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隣の○○さんは俺に○○してくる  作者: 黒薔薇サユリ
第1章

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36 狼少女とストーカー少女

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「あなただーれ?」


ゆっくりと頭を上げて、物凄い形相で忍さんを見る綾ちゃん。


「え、怖。てか、何してんの梶谷くん!」


今の状況を見て、顔を一気に赤くする忍さん。


「いまなら!」

「痛!」


解放された両手を使って、馬乗り状態の綾ちゃんを押していい感じに突き放す。一応当たり所は、悪くなさそうだな、よし!


「とりあえず、忍さんにげるよ」

「え!?わ、わかった」


土足で入った忍さんの手を引いて、急いで部屋を出て外に逃げる。部屋を出るとき肩を本棚にぶつけて、少し肩が痛いけど。


「梶谷くんどうすんの。てか、さっきの何」

「それはこっちも聞きたいし、それと忍さんに聞きたいこともあるけど、とりあえずにげるよ」

「優くん、逃がさないよ。いまなら、気絶はさせないから。イイコト、しよ」


気絶しないとはいえ、怖すぎる。絶対逃げきらなきゃ。


暗くてほとんど道が見えない道を、微妙な記憶と少しの月の光を頼りに忍さんと一緒に走る。後ろからは、忍さんの足音と綾ちゃんの足音が聞こえる。


「梶谷くん…どうすんの…私、体力持たない」

「俺もおなじく」


俺は自分からは運動しないのもあって、体力が絶望的に低い。それは、忍さんも同じなんだろう。


「ていうか、その子誰?写真の子たちじゃないよね。もしかして…その子が本命!?」


そこそこ走ってるのに、普通に話す体力あるとか。綾ちゃん、体力無尽蔵なのか?


