表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
隣の○○さんは俺に○○してくる  作者: 黒薔薇サユリ
第1章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

58/164

58 夜這いガールと調理実習

1/1

「あ、優くん。エプロンの紐、ほどけてますよ」

「ほんとだありがとう、刈谷さん」

「結び直しておきますね」


俺のエプロンのことに気づいた刈谷さんが、垂れてる紐を取って結び直してくれる。


「これで、大丈夫なはずです」


今日は家庭科の食欲の秋、は関係あるかわかんないけど、調理実習の日となっている。


「よお、優。元気か?」

「元気、だけど…夜梨はなんだか、それ以上な感じだな」


俺に話しかけてきた夜梨の声は、なんだかすごい上機嫌だ。


「まあな、俺の班はあんな感じだから」


夜梨が指さした方を見ると、そこには佐藤さんと青空さんがいる。


「いつもの席とは違って、女子が多いんだ」

「それだけで、そんなに上機嫌なのか」

「そりゃー、いつもの逆ハーレムじゃないからな」


夜梨の席は、クラスの方も移動教室の時も逆ハーレムという、謎の豪運を見せていて、そのためか今の状況は相当嬉しいみたいだ。


「そうかそうか、とりあえず夜梨、頑張れよ」


夜梨の方に手を置いて、激励を送る。


「なんの事だ?」


正直青空さんが居るのに、なんとも言えない不安がある。俺は同じ班じゃないから、あんまし関係ないけど。


「それじゃあ、お互い班員の足引っ張らないよう、頑張ろうな」

「なんで、俺が足引っ張る前提なんだよ」


俺自体そこまで、料理に自信あるわけじゃないから、確実にに足を引っ張らないと言える訳ではないけど。さすがに、変なことはしないし、起きないはず。


「大丈夫ですよ、私がいれば優くんは見てるだけで終わるので」

「それは、授業の意味なくなるから、ダメじゃない?」


今回調理実習で作れと言われたものは、秋刀魚と味噌汁、残り1つは班それぞれで決めるということになっている。


ちなみに、俺たちの班は最後の1個として、きんぴらを作ることとなっている。


「はい、それではこれで説明が終わるので、それぞれの場所に戻って、調理を始めてください。困ったことっがあれば、遠慮なく先生に聞いてくださいね


先生が手をたたくと、それぞれが調理場に立ち、調理に取り掛かり始めた。


「最初に味噌汁だっけ?」

「そうですね、そんなに難しくないですし。それに、味噌汁で余った出汁を、きんぴらに使うので」

「すごいな」

「料理は得意分野ですから」


料理は得意分野って言ってるけと、刈谷さんに苦手なものがあるように思えないんだけど…


「それでは、優くん出汁とかお願いしますね。私たちは、野菜切ったりするので」


調理実習の班は、4人班で俺の班は男女がちょうど2対2で、その中で料理に自信があるのが、刈谷さんしか居ないため、この班は刈谷さんがリーダーのような感じになっている。


