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隣の○○さんは俺に○○してくる  作者: 黒薔薇サユリ
第1章

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81 風邪をひいた日

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「うーん、これはダメねほら」


そういって母さんが俺に見せた体温計には、37.8℃と表示されている。


「今日は、病院行かなきゃだし学校もお休みね」

「あー、俺の皆勤賞が」


正直、この歳で俺が風になるとは思ってなかった。まあそれで言うと、全長はあったのかもしれない。この間黒嶺さんの家で倒れたわけだし。


「何、優皆勤賞狙ってたの」

「いや、これは今思っただけ」


皆勤賞に関しては、結構どうでもいい。そんなことよりも、今日休んだ分の授業内容を周囲に聞かなきゃいけないのが、一番面倒だ。


「ま、そういうことだから。お昼前ぐらいに、病院行くからそれまで静かに寝てなさい。なんかあったら、私か優來を呼んでね」

「はい」


俺の部屋から出ていく母さんを、鼻声でおくる。


寝てろか、風邪になると、だるくて勉強とかほぼ何もできないから、バカみたいに暇なんだよな。


スマホで動画見てるだけでも結構飽きてくるし。それなら、学校に行く方が全然いい。


「あ、なんか初愛佳さんからメッセージ来てる」


少しの間だけスマホで時間をつぶそうとしたら、通知センターに初愛佳さんからのメッセージが、来てることが分かった。


(今日昼食わねえか?)


初愛佳さんからのメールが何かと思えば、ただのお昼のお誘いだった。


初愛佳さんのお昼のお誘いは、前に連絡先を交換してから、メールで誘いが来るようになった。


そのため、前みたいに教室に呼びに来て、クラスの空気が凍りつく、みたいなことはなくなった。


(今日はすみません無理そうです。俺、風邪ひいちゃって)

(大丈夫か?俺が看病行ってやってもいいけど)


今の時間授業中のはずなのに、そこそこの早さで返信が帰ってきた。


(大丈夫ですよ、そこまできつくは無いですし。それに、初愛佳さんに移しちゃ悪いですから)

(別に俺、体丈夫だから風邪とかかからないと思うけど)


初愛佳さん、身体丈夫なのか。まあ、喧嘩で勝利してるあたり、体が丈夫なのは妥当なのかもしれないな。


(それでも、大丈夫です。また、今度食べましょう)

(そうか、お大事にな。あと、もし良ければなんだけど、昼の時間電話できたら、電話しねぇか?)


電話か、その時間に俺が病院とかにいなければ全然できそうだな。


(俺がその時できる状態なら、いいですよ)

(ほんとか!じょあ、よろしくな)


この言葉と共に、可愛い猫のよろしくスタンプが、送られてきた。


(できそうなら、連絡します)


