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隣の○○さんは俺に○○してくる  作者: 黒薔薇サユリ
第1章

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65 殺人願望少女と文化祭

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「それじゃあ、よろしくね」


今日は文化祭1日目、今はお化け役のシフト時間になったため、前の当番の人達と交代したとこだ。


俺のクラスのお化け屋敷コンセプトは、廃墟。教室の窓をダンボールで覆って、小道具で驚かせたりする感じ。なんだけどこれで怖がる人いるのかな。


ちなみに俺は、自分の体を使って脅かす役になっている。


「殺してやるー」

「キャー!」


お客さんが通りがかるタイミングで、飛び出すと以外にも皆驚いてくれる。そして、思ったよりも楽しい。


「次、入るよー!ちなみにめちゃ美人!」


最後の情報はいらない気がするけど、とりあえず怖がらせろということだろう。


美人の驚きかたは、気になるところだ。まあ、黒嶺さんタイプだったら素通りだろうけど。


そもそも、黒嶺さんタイプはこういうイベント来ないか。こんな、ただの青春イベント。ははは。


「わ!」


1番最初の驚かせポイントで、声が聞こえる。しかし、お客さんは反応がないみたいだ。


その後も今回のお客さんは、何も声を出すことなく俺のポイントへ近づいてくる。


こんな感じのお客さんは、いままで普通に何人かいた。けれど、俺の位置だと驚きの声をあげる。


なんせ俺のいる位置は、普通に考えても出てこないと思うような場所だから。


お客さんの足音がすぐそこまでやってきた。俺が出るタイミングは、俺の前をお客さんが通り過ぎてからすぐに出ることとなっている。


つまりは今だ!


「殺してやる〜!」

「梶谷さん、ここにいましたか。というか、私に殺すとは、いい皮肉ですね」

「おっと、黒嶺さん…」


俺が体を出してすぐ、お客さんとしてきていた黒嶺さんと目が合った。


「というか、ここそんなに怖くないですね。私としては、こうした方が怖いと思いますけど」


服の中から包丁を取りだして、俺の顎下に包丁の先を突きつける。


「それは、また別の恐怖じゃないかな…」

「そうですか。でもこれくらいしないと、来る人は怖がらないと思いますけど」

「それは、黒嶺さんがホラー耐性ありすぎるだけじゃないかな」


それをやった時点で、会議にかけられるし、お客さんのトラウマになりかねないだろ。


「そもそもの話、幽霊なんてただの想像の話なので、いると思って怖がる方がおかしいんですよ」


俺の家にガチ幽霊いたから(証人有)、あんまし幽霊が空想上の生物とは思えないんだよな。


「次のお客さん入れるけど、大丈夫そ?」


その場で黒嶺さんと話していたら、受付の人から催促が飛んできた。


「とりあえず、黒嶺さん。出てもらっていいかな。次来ちゃうから。なにか話があるなら、俺あと40分ぐらいで終わるし」

「そうですか、それくらいなら、待ちましょうか」

「適当に回ってていいからね」


お化け屋敷の出口から、出ていく黒嶺さんを見送って、俺は元の配置に戻った。



「お疲れ、時間だから交代」

「そうか、じゃあ後よろしくな」


黒嶺さんを見送ったあとも、普通に脅かし続け交代の時間が来た。


俺と入れ替わりで来た人に、場所をあけわたして出口の方から外に出る。さすがに暗がりから、光が当たっているとこにでると、めちゃくちゃ眩しい。


「やっとですか」

「え、黒嶺さんずっとそこにいたの?」


出口を出てすぐのところに、私服の黒嶺さんが立っていた。


「とくに見たいものも、ないので」

「お姉さん無視?」


しかも、なんか俺と同じ学校の人に絡まれてる。上履きの色を見る感じ、先輩だ。


「行きましょうか」

「あ、うん…」


黒嶺さんに絡んでいる先輩を完全に無視して、俺の方に来た。


「よかったの?何も言わなくて」

「別に、ただ私に話しかけてきただけの人だったので。あんな何も生産性のない行動、嫌気がさします」


黒嶺さんの言い方的に、ここに来るまでに何回かは話しかけられてるな。


確かに黒嶺さんは美人だ。しかも今日は、いつもみたいな制服ではなく、私服。


制服時も、可愛かったのが、私服によってその可愛さが際立っている。


「黒嶺さん、服似合ってるね」

「そうですか、ありがとうございます」


黒嶺さんが、ファッションを楽しむ趣味があるとは、結構意外だな。


「その服って、自分で買ってるの?」

「いえ、母が勝手に買ってきますね。正直私としては、制服さえあれば、外に出れるので私服なんてものはいらないのですが」


あ、やっぱ黒嶺さんストイックのその先行ったような人だから、そういう系の買い物はしないんだ。


にしても、黒嶺さんのお母さんが選んだ服がこの似合いっぷり、黒嶺さんのお母さんは相当センスがいいとみた。


「そのセットは、自分で考えたの?」

「いえ、これも母ですね。もともと、制服で行こうとしてたのですが、止められまして」

「そりゃそうでしょ…」


なかなか休日の外出で、好き好んで制服着てく人なんていないだろうに。ていうか、制服って動きにくくない?


「それで、元服飾系だったらしい母にこんな姿にされまして」

「こんな姿かな?ていうか、黒嶺さんお母さんの職業知ってるんだ」


ということは、黒嶺さんも昔は親の職業に興味を持ったりする、時期があったということか。


「いえ、いつかの時に自慢げに言っていたので、それをたまたま今思い出しただけです」

「あ、はいそうですか」


ダメだ、話してても思ったけど、黒嶺さんの人生本人が感じるトキメキというのが少なすぎる。


「とりあえず、服の話はこれくらいにしておいて。黒嶺さん、よく来る気になったね」


黒嶺さんの青春断固拒否みたいな性格で、ここの文化祭の情報を仕入れ、来るというのは到底ありえないことだと思うんだけど。


「クラスの方で、たまたま超小耳にはさんだので、梶谷さんがこちらに来たそのお返し程度に」

「お返しって、俺何もしてないけど」


強いて言えば、ミスコンで黒嶺さん本人の代わりにPRをしたぐらいだ。


「あと、早めに芽は潰しておかないといけないですから」


明らか、喜びとかとは違う感情の笑顔を俺の方に向ける黒嶺さん。


今日は、知り合いの女子と誰とも合わないことを願おう。

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