪をわしゃわしゃされながら、近況について聞かれた。


「そこそこかな。1回風邪ひいたけど」

「そうかそうか。まあ、その時は彼女さんが看病してくれたんだろ?」

「う、うんまあ……」


忘れてた。今、じいちゃんとばあちゃんの中では、俺が彼女持ちで、その相手が、忍さんということになってるんだった。


「彼女?」

「ああ……違うから。綾ちゃん、とりあえずこれは忘れて」


いちいち説明するのも面倒なため、綾ちゃんに忘れてもらうよう促す。


「ん?というか、そこで抱かれてるのって、優來か!?」


綾ちゃんの方を見たじいちゃんが、綾ちゃんに抱かれている優來を見つけるなり、ものすごい速度で綾ちゃんの方に近寄って行った。


「ひさしぶり……」


綾ちゃんに抱かれたままの優來が、じいちゃんに向かって微妙な笑顔をしながら、挨拶をする。


「元気にしてたか?」

「体は、元気」


余裕で心配になるような返ししたな、優來。


「そうか、元気だったか。なら良かった、じいちゃんは最近腰が痛くてな」


腰を摩って、痛みを表わすじいちゃん。


「なのに畑仕事してんの?」

「まあ、やらないと土が死ぬからな」


腰が痛いのに続けるその精神は、一体どこから来てるんだろう。


「ところでお前たちは、今来たのか?」

「いまさっき来たね」

「そうかそうか、それはご苦労なことで」

「じいちゃんは、まだ畑仕事するの?」

「あと半分くらいだな」


残り半分か、ここの畑そこそこ広いから、大変そうだな。俺は絶対にやりたくないけど。


いや、でもこの寒い中で温まるとするなら、畑仕事こそいいのでは。


「そうなんだ、じゃあ俺たちは家に戻ってるよ」


温まるなら、とも思ったけど普通に帰って温まろうと思って、家に帰ることにした。


「なんだ、もう少し見てかないのか?」

「寒いからね」


それに、綾ちゃんの方のおじいちゃんにも、挨拶行かなきゃだし。


「そうか、じゃあまた後でな」

「それじゃあ、行こうか。綾ちゃんのおじいちゃんのとこに」


じいちゃんの畑から離れ、綾ちゃんの案内の元綾ちゃんのおじいちゃんの畑へ向かうこととなった。



「たしか、優來ちゃん今年受験なんだよね。勉強は大丈夫なの?」


綾ちゃんのおじいちゃんにも挨拶を終えた帰り道、未だに優來を抱えたままの綾ちゃんが、話をはじめた。


「元から優來は、物覚え良かったから、学力面はそんなに心配はないかなって感じ」


今の優來の勉強の進行度は、このままスパートをかけていけば、十分なくらいの位置にいる。


「へ〜、どこの高校行くの?」

「俺と同じとこだね」

「同じとこか……確か優くんのとこって、そこそこ頭良かったよね。てことは優來ちゃん、頭いいんだね」


友達の子供を褒めるような感じで、綾ちゃんは抱えた優來の頭を撫でる。


「それほとでも」


綾ちゃんに頭を撫でられた優來は、満更でもなさそうな反応の顔をしている。


「やっぱ、受験大変そうだね。本当に。私も思い出すな、去年のこと」

「俺は、記憶から消したい」


偶然にも中学3年という、1年間だけあまりいい思い出がない。


「まあ、私に出来ることがあったら言ってね」

「わかった」


にしても良かった、優來がいい感じに綾ちゃんと馴染んでくれて。最初は誰かもわかってなかったけど、今じゃ普通に会話できるぐらいになっている。



「それじゃあ、綾ちゃんまた何かで」

「うん、じゃあね」


優來を綾ちゃんからおろしてもらって、それぞれの家へ帰る。


「優來はまた勉強だな」

「頑張る」

「そうか、そうか。俺はちょっと用事あるから、先にやっといて。場所はどこでもいいと思うから」


そう、俺にはとってもとっても、大事な用事があるのだ。それは、優來の受験と同レベルぐらいに大事な事だ。


「いやー、これこれ前回読めなかったから、今日はこの日のためにここに来たって言える」


家に入ってからは、手を洗って急いで2階にある父さんの、元部屋に入った。


そう、俺の用事というのは、前回読めなかった年代物のグラビア、これを読みに来た。


今回は、俺を邪魔するものは何も無いから、余裕ってもんよ。


「優、前に言わなかったか?ここの本棚呪われてるから、気をつけろって」


本棚から年代物のグラビアを取って、早速ページをめくろうとしたら、後ろから警告のような言葉と共に、肩を叩かれた。


「と、父さん……」


その手なの主はもちろん父さん。この本の持ち主だ。


「今、優來が勉強してるから、見に行ってあげなさい」

「でも、優來は今復習だから、俺はまだ出番が………」

「いいから、な?」

「はい」


いつもの、だらしない父さんからは感じられない圧を感じて、グラビアを父さんに渡して、急いで優來の元へ逃げることとなった。


俺はいつになったら、あれが読めるんだ。年齢制限どうこうじゃなくて、何か因果のようなもので防がれている。


てか、父さんよく俺がこの部屋きたの気づいたな、足音立てずに来たのに。


「優來、ちゃんとやってる?」


2階の部屋から、ため息をつきながら優來の居る客間にやってくると、普通に勉強をしている。


「ぼちぼち。お父さん、わ?」


部屋に入ると、何故かあまり関係の無い父さんのことについて聞かれた。


「なんで父さんなんだ?」

「お兄の場所、言ったら、すぐ行った、から」

「なるほど……」


つまり俺の居場所の密告者は、優來だったわけか。盲点だったな、俺の居場所は秘密にするよう言っておくんだった。


「まあ、父さんは大事なことがあったんだよ」

「大事?」

「そう、男には自分の世界があって、それを守らないといけないんだ」

「かっこいい……」


俺のいい感じのセリフに、目を輝かせる優來。


確かに言い方はかっこよかったけど、守ろうとしてるものがグラビアというものなのが、絶妙にカッコつかないな。


「だから、父さんが何をしてたかは、聞かないこと。いいな」

「了解」


父さんこれでいいのだろう?正直、俺にはグラビアの正体ばれてるんだし、見せてくれたっていいと思うけど。


「とりあえず、この話は忘れて、勉強するぞ」

「じゃあ、中央値、平均使い分け」


優來は聞き分けがいいみたいで、話を切り替えたところで、早速質問がとんできた。


「平均と中央値の使い分けか、任せろ」


この話は、有名な例があるから、絶対的な自信をもって教えることができる。


「まず、AさんBさんCさんDさんEさんがいるとするだろ、この5人がある犯罪をした回数が上から、0回、0回、2回、3回、12000回、これを平均すると2401回、中央値は3人目のCさんの2回。平均だと、全員が何度も犯罪巣してることになるけど、中央値ならそれぞれが数回したことになるから、中央値の方が比較的正確な値になるってわけ」


俺が中学の時に覚えた言葉を、ほぼそのまま優來に伝える。


「つまり、1つデカすぎる値、この時はEさんの値みたいなのがあったら、中央値。軒並み、同じくらいの値なら平均値って感じ。ちなみに、この時のEさんの値を外れ値と言います。わかったか?」

「妙に具体的」


まあ、この話には判例があるから、説明がとてつもなくやりやすい。


「でもわかりやすいだろ」

「完璧……」


優來に理解したか聞くと、サムズアップで答えてくれた。


やはり、いいなこの話。校長には特大の感謝をささげないとな。

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