「え、俺がやんの?」

「お願いします。そんなに難しくないですよ、私に聞いていくれれば、すぐ教えますし。それに、包丁は危ないので」

「俺って、そんなに危うい存在なの?」


何故か俺の扱いが、小学生と同レベルなのは、刈谷さんが過保護だからというのを信じたい。


俺が包丁を使うと、大変なことになると思われている、とかではなく。


「そういう訳じゃないですよ。逆に私、優くんのことは信頼してますから」

「そう?それは少し嬉しいかも。じゃあ、出汁取っときまーす」


さすがにこの信頼が、失敗を見越した上での信頼、というのは俺の考えがマイナスすぎるな。


とりあえず、刈谷さんに言われて、黒板に書かれた調理手順を遵守して、昆布の入った鍋に火をかけて水の沸騰を待つ。


「梶谷くん、料理順調そう?」

「まだ、始まったばっかだし大丈夫そうかな。それに、俺は沸騰待ちだし」


見た感じ、俺以外の班員は野菜やらの下準備をしていて、ほんとに俺は沸騰を待つしかやることが無い。


「お湯飛んでくるかもだし、気をつけてね。それか、私がやろうか?」

「いや、いいよ。それに、佐藤さんは早くあっち戻ってあげなよ」


大根すりすりを持った佐藤さんを、班に戻ることを促す。


「青空さん、野菜切れてる?」

「う〜ん、なかなか手強くて〜」

「全然切れてない…」


青空さんに力がないのか、それとも青空さんがマイペースすぎるのか、まな板の上の人参は全く切られていない。


「ほら、大変そうだし早く戻ってあげな」

「そうだね、困ったら私にも言ってね」


正直、佐藤さんをあそこ班から離すと、大変なことになりそうだし、佐藤さんを頼るのはやめておこう。


「優くん。水、沸騰してますよ」

「ほんとだ、ありがとう」


沸騰したお湯に、ザルの上に乗せた鰹節を置いて、再度沸騰するのを待つ。



「だいたい、できたよ」

「こっちも、ちょうど下準備は終わりました」


そう言った刈谷さんの前には、きんぴらに使う野菜、味噌汁の具である、豆腐やネギなどがある。


「出汁は、分けてくれてるんですよね」

「もちろん。刈谷さんに言われたから」

「それじゃあ、本格的に作って行きましょうか。こっからは、私が言うので皆さんでやってください」


唐突に対等な生徒、から教師にランクアップする刈谷さん。


まあ、慣れてる人がやるより、俺らみたいなほぼ経験なしがやる方が、授業の意味はあるから妥当ではあるか。



「優くんのとこは、順調そうだね」

「こっちは、刈谷さんいるからね。てか佐藤さん、ここにいていいの?」


また通りがかったのか、遊びに来たのかわからない佐藤さんが、こちらの進捗状況を確認する。


「まあ、こっちも順調だから」

「ほんとに言ってる?」


順調と言う割に、何故かさっきから夜梨の叫び声のようなものが聞こえるんだけど。


「青空さん、焦げてる焦げてる」

「あ〜、ほんとだ。ごめんね〜」

「そういえば、佐藤さんどこいった!?」


今の会話だけでも、よもや順調とは思えない。


「佐藤さん、行ってあげなよ。青空さんのことちゃんと、お守りしてあげな」

「そうだね、じゃあまた後で。それ、私がやるよ」


青空さんの失敗を見て、急いで班の方へ戻って行く佐藤さん。


ほんとに、夜梨の班大丈夫か?



「私たちのとこは、これで終わりですね」


きんぴらに落し蓋をしてから少し、俺たちの料理は全て完成した。


「あとは、盛り付けて持ってけばいいんだったよね。それじゃあ、俺皿取ってくる」

「1人じゃ大変だと思うので、私も行きますね」


刈谷さんと一緒に皿を取りに行く途中、夜梨のいる班をちらっと見たけど、なんだか大変そうだった。



「いただきます」


皿に作った料理を乗せて、食事場所に運び、早速食事をとる。


俺たちの班は、全体の中で1番乗りだったみたいで、他の班は今料理をよそったり、まだ作ったりしている。


「うん、おいしよ刈谷さん」

「私は指示出しただけですけどね」


指示出しただけ、と言っているけれど刈谷さんの指示は異様なまでに分かりやすく、変なミスをすることなんてなかった。


「は〜、僕は疲れたよ〜」

「青空さん、料理終わったの?」


ゆっくり秋刀魚を捌いて骨を取っていると、青空さんが後ろから抱きついてくる。


「一応ね〜、でも料理はやっぱ僕向いてないや」

「なんか、すごい言われてたしね」


マイペースゆったりな青空さんには、タイミングと時間が大事な料理はそんなに向かないのだろう。


でも、料理でも釣りの時みたいな感じを出せば、全然出来ると思うけど。


「やっぱり、結婚したらゆうくんに料理作ってもらわないとな~。だから〜たのんだよ~」

「たのんだって、言われてもね」


仮に青空さんと結婚して、俺が普通に働いてるとしたら、俺の仕事量がバカみたいに多いことになるぞ。


かわりに、夢の年収1000万プレイヤーに、なれるかも。


「ところで、そのきんぴら少し貰ってもいいかい?」

「別にいいけど…」


箸できんぴらを掴んで、青空さんの口に運んであげる。


「うん、やっぱりゆうくんに食べさせてもらうと、味が100倍になるな〜」

「ほんとに言ってる?」


そんな、人から食べさせてもらった、だけで味が変わるとは思えないんだけど。


「こんなに美味しい物くれたゆうくんには〜、お礼として僕の作っただし巻き玉子をあげよ〜」

「それ、さっき焦がしてたやつじゃないよね」

「そんなわけないじゃないか〜、ちょっと黒くなっただけだよ〜」


それをこの世では、焦がしたと言うのではないのだろうか。


「ていうか、青空さんは皿運ばなくていいの?」


青空さんは何故か、ずっと俺に抱きついていて、とりあえず離れて欲しい。


「大丈夫だよ〜、それに僕にはもう動くリソースが残ってないんだよ〜」

「リソースって」


優來もこの間似たようなこと言ってたな。もしかしたら、2人の性格は少し似てるのかも。


「青空ちゃん、お皿運び終わったよ」

「ほんとうかい?いや〜、すまないね〜」

「全然大丈夫だよ」

「それじゃあ〜、ゆうくんあとであげるからね〜」


佐藤さんに呼ばれて、佐藤さんと一緒に班の方へ戻っていくほんとう青空さん。


ちなみに、青空さんのだし巻き玉子は、普通に焦げただし巻きって感じ。その後、何故か佐藤さんからも貰って、それは甘めのだし巻き玉子だった。

この1連の流れを見させられてる優くんの残り2人の班員は、どんな気持ちなんでしょうね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