30 愛の告白少女と夜這いガール
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「あっ優きたな。久しぶり」
「久しぶりっていうほど経ってないだろ」
夏休み開始からおおよそ2週間目、クラスの集まりで海へやってきた。
集合は高校前というわけではなく、現地集合のため、移動は各々が行うこととなっている。
「てかお前、刈谷さんと一緒とは、やるなー」
「別に約束してた訳じゃなくて、たまたま駅であっただけだけどね」
何かあった時のために少し早めに家を出たところ、たまたま最寄り駅で刈谷さんと出会い、そのままここにやってきた。
まあ、早めに出たはずなのに集合時間は、ギリギリなんだけど。
「そういや青空さんは?」
確か青空さんも参加するとは言っていたはずなんだけど。周囲を見た感じ、既に集合時間数分前なのに見当たらない。
「あー、あの子は、暑いからゆっくり来るって」
「なるほど」
そんな時間厳守なわけじゃないけど、青空さんはこういうときもマイペースだ。
「まあ、一通りきたし後の奴はほっといて行きますか」
この企画を考えた山田が指揮をとって、現状いる全員で海方向へ動き始めた。駅から海までの距離は、そこまで長くはないため、移動で疲れるみたいなことはないだろう。
「優くん海、楽しみですね」
「刈谷さん泳げるの?」
「ひどいですねー、泳ぐくらい簡単ですよ」
そういや刈谷さん、俺の部屋入るのに軽いパルクールやってるんだったな。
そう考えると、刈谷さんはぜんぜんおよげそうだ。たまに運動できるけど、カナズチみたいなの人もいるけど。
「そういう優くんは、泳げるんですか?」
「俺?俺は人並み程度かな」
「そうなんですね、教えてあげましょ…」
「遠慮しておきます」
「まだ言い切ってないのにー」
刈谷さんはほほを膨らませ、むっとした表情を見せる。だって水着で指導は、何かされる気しかしないんだもん。
「私、この日のために水着新調したのに」
「そしたら俺も新しくしたよ」
「優くん、もしかして私のために…」
「普通にサイズアウトしてたから」
「違うんですか。まあ、私も同じなんですけど」
海につくまで夜梨とだべったり、たまに後ろから刈谷さんにちょっかいを出されながら移動をした。
「おー!綺麗な景色が見えてきたな」
駅から歩くこと約15分、ようやく綺麗な海の綺麗な青色が見えてきた。
「そういや夜梨、海ですることってなんだ?」
「いまさらだな」
よくよく考えると、海でやることって泳ぐ以外でピントこない。それいがいだと、砂遊びぐらいか。
「そおだなー、ビーチフラッグとかビーチバレーじゃないか?」
「たしかに」
いわれてみればそんなのもあったな。最低何もせずパ、ラソルの下で休憩という手も…来た意味なくなるし、それはやめておこう。
「それでは、優くん私は着替えるので、またのちほど。私の水着期待していいですよ」
「80%ぐらい期待しとくよ」
「結構高いですね」
うちの高校は体育授業に水泳はないし、女子の水着を見る機会として今回は、結構な期待値を秘めている。まさか、企画の山田もこれを狙って!?
「水着になると、なお暑いな…なんだあれ」
俺は下に水着を着ていないため、近くの更衣室に入って簡単に着替えてから外に出た。
外に出ると女子更衣室付近に、男子達が固まっているではないか。
「こんなとこに全員揃って、何してんだ?」
「優、お前なぁ…」
話を聞きに行くと、夜梨が俺に向かって軽蔑に近い視線を向けてくる。そんなにそんなに大事なことやってんの?
「お前、ここで待ってればいち早く女子たちの水着が見れるだろうが!」
当たり前だろ!みたいに、力ずよく語る夜梨。
俺も同じようなこと言ってたから、強くは言えないけど、それだけのことであんな視線向けられたのか。
「おっと!最初に出てきたのは!佐藤さん!着ている水着は、綺麗な髪にあった白のワンピース!完全清楚という印象が与えられますね」
どこからともなく湧いてきた、実況の男が、最初にでてきた佐藤さんの水着を紹介する。
「そ、そんなに見ないでー。恥ずかしいから…」
佐藤さんがそんなことを言うと、男子たちは歓声を上げ大いに喜ぶ。
ここまで来ると、怖いなこの集団。てか、これを人数分やるのか、俺は暑いしパラソルの下で休憩しとこうかな。
周囲の熱意との差を感じた俺は、海の家でパラソルを借りて、遠目から水着ショーを眺めつつ、時間を潰すことにした。
「あ、なんかきた」
ぼーっとしながら、水着ショーを眺めているとスマホに通知が来たのか、バイブで1回揺れた。
そしてスマホに連絡をよこした主の名前を見ると、そこには青空と書かれている。
「いつの間に…」
(ゆうくんは今、どこにいるんだい?)