最後に一言だけ送って、スマホの電源を落とす。


とりあえず、2度寝しよう。母さんの言った時間までは、まだ時間あるし。



「うん、普通に風邪だね。薬出しとくから、しっかり飲めば明日には復帰出来るはず」

「はい、ありがとうございます」


病院に行って、先生から言われたのは風邪。


「良かったわねー、面倒なやつじゃなくて」


ほんとに、インフルとかじゃなくてほんとに良かった。さすがに家で、ずっと寝て何日か待機は、暇すぎて死ねる。


「それじゃあ薬もらって、早いとこ帰ろうか。お昼なんか食べたいのある?」

「特には」

「じゃあ、おかゆでいいわね」


このまま薬受け取って、何事もなく帰れれば初愛佳さんと電話できそうだな。



「優、聞こえるか?」

「はい、聞こえてますよ」


家に帰ってから時間を見ると、ちょうど学校ではお昼の時間だったため、すぐに初愛佳さんに連絡をして、電話をかけた。


「思いのほか、元気そうだな」

「少し頭の周りが悪いですけど、比較的元気ですよ」

「そうかそうか、なら良かった。もしキツかったら、俺に言ってくれれば、すぐお前のとこ行くからな」

「そこまで迷惑かける訳には行かないですし」

「そうか、そんなに嫌か……」


別に初愛佳さんの看病がいな訳じゃないけど、それで初愛佳さんに移したりした時、ただただ申し訳ないから拒んでるだけなんだよな。


「お兄、入る」


初愛佳さんと電話を始めたタイミングちょうどで、優來がおかゆを持って入ってきた。


「お前、マスクしてないのか」

「別に、移っても問題ない」

「勉強出来なくなるだろ」


今の優來には、勉強がとっても大事だから、1日でも風邪で休むと、大変なことになりかねない。


「なんだ、優。俺には断っといて、他のやつ呼んでんのかよ」


電話越しで優來の声を聞いた初愛佳さんが、悲しそうな声で言う。


「違いますよ、優來ですよ。文化祭の時、会いましたよね。ほら」

「おい、急にカメラつけるなよ。あと、優來が写ってない……」


優來の方にカメラを向けて、ビデオ通話をONにしたけど、最初は自撮りカメラになるから、初愛佳さんの画面には俺の顔が写っている。


俺の顔を写しても、なんの意味もないから、画面のボタンを押してカメラを切替える。


「ほんとだ。てっきり、女でも呼んでんのかと」

「女って、呼びませんよ。第1、今学校の時間ですし」

「そ、そうだよな、よく考えたらそうだよな」


誤魔化すように、笑って話を流す初愛佳さん。


「優來、ありがとな。ほら、うつる前に早くここから……何してんの?」


優來にお礼を言って、マスクもしてないし早めに出てもらおうとしたら、俺の勉強机の椅子を引っ張ってきて、ベッドの横に座っておかゆを持つ優來がいる。


「お兄風邪、食べて」


スプーンでおかゆをすくって、俺の口の方へ持ってくる優來。


「いや、そこまでキツくないから」

「いいから」

「お、おいお前たち何してんだよ!?」


どんどん優來のもったスプーンが、俺の口にどんどん近づいてくる。


そして初愛佳さんは、いつも通りエッチなものを見た小学生みたいな反応だ。


「はい、お兄」

「わかった、食べるから。くちびるをつつくのをやめてくれ」


異様なほどの優來の押しに根負けして、恐らく母さんの作ったおかゆを口に入れる。


味はやはりおかゆ、うすい。けれども、米本来の味とその中に梅干しと葱が入っているから、味が質素すぎて無理、とかはない。


「お、お前らほんとに兄妹なんだ……よな?」

「そうですけど」


初愛佳さんは、まだ俺たちを義理とでも言いたいのか。


まあ、今の行動は兄妹と言うには、距離が近すぎるのかもしれなかったから、初愛佳さんがそう言うのも仕方ないか。


「お兄、美味しい」

「うん普通におかゆって感じ」

「よかった……」

「なんなんだ、お前たち……」


スマホは、ベッドの上に置いてるから初愛佳さんの顔は見えないけど、恐らくいつもみたいに頬を赤らめていることだろう。



「ごちそうさまでした」


結果的におかゆは優來に全部食べさせてもらった。


「薬、持ってくる」


おかゆを食べ終わらせた優來は、空の土鍋を持って部屋を出ていった。


「やっと食べ終わったのか?」

「そこまで時間はかかってないと思いますけど」


てか、初愛佳さんはカメラで写ってない、音声だけでも恥ずかしくなるのか。


「初愛佳さんは、お昼食べ終わりましたか?」


初愛佳さんの声を聞いてた感じ、ずっと悶絶してて食べてる様子がなかったけど。


「お、おう。半分くらいは」

「全然食べれてないですね」

「し、しょうがねぇだろ!」


そもそも、なんで初愛佳さんはここまで、こういう甘い行動に免疫がないんだろう。


「お兄、薬」

「お、ありがとう」

「口移し……」

「それはダメ」「だ、ダメだろ!」

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