「梶谷くん…私そろそろ…」

「わかってる。ここ!」


俺曖昧な記憶でも、なんとかたどり着くことが出来た。俺が目指していたのは、誰もいない駅。


駅に入ってからは、急いで線路上に降りて隠れた。


「優く~んどこにいるのかな~?」


駅のホームを怖い声で歩く綾ちゃん。声から感じるものは、黒嶺さん殺意に近いけれど、それとはまた違うもののように感じる。 


「もしかして…線路のとこに…」


あ、まずいかもしれん。


「いや、流石にそれはないか。電車が来たら危ないもんね」


綾ちゃんには田舎の常識がなかったらしい。マジで助かった。ちなむと、最終の電車は22時までらしい。


「逃げられちゃったかな。まあ一応、言っておくと明日覚悟しといてね」


それだけ言った綾ちゃんの足音は、駅のホームの外へ消えていった。


「行ったみたいだね」

「ちょっと待って、このまま戻っても鉢合わせするかもだから、もうちょいここで隠れよう」


ホームに上がろうとする忍さんを引き留めて、そのまま線路上に戻す。


「言われてみればそうかも、梶谷くん頭いい」

「そんなそんな。で、話をかえて。何でここに居るの?」

「えっとーそれは…」


話を振ると、めちゃ話しずらそうな反応をする忍さん。


「実は、私も今日おばあちゃんちに行こうとしてて…」

「忍さんのおばあちゃん家、ここら辺なの?」

「違くて。そ、そのーほんとは新幹線で、あと2個先なんだけど。たまたま、梶谷くんみつけたからそのまま…」


ついてきたってことか。というか、新幹線2個先はそこそこ遠くないか?そう考えると、忍さん行動力の鬼だな。


「で、夜ご飯とか食べたの?」

「一応コンビニで。でも、ここほんとに田舎だね」

「それは同感だけど。忍さんさぁ…」


ここまでストーカー魂に磨きがかかってくると、尊敬超えて呆れてきた。そもそも、ストーカーは褒められたものじゃないけど。


「そういや、荷物は?」

「一応、ここに隠してあるけど。私ほんとに驚いたんだよ、梶谷くんのおばあ様の家特定で済ませようとしたら、1日3本しかないんだもん」


それは3本目で帰ればよかったのでは…たぶん、変な答え帰ってくるから聞かないけど。


実際、そのおかげで助かった訳ではあるんだけど。


「で、忍さん今日どうすんの?」

「そういえば…考えてなかった」

「ほんとに、見切り発車というか…まあ、いいや泊まっていきなよ」

「いいの!?」


一応、命の恩人?なわけだし。それに、1回泊めたことあるし、忍さんなら安心できる。


「でも、また1本目で帰って貰うからね」

「わかってるって。前回と同じだね」


今日はほんとにいろいろあった。久々に会った女の子が、性欲モンス…襲ってきたり。忍さんの、ストーカーレベルがわかったり。


「とりあえず、そろそろ帰ろうか」



「綾ちゃんは…居ないね」


恐る恐る、ドアを開けて部屋の中を確認する。部屋の中は、俺達が出ていった時のまま。


俺が逃げる時本棚に方をぶつけたからか、本が散らばってるけど。


「いいよ、入ってきて」

「おじゃましまーす。あー、本が散らばってる。適当にしまっちゃって…」


部屋に入ってきて、落ちた本を回収し始めた忍さんの動きが止まる。忍さんの指先を見ると、そこにあるのは古のグラビア雑誌。


「か、梶谷くん、これなに?」


手をふるわせながら、古の雑誌をこちらに向ける。


「違うからね!それ、俺のじゃなくて父さんのだから」

「そんな、否定しなくたって。梶谷くんも男の子だもんね」

「いやいや、それ明らか古いでしょ」

「でも、梶谷くんが古い雑誌を集めるのが趣味な可能性だって、否定できないし」


どんな趣味だよ古いグラビア雑誌集めるって。いるには、居るんだろうけど、俺はグラビアは好みじゃない。


「確かに、読もうとはしてたけど、俺のじゃないから」

「読もうとはしてたんだね…あ、えっと…わ、私の以外の女の子に、目移りしちゃめっ!だからね。……」

「恥ずかしいなら、言わないでよ」


何を思いついたかと思えば、聞いてて俺も少し恥ずかしくなるようなことを言った忍さん。言った本人は、恥ずかしくて顔を赤くして下を見ている。


「と、とりあえずこれは禁止!読むなら私も読む」

「それ、忍さんが読みたいだけなんじゃ…」

「ち、違うから」


まあ、忍さんが帰ってから読もうかな。


「ていうか、私結構汗をかいちゃった」

「そういえば、俺も」


全力疾走に、緊張のあるかくれんぼ。さすがに、普通に運動した時ぐらいの汗をかいた。


「風呂入る?」

「い、一緒に!?」

「違うよ!」


やっぱ、忍さんって少しムッツリ気味だよな。


「どっち先でもいいけど、忍さん入りたいならいいよ。多分湯船はぬるいだろうから、入りたいなら、沸かし直すし」

「それなら、お願いしてもいいかな。あ、でも服が」


そういえば、駅に置いてあるらしい忍さんの荷物回収するの忘れてたな。


「いいよ、俺の貸すから」

「梶谷くんの、彼シャツ!?」


行為の名称間違ってないんだけど、本人ストーカーなのが、雰囲気をぶち壊すな。



「これが、シャンプーでこれがボディーソープね。じゃあごゆっくり」

「いろいろありがとね」