(砂浜にいるけど。青空さんは?)
(僕はここだよ)
そんな言葉の後青空さんとのトーク画面に、どこか俺よりも高い位置から撮られた、俺の後ろ姿の写真が貼られた。
「えっと、この位置だとだいたい…」
写真を頼りに、コンクリートの壁の上を見渡してみると、こっちに向かって手を振っている青空さんを見つけた。
こちらも手を振り返すと、青空さんは急いで階段を降り始めた。
「やあ〜、ゆうくん久しぶり〜」
「2週間って、久しぶりになるの?」
「僕にとっては〜、ゆうくんと会えない日が2日以上経つと、発作が起きちゃうからね〜」
そう言った青空さんは、ゆっくりと俺に抱きついて来た。
「青空さん、離れて」
「いいじゃないか〜、僕もゆうくんゲージを充電しないとやってられないから〜。あ、それとも地肌の方が良かった?」
「ちょっと青空さん!?」
地肌の方がいいかと、言った青空さんは目の前で急に着ていた服を脱ぎ始めた。
「青空さんここでそんなのは…羞恥心とか持とうよ!」
「ゆうくんは何を言ってるんだい?ほら〜、見ての通り僕は下に水着を着てるんだから〜」
目を隠していた手を退けて、青空さんを見るとたしかにレース付きの水着を着ている。
「ゆうくんはスケベだな〜」
「何も言い返せない」
少し考えればわかったことだろうに、俺の思考は結構健全なのかもしれない。
「ちなみにで聞きたいんだけど、青空さんちゃんと着替え持ってきてるよね」
俺が気になったのは、下に水着を着て来て着替えの下着を忘れる定番をしていないか気になった。
「ゆうくん、僕がそんなミスする訳ないじゃないか〜。あ〜、ゆうくんはその言葉を盾に僕の下着を…」
「出そうとしなくていいから!」
大きめの手提げカバンから、自身の下着を出そうとする青空さんを静止させる。
なんだか今日はいつも以上に、青空さんに振り回されてる気がする。
「ところで青空さん、なんで釣竿持ってんの?」
「これね〜、ここ〜海釣りできるって聞いたんだけど〜、見た感じ無理そうだね〜」
「へー、浜で海釣りできるんだ」
「今度僕と来るかい?よく調べたら、朝かららしいけど」
別に俺は朝が苦手な訳じゃないし、全然ハードルは低そう。てか、青空さんちゃんと調べずに釣竿持ってきたんだ。
「まあいつの日か」
「なんだ〜、つれないな〜」
「で、青空さん釣りできないなら何すんの?」
「さ〜?行き当たりばったりかな〜」
まあ遊びに関して計画を聞くのも、少し野暮な話かもな。実際、俺も行き当たりばったりだし。
「それか〜、僕とゆうくんでこのままこっそりここを抜け出すとかどう?」
「はいはい、魅力的魅力的ー」
「もう、僕は真剣なのに」
多分俺以外全員青空さんが来たの気づいてないから、ここを抜け出した場合、俺一人が忽然と消えたことになる気がする。
「で、さっきから気になってたんだけどあれはなんだい?」
青空さんが指さしたのは、先程から行われている水着ショー。まだ終わっていないらしく、さっきから歓声がこっちにまで聞こえてくる。
「なんか、水着ショーだって。クラスの女子の水着を見ようの回的な」
「何その回。でも良かったよ〜、遅れて来て」
「それはなぜ?」
「だって〜、最初に僕の水着を大多数の中のゆうくんじゃなくて、ゆうくん個人に見せられたんだから」
大多数の中の俺と、2人っきりの俺で何かが変わるのかは分からないけど、なんだか少し嬉しい感覚はあるな。
「ならよかったよ俺も、青空さんその水着似合ってるし」
軽い言葉をかけて、青空さんの頭の上に手を置いた。
「ゆうくんは、やっぱかっこいいな〜。別に君が見たければ、いつだって着てあげるよ〜。クラスでも外でも」
「いや、それは普通にダメでしょ。ちゃんと羞恥心持とうよ」
「やっぱり僕のは、浜で死んでるのかもね」
そんなことを言うと、にっこり笑う青空さん。正直浜で死んでるのなら、今すぐ拾って蘇生して欲しいとこではあるけど。
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