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隣の○○さんは俺に○○してくる  作者: 黒薔薇サユリ
第1章

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83 ストーカー少女とヤンキー少女

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「なあ、優。き、今日デートしないか?」


いつも通り初愛佳さんに誘われて、一緒にお昼を食べていると、唐突に緊張感をもった初愛佳さんからデートに誘われた。


「デートですか、いいですよ」


特段今日は優來に勉強を教える以外、予定ないし初愛佳さんとのデートをする時間はある。


「デートって言っても、ただ俺の買い物に付き合ってもらうだけだけどな」

「立派なデートですね」


デートは、男女が日時を決めて会うことだから、見方によって、これは立派なデートとして成立するはずだ。


「そ、そうかよ。じゃあ放課後な」


そっぽを向きながら、時間の設定をする初愛佳さん。そんな初愛佳さんの、頬は少し赤くなっている。



「優、来たな」


ホームルームが終わって、下駄箱の方に行くと、下駄箱に寄りかかってスマホを見る初愛佳さんを見つけた。


「買い物ってどこに行くんですか?」

「確かここら辺って、商店街あったよなそこに行こうと思ってたんだけど」

「あそこですか……」


あそこは忍さんとの1件があったから、少し行きずらいんだよな。


「じゃあ、行くか」


少し行きたくないという気持ちを持ちつつ、初愛佳さんの後ろを歩く。



「数学がよぉ、なかなか自主学習だと身につかなくてな」

「それなら、普通に授業うけてくださいよ」


数学は、先生なしでやるにはきつい教科だし、数学ぐらいは全部受けた方がいいと思う。


「さすがに、留年はめんどいし、数学は受けようかなー」

「そうした方がいいですよ、初愛佳さん一応学年順位は高いんですから」


初愛佳さんは全ての授業を、何度かサボる代わりに勤勉なのか、テスト合計の学年順位は、そこそこ上位に君臨している。


逆にその順位がおかしいとして、また別の根も葉もない噂がたっているんだけど。


「だよなー、めんどい」

「めんどくさくても、受けてください」

「はーい……」

「どうかしました?」


話の途中で初愛佳さんが、突如として疑いを持ったような顔で周囲を見渡し始めた。


「いや、なんでも。でも、悪いちょっと先いっててくれ、俺は後で合流すっから」

「でも、俺どこ行くか聞かされてないんですけど」


ずっと初愛佳さんに着いてきただけで、俺は今日の初愛佳さんの目的を知らない。


「そうか、あれだ本屋、本屋に用事あるから先いっててくれ」

「わか……りました」

「じゃあ後で」


そう言うと初愛佳さんは、すぐに後ろを振り返って今来た道を逆走して言った。


にしても、本屋って。ついに初愛佳さんも、読書に目覚めたか。


いやー、初愛佳さんと本の話が共有できる日が来るとは。て言っても、俺の本話はそこまで深くないけど。


「ごめんなさい!ごめんなさい!」


初愛佳さんのことを考えていたら、初愛佳さんの消えていった方向から、商店街全体に聞こえるような大声が聞こえてきた。


そして、その大声の声は、少し聞き覚えがある気がする。とりあえず、向かうだけ向かっておこう。


「えっと、声はたしか……」

「だから、俺は聞いてるだけなんだよ。なんで俺達をつけたのかをよぉ」

「すみません、お金払うのでどうか」


さっき、声の聞こえた方向に歩いていってみると、裏路地の方で鋭い目で壁ドンをする初愛佳さんと、初愛佳さんの腕で顔は見てないけど、泣きそうな声の忍さんがいた。


なんか、立場が逆だけど、見覚えしかないなこの絵は。


「金は、いいんだよ。理由を聞いてるだけなんだから」

「で、でも私がつけてた確証ない……ですよね」

「じゃあなんで、さっきから謝ってんだよ。それに、わかんだよお前が、学校出てすぐくらいからつけてきてたの」

「そ、それは……」


俺、そこからつけられてたのか。なんでそれに初愛佳さんは気づけるんだ、野生の勘って恐ろしい。


「誰の指示だよ」

「え?」

「だから、誰の指示だって聞いてんだよ。お前、誰か、てかあいつらの復讐でやらされてるんだろ」


多分初愛佳さんの言う、「あいつら」とはガチの噂である、他校の生徒と喧嘩、の人達のことだろう。


「ほら、吐けよ。お前は、殴んないからよ」

「えっと……」


優しい顔をして、忍さんからありもしない情報を吐かせようとする初愛佳さん。


そろそろ、助けないとダメだな。


「あのー、初愛佳さん?」

「なんだよ、優来ちまったのか。ごめん、今日はデートできそうにないわ」

「で、デート!?じゃない、今のうちに」

「おい、待てよ」

「は、はは」


初愛佳さんがこっちを見た隙に、そのまま逃げようとした忍さんだったけれど、初愛佳さんに腕を掴まれ逃げるのに失敗。


掴まれて振り返った忍さんの顔は、目元に涙が浮かんでいる。


「おいおい、逃げるなよ。ただ、名前言うだけだろ。その報復が怖いなら、できないようしてやるからよ」

「あの、私……」

「初愛佳さん、その人違いますよ」

「え?」


忍さんのことを指摘すると、驚いた顔で俺の方を見る初愛佳さん。


「え、おまえ?」

「だから、その人俺のストーカーですよ」


なんかこの状況で、ストーカーって紹介するの、ふざけてるみたいで嫌だな。


「そ、そうか。ストーカーなのか?」


唐突なストーカーという発言に、初愛佳さんから半信半疑な反応が帰ってきた。


「その、とりあえず手を」

「おお、すまん」


俺がストーカーと言うと、一気に気まづい雰囲気になった。


そして、腕を解放された忍さんは、逃げるように俺の後ろに隠れ、初愛佳さんを警戒している。


「梶谷くん、何この人。超怖いんだけど」


俺の背中に引っ付く忍さんが、小声で初愛佳さんについて聞いてくる。


「俺と同じ学校のヤンキーの人。名前は初愛佳さんね。見た目と言動の割に、いい人だから」

「言動は入っちゃダメでしょ」


確かに、言動って、発言と行動だから、その人全体のことを指すのか。いやー、盲点。


「いやーごめんな、えっと名前は」

「忍です」

「忍か、ごめんごめん。というか優、ストーカー野放しはどうかと思うぞ」

「俺に言われましても」


ストーカーに関して、辞める辞めないは忍さんの最良だし。


俺が対応しないのは、忍さんからのおすすめ本が途切れるのは、俺の趣味が減るから対応しないようにしている。


「と、とりあえず私はデート邪魔しちゃ悪いし、帰るね」

「おいおい、待てよ」


初愛佳さんから逃げるためか、足早に帰ろうとした忍さんの肩を、初愛佳さんが掴んだ。


「さっきは、悪いことしたし、なんか奢ってやるよ」

「は、はひ……」


忍さんの反応を見るに、完全に初愛佳さんのことがトラウマになってるな。

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