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隣の○○さんは俺に○○してくる  作者: 黒薔薇サユリ
第1章

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46 毒盛り少女と幼馴染

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「石橋さんいる?」


昨日と同じように、静かな調理室の扉を開けて、教室内に入る。


今日も今日とて、石橋さんに呼ばれたわけなんだけど、なぜ俺は薬を盛られるのわかっててのこのこきたのか。それは、単純に石橋さんの料理が美味しいからでしかない。


別に薬を盛られそうになったら、止めればいいだけだし。昨日のを見るに、詰めれば白状するだろうから。


「て、誰もいないじゃない」

「いつもは、俺より早くいるんだけど」


今、俺の後ろにいるのは由乃。


今日一緒に帰らないかと言われたんだけど、先に石橋さんとの約束があって、断ったところ、由乃に着いてく、と言われ今に至る。


「どうすんの、帰る?」

「いや、少しはまってみるけど。別に由乃は帰りたいなら、先帰っていいよ」


さっきから由乃は、俺をせかすように話してるし、何かこの後、予定でもあるんだろう。


「別にあんたが残るなら、私も残るから」

「俺に合わせなくたって、この後予定あるんだろ?」

「そんなのないけど」


なにもないのに俺せかされてたのか。


「じゃあなんで俺のこと、せかしてたんだ?」

「いや、そんなせかしてたわけじゃ…」

「そうか?まあ、予定ないならいいか」


さっきまでのは、なついた犬と考えて忘れておこう。


「ごめんね、梶くん遅くなっちゃ…誰?」


なついた犬こと、由乃と席に座って話していたら、ようやく石橋さんがここにやってきた。


入ってきた瞬間、由乃のことが目に入ったようで、速攻で、俺に質問が投げられた。


「あー、この()は俺の幼馴染の由乃さんです」

「犬!?なに言ってんのよ!」

「ごめん、ごめん」


ふざけて犬と言うと、由乃から強烈なツッコミが飛んできた。


「で、こっちは俺たちと同じ中学だった石橋さん。調理部部員な」


初めて会う2人に、なんとなくの紹介をする。


「石橋、石橋……あ!そういえば、私たち同じクラスじゃなかったっけ。1年2組だったでしょ」

「そう…だけど」


どうやら、由乃は石橋さんを知っているみたいだけど、石橋さんは知らないみたいだ。


「よく、おぼえてたな」

「うん、あんまし話してはなかったけどね。なんか、自己紹介がインパクト強かったの思い出して」

「インパクト?」


石橋さんは、そういう場面ではっちゃけるタイプじゃないと思ってけど。


「そうそう、自己紹介の時に緊張で、すごい…」

「あああ!ストップ、ストップ!」


顔を赤くして、由乃の発言にストップをかける石橋さん。


インパクトって、相当変な方向だったのか。たぶん緊張で、変なこと言ったとかそんなとこなんだろうな。


「あ、ごめん言われたくなかった?」

「う、うん。あれは、私の人生最大の汚点だから」


自己紹介で人生最大の汚点って、何言ったらそうなるんだ…


「それで、その幼馴染さん」

「由乃でいいわよ」

「じゃあ、由乃さんも、今日…」

「あ、そうだお願いしてもいい?」


由乃も一緒に食べることは、何もやましいことがなければ、量以外大丈夫なはずだ。


「あ、うん全然いいよ。全然…」


いいよと言いつつ、なんだか不安そうな顔してるけど、まあ大丈夫なんだろう。最低、こっそり盛られたとしても、問い詰めれば教えてくれるだろうし。


「ていうか、さっきから2人ともなんの話してんのよ。まったく、筋が見えないんだけど」

「俺定期的に、石橋さんの料理食べてんだよ」

「へー、そんなことしてたんだ。だからここに」


これ言うと由乃から、なにか言われると思ってたけど、何もなかった。まあ、今までみたいにやましいことが、起こりえないからなんだろうけど。


昨日起こりかけたのは、また別の話と言って誤魔化しておこう。


「それで、今日も俺手伝う感じ?」

「いや、別に大丈夫。昨日よくよく考えてみたら、梶くん必要ないなって思って」

「だよね、俺いらないよね」


やはり昨日の俺の補助もどきは、あってもなくてもよかったっみたいだ。


「それに、今日は先に作ってるから」

「準備いいね」「準備いいわね」


石橋さんは、どこかですでに作っていたみたいで、調理室内の冷蔵庫からタッパーをとりだして、レンジにいれ温め始めた。


