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隣の○○さんは俺に○○してくる  作者: 黒薔薇サユリ
第1章

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27 夜這いガールとストーカー少女

2/2

「か、鍵かけときや〜」


何故か大阪弁で注意をしたあと、ゆっくりと扉を開け不法侵入者(しのさん)は、立ち去ろうとし始めた。


「それじゃあ、また今度」


言葉が終わりに近づくにつれ、力を強くしていき、勢いよく扉を閉める忍さん。


「あ、逃げた。ちょっとごめん、刈谷さん捕まえてきて」

「わかりました、任せてくだい優くん」


そう言った刈谷さんは、俺の介護から外れて忍さんを追って外へ出て行った。


俺は刈谷さんの補助がないため、階段の上に一旦座ることとなった。



「ちょっと、はなしてください」

「優くん、今戻りましたよ」

「刈谷さんおかえりなさい。今そっち行き…腰が」

「梶谷くん!?」「優くん…」


刈谷さんが忍でさんをハンマーロックで、連れ帰ってきたため、出迎えようとしたところ、やはり腰が痛くその場にへたりこんでしまった。


「とりあえず、こんなもんでどうですか?」

「ありがとう刈谷さんいろいろと」


心配してくれた、刈谷さんと忍さんの肩を借りてリビングのダイニングテーブルの元まで、運んでもらって刈谷さんに湿布を貼ってもらった。


「じゃあ、私は隣に失礼して」

「それで、忍さんなんでいまさっき入ってきたの?」


4人用のテーブルで俺の対面に座る忍さんに、状況説明を求める。


「えっと、それは…」

「というか、忍さんはよく俺の家知ってたね」

「それはもちろん、梶谷くんのことつけてればわかるからね」


俺から聞いたわけでもなく、もちろんと言ってストーカー行為を肯定するのはやめて欲しいな。


「そ、それで夏休みも始まったことだし、景気づけに1回梶谷くんを見ようかと…」


そんな景気づけに1杯みたいな感覚で、ストーカー…いやこれは不法侵入なのか。


「でも、こんな遅い時間になんで?」

「えっとー。本当は、18時ぐらいにはここら辺にいて訪問しようと思ってたんだけど、アポ無しはさすがに緊張しちゃってこの時間に…」

「てことは、刈谷さんが俺の部屋に入るとこも見てたの?」


刈谷さんが俺の部屋に入ってきたのは、21時ぐらいって言ってたから、仮に忍さんがそのくらいの時間にいたなら刈谷さんが不法侵入する現場を見ていたはず。


「いや、見てないよ。私そのくらいの時間、ここら辺緊張でぶらぶらしてたから」


まあ、普通に考えて見てないか。そもそも、刈谷さんも周りみて入ってきてるだろうし。


「てか、こんな時間になるくらいなら帰ればよかったのに」

「いやー、絶対に見たいとは思ってたんだけど、どうしても勇気が出なくて。それで、このくらいなら寝てるだろうし、梶谷くんの顔見れるかなって思って。それで、さすがにないとは思ったけど玄関開けてみたら鍵が空いてて…」


そういえばそうか、俺の腰の痛みで触れてなかったけど、玄関空いてたのかいつも通り不用心すぎるな梶谷家。


「とりあえず、2人とも帰って貰えませんかね」

「でも、私はゆうくんの介護をしないと」

「湿布してるからもう大丈夫。たぶん…」


さっきから腰を固定して、痛みは感じてないから分からないけど多分恐らくきっと、痛みは引いてきているはず。


「ていうか、2人はどういう関係なの?こんな時間に梶谷くんのお家にいるなんて…」

「いや、俺たちただの友達だからね!?」


忍さんの顔が、少しばかり赤くなったので、強めに否定しておく。


「まだ、何も言ってないのにちょっと怪しい…」


忍さんに怪しまれてるけど、実際ただの友達でしかないんだよな。こんな時間に俺の家に一緒にいるのは、刈谷さんの不法侵入なわけだし。


「優来んの言う通り、ゆうくんと私はただの友達ですよ」


刈谷さんにしては珍しく、普通に弁明してくれたな。いつもなら、こじれる方に持っていくのに。