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隣の○○さんは俺に○○してくる  作者: 黒薔薇サユリ
第1章

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94 甘えたがりシスターと狼少女

1/1

「ここに来るのも久々ね」

「母さんはそうかもな。て言っても、俺は俺で1年振りぐらいか」


クリスマスを超えて帰省シーズンに入った今、俺たち家族は全員でばあちゃんち家にやってきた。


ちなみに母さんは、去年から優來が引きこもってしまったのもあって、ここに来るのはだいたい2年ぶりだ。


「にしても、寒いな」


車から降りて、外に出たけど車の中の温かさにかまけて防寒具をしてないから、ものすごく寒い。


「あっちに比べると、少し寒いかもな。早く家入ろうか」


服等の荷物を車から下ろして、ばあちゃんちの玄関前にあるインターホンを鳴らす。


「ドア空いてるから、入ってきていいわよ」


インターホンを鳴らしてすぐ、ばあちゃんちの声がインターホンから聞こえてきた。


「おじゃまします」

「します……」

「いらっしゃい。あ!優來ちゃん久しぶり」


暖かい家に入ると、玄関口でばあちゃんが待っていて、優來を見つけるなり、すぐ優來に抱きついた。


「久しぶり……」

「あれ?優來ちゃんがいるってことは……」

「お義母さん、お久しぶりです」

「やっぱり」


母さんとばあちゃんは、そこそこ仲がいいのかお互い姿を見るなり、声を上げて喜んでいる。


「あれ?お義父さんは?」

「あの人は畑に。なんか、土を起こすんだって」

「それなら挨拶は、後にしましょうか。優はどうする?」

「俺は行こうかな、寒いけど」


ほんとなら、コタツでぬくぬくしたいとこだけど、冬の畑というのも少し気になるし、行くだけ行ってみよう。


「それじゃ、来てそうそうだけど、行ってくる。ん?優來も来るか?」


外に出ようと、玄関扉のドアノブに手をかけたら、優來が俺の服の裾を引っ張って、俺を引き止めた。


「行く」

「じゃあ、行くか。暖かい格好しろよ」

「了解……」


今度はしっかり防寒具を着てから、外に出た。


ばあちゃん家の玄関は、玄関だと言うのにそこそこ暖かく、外に出ると寒さがばいになったように感じる。


「優來は寒くないか?」

「寒い、けど耐えられる。忍耐力」


耐えられると言っているけれど、優來は寒さで軽く震えている。


「お、優くん」

「おお、綾ちゃん」


寒さで震えながら、畑方向へ歩いていると、両親と一緒に車から降りる綾ちゃんと出会った。


「いつ来たの?」

「いまさっきだね。綾ちゃんも?」

「うん、私も今来たとこ」

「お兄、誰?」


寒い中出会った綾ちゃんと話していると、下の方から優來の誰?という辛辣な声が聞こえた。


「ん?あー、優來ちゃんか久しぶり。わかんないかな?綾だけど」

「詐欺……」

「違うって!」


別に優來は、綾ちゃんに会ったことないって訳じゃないから、知らないはずはないんだけど、おかしいな。


「ほら、昔遊んだ……よな?」


何気に昔の優來は、母さんによくくっついてたから、綾ちゃんと会ったことはあっても、話したり遊んだりかは微妙かもしれないな。


「さすがに、遊んだことはあるよ!昔やったでしょ?竹とんぼとか」


遊んだにしては、チョイスが微妙だな。


「竹とんぼ……こんな、大きくない」

「それは、成長したからだよ」


綾ちゃん昔から大きかったけど、その比じゃないくらい大きくなって、優來との身長差もさらに大きくなってるから、身長だけで見ると分かりにくいかもな。


「ところで、綾ちゃん」

「なに……ウッ!」


優來に覚えられてなくて、少し落ち込んでいる綾ちゃんにスマホを見せると、濁った声を出してから、胸を手で押えて何かを止めるような仕草をし始める綾ちゃん。


「巨人さん、どうかした?」


急な綾ちゃんの反応に、巨人と言って心配する優來。