「ちなみに、由乃さんはアレルギーとかは…」

「ないわよ。それに嫌いなものもないから、まずくなければ大丈夫」

「そうなんだね…」


そんなことを話してると、レンジでの温めが終わり、温め終了の音楽がなった。


「そういえば、今日はなに作ったの?」

「今日はカレーを作ったよ。2日目の物は美味しいと聞いたので、昨日作っておきました」


昨日作ったといわれると、薬を盛ってる疑いが強くなるな。昨日俺が入れ知恵したから、てのもあるけど。


「はい、どうぞカレーです」


俺と由乃の前に熟成された、2日目のカレーが盛られた皿がおかれた。


「おー、いい匂い」

「ありがとう、でも熱いから気を付けてね」


カレーの盛られた皿は、石橋さんの前にもあるしこれは大丈夫なのか?一応聞くだけ、聞いてみるか。


「石橋さん、これって安全なんだよね」

「な、なに言ってんのもう。安全に決まってるじゃん。加熱だってしてるし、ちゃんと味も見てるし」

「それならいいけど。別に昨日の()()が、入ってるわけじゃないんだもんね」

「そうだよあんなあぶないの、ストックしてるに決まってるじゃん」


おい、動揺しすぎて本当かもしれないこと言ったな、いま。睡眠薬ストックって、凄いな。逆にその量どこで入手してるか、気になるんだけど。


「さっきから、なんの話してんの。あんた辛いの無理だっけ?味、辛くもないし全然美味しいのに」

「由乃おまえ…」


由乃の皿を見ると、すべてなくなっている。石橋さんは俺の皿に何か入れるそぶりがなかったし、多分あのタッパーに直入れしてるみたいだから。


そう考えると、由乃の皿にも…


「お前、食べるの早くないか?」


いまさっき出されたばかりだと言うのに、由乃はアツアツのカレーを完食している。あまりにも、早い食事。めちゃくちゃ見逃した。


「し、しょうがないでしょ、たまたまお腹がすいてたの!てか、あれ?視界がだんだん…うすれて…」

「危な!」


薬の周りが早かったみたいで、由乃が皿に顔面ダイブしかけていた。気づいてすぐ、皿をどけて頭の落下地点に俺の手を敷いた。


「危ねー。やっぱ入ってんじゃん!」


この場面で言うのは、おかしいかもだけど石橋さんはもうちょい嘘を上手くなった方がいいと思う。


「い、いやだってー」

「だって、じゃなくてさー。で、どんくらいで起きそうなの?」

「タッパーには、昨日と同じくらい入れてて、そのお皿1杯くらいだから効果自体はすぐ切れると思うけど。いつ起きるかまでは」


そうか、由乃は普通に寝に入ったから効果切れてから起こさないといけないのか。


「まあ、由乃はしばらく寝かせとくとして。このカレーどうする?」


石橋さんが持ってきたタッパーは、少し大きめのサイズ。それに、パンパンとは言わないけど、そこそこいっぱいな量入っていた。


「どうしようね」

「決めてなかったんだ。でも、さすがにこの量廃棄は気が引けるよね」


だからといって食べても、お互い共倒れして終わりだろうし。


「じゃあ、私が家で食べるよ。作った本人だし」

「嫌そうにしてるけど、それが妥当だからね!?」

「とりあえず、そのお皿分は食べてみない?」

「食べないよ!てか、別に寝顔撮りたいなら寝るけど」


人前で寝るくらい、何もしないと言ってくれれば全然いいんだけど。


「いや、そこは私にも意地があるので」

「やっぱ、謎のプロ意識が…」


なんで、そこまでして自力で手に入れたいのかは本人にしか分からない。


「そういうことだから、さっ一気にね」

「さすがに入ってるの知ってて、食べるのは抵抗があるんだけど」

「やっぱ、かわいそうなぞう作戦はダメか…」

「ちょっと違くない?」


というか、なんでこんなことに作戦名つけてるんだ。

しかも、まじめな顔の割に作戦名、童話のタイトルだし。



「あ、ごめん…寝ちゃってた?」

「おはよ、1時間ぐらい寝てたな」


由乃がぐっすりの間、後片付けをして皿にあったカレーは申し訳ないけど、廃棄させていただいた。


カレーの盛られた皿も、3回洗って綺麗な状態にして棚に戻した。


「ほんと?2人ともごめん」

「別に大丈夫ですよ。あと、ごめんなさい由乃さん」

「なにが?」


突然石橋さんに謝られて、何が何だか分からない様子の由乃。


「とりあえず、帰るか。時間もそこそこ遅いし」

「ほんとにごめんね」

「いや、由乃はそこまで申し訳なさそうにしなくていいと思うぞ」


実際由乃は、何も知らずにカレーを食べて寝ただけだし。牛にならなくて、良かったと思う。

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