風呂を沸かしてら、忍さんに風呂の説明をしてから脱衣所から出る。あとは、服を置いて終わりだな。


「忍さん入るよ」


返答は帰ってこないということは、風呂の中にいるんだろう。


「忍さん、ここに服とビニール袋置いとくから、後で脱いだやつ入れといて」

「何から何までありがとね、梶谷くん」


まてよ、脱いだ服もしかして忍さん下着が…


「梶谷くん、その…下着見たいなら見るのはいいんだけど…汚さないでね」

「そ、そんなことしないって」


さすがに汚しはしないけど、忍さんに読まれていたらしい。見るのはやめておこう。


てか、忍さん下着見られるのはいいっちゃいいんだな。



「いいお湯でした」

「それは何より」


彼シャツ姿の忍さんが、部屋に戻ってきた。ドライヤーは使わなかったのか、髪は濡れている。まあ、それが良いかもというのは否定できない。


「俺も入るから、何もしないでね」

「さすがに何もしないよ」


忍さん何もしないは、今までの経験からか、信頼があるにはあるな。



「ただいま戻りました〜。なにしてんの?」


俺も風呂に入り終わってから、部屋に戻ると忍さんが何やら分厚い本を見ている。


「暇だったから、本棚から1冊参考書取って見てたの」

「勤勉だね」


雑誌にしか目がいかなかったけど、本棚をよく見てみると参考書の量が多いな。父さんもしや、勉強オタクだったのかな。


「でも見てよ、これ結構わかりやすいの」

「ほんとだ」


忍さんの読んでいる参考書を見てみると、計算の解説には途中式が細かく書かれていて、さらにこの問題のポイントの説明文が、超絶分かりやすく書かれている。


「すごいねこれ、そこそこ前のものなのに」

「でも、そこの本棚呪われてるらしいけどね」

「え…」

「あの、雑誌隠すための嘘だけど」

「なんだ、びっくりした」


こっちも、あの嘘信じるとは少しびっくりした。忍さんはよく本読むし、そういう呪いとかは結構寛容なのかも。


「逆にここまで勤勉というか、真面目そうなのにあの雑誌はなんなんだろうね」

「さあ、あれなんじゃない?人生を捧げることを決めた雑誌みたいな」

「そんなに、凄い内容ってこと!?」


俺の正答率の低い考察聞いて、興奮しないで欲しいんだけど。グラビア雑誌はよくわかんないけど、そこまで過激じゃないだろうし。


「はい、グラビアどうこうは置いといて、寝ようか。時間もそこそこ遅いし」

「そうだね、走って疲れたし」

「いや、分けるよ」


俺が寝ようと言うと何食わぬ顔で、ベッドの中に入る忍さん。


「でも、前回一緒に寝たし。それに布団敷くとおばあ様方が来たとき、怪しまれるよ?」

「そういわれると…」


怪しまれるというよりかは、俺にイマジナリーフレンドがいるんじゃないかと心配されそう。


「てじょ、だから、一緒に寝よ?」

「わかった、もういいいや」

「やったー!」


もう考えるのはやめよう、疲れた。それに忍さんは俺に何もしないだろうし。


「電気消すよ」


しゃあなしで、忍さんをベッドに連れ込んで、昔ながらのスイッチを押して部屋の電気を消す。


ほんとに疲れた。ベッドに入ると、今日の分の疲れが一気にやってきた。


「梶谷くん、流石に…密着すると暑いね」


頭に入れてなかったけど、父さんの元ベッドは、俺のやつより小さいせいで、忍さんと密着する形になっている。


密着しているから、忍さんの体温、体の柔らかさが背中にダイレクトで伝わる。それに忍さんは、下をつけていないのか、ほどほどの大きさの胸の柔らかさが…


寝れん!


「忍さんもうちょい奥いけないの?」

「ここが限界かな。後ろ壁だし」


いつもなら、ふいうちとかでそんなに緊張はないんだけど。今回は綾ちゃんのこともあるし、ノーマル添い寝のせいで緊張感が強い。


「流石に添い寝は緊張しちゃうね。前回は大丈夫だったのに」


それは俺が一番聞きたい。忍さんこういうの苦手そうなのに、よく前回はできたな。


「私心臓バクバクだよ。ほら」


俺の背中に胸を押し当て、心臓の鼓動を示すほぼ


俺も心拍上がってるからほぼわかんない。


「どうしたの急にたちあがって」

「布団、敷く」

「急、だね」


深くは言わずカ立ち上がって、部屋を出ようとドアに手をかける。理性を抑えるのもあって、言葉が少しカタコト気味になってしまった。


「一言で終わらせるけど、男性的力の問題」

「ん?あ、あ〜。わ、わかりました敷きましょうか」


下を見てなんとなくなっしてくれた、忍さんは敬語で布団を敷くことに了承してくれた。


「でも、布団敷いたら何か言われるんじゃ…」

「どうにか言い訳すればいいし。ていうか第一、忍さんが出る時片付ければいいでしょ」

「たしかに」


よくかんがえてみれば、それだけですむ話だった。今までの俺の苦悩は、なんだったのか。



「それじゃ、今度こそおやすみ」

「今日はありがとね」


いつもばあちゃん家で俺が寝ていたとこから、敷布団を引っ張ってきて床に敷いた。


俺はベッド、忍さん敷布団という形で睡眠に入った。ベッドの寝心地は、家のやつと大差なく普通にぐっすりと寝れそ…

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