「だ、大丈夫……優くん、なにそれ?欲が刺激されて」

「あ、反応するんだ。ごめん、ごめん」


綾ちゃんに向けていた、スマホをスワイプして綾ちゃんに見せていたものから、別のものに変える。


「大丈夫?」

「う、うんなんとか。今の、何?」


見せていたものを切り替えると、何事も無かったかのように、いつも通りの綾ちゃんに戻った。


「ただの、4Kの満月の写真。ちなみに、今見せてるのは、ただの満月の写真」

「えっと、つまり?」

「綾ちゃんの呪いは、画質が良ければ反応するってこと」

「急にやらないでよ……」


急で悪かったけど、前回呪いの話を聞いて、めちゃくちゃ気になってたから、仕方ない。


「ほんとに、ごめん。ほい」

「ウッ……」

「ほい。もう1回」

「やめてよ!不整脈起こしちゃうから!」


俺の行動に怒った綾ちゃんは、胸を抑えたまま俺のスマホを取り上げようと、手を伸ばしてきた。


「ごめん、もうやんないから」


綾ちゃんに怒られてから、直ぐにスマホの電源を落として、綾ちゃんを元の状態に戻す。


「さっき、なに?」

「まあ、ちょっとした綾ちゃんの弱点みたいなものかな?」

「弱点では、あるけど」


俺の遊びに、そこそこ神経を使ったからか、綾ちゃんは少し息が切れている。


「もう……で、2人はこれからどこか行こうとしてたの?」

「あ、じいちゃんの畑に行こうとしてたんだった」


綾ちゃんで遊んでて忘れてたけど、もともとじいちゃんに挨拶しに行こうとしてたんだった。


「へー、畑に。それ、私行っていい?」

「俺はいいけど、綾ちゃんはいいの?おばあちゃんに、挨拶とか」

「それもうそうか、じゃあちょっとまってて」


そう言うと、家の方に走って消えていく綾ちゃん。


「ごめんね、待たせちゃって。おばあちゃんに挨拶してきた、おじいちゃんはうちも畑だって」

「それなら、ちょうどいいか」


てか、俺と綾ちゃんのじいちゃん、孫が来るのに畑仕事って、ほんと畑好きだな。


「にしても、優くんに遊ばれたり、走ったから暑くなってきちゃった」

「それ、ほんとにただの体温上昇?」

「ただの体温上昇!」


そろそろ、殴られそうだし綾ちゃんをいじるのはやめておこう。


「暑い……」

「優來ちゃん、どうかしたのって……ちょ、ちょっと」


優來と話すために、しゃがんで目線を合わせに行った綾ちゃんに、唐突に抱きつく優來。


「あったかい……」

「あったかいの?それなら良かったけど」


抱きついた優來は、綾ちゃんの胸のとこで、軽く頬ずりしていて幸せそうな顔をしている。


「あったかいなら、このまま行こうか?」

「そうする……」

「そう?それじゃあ、よいしょ。おお軽い」


抱きついたままの優來を、抱っこする形で軽々しく持ち上げる綾ちゃん。実際、優來は軽かったのか、軽、という心の言葉が口から出ている。


「それじゃあ、行こうか」

「綾ちゃん、きつかったら言ってね、俺変わるから」

「お兄来て」


綾ちゃんに前向きに抱っこされている、優來に手招きされて近づくと、上着の中に手を突っ込まれ、俺の固い胸板の上にある服に手を当てられた。


「あったかくない」

「でも、冷たくはないだろ」

「でも、こっちの方があったかい」


やっぱり体の一部に、脂肪の塊があると、そこに熱がこもってあったかいのだろうか。


「ま、まあ大丈夫だよ。優來ちゃん、心配になるくらい軽いし」

「お兄から、重く、見える?」

「そういうわけじゃないけど」


綾ちゃんは、俺より身長は高いけど、一応力は俺より力はないから(呪い発動時除く)、心配しただけであって。決して、女子に40Kgとかデブじゃん、とかいう高望み系の考えで話しているわけではない。


そもそも、俺は約3ヵ月前に、優來の体を見てるからどれくらいかるそうかは、おおまか把握している。


「とりあえず、早く行こうか」

「そうだね、ずっと止まってても体冷えるし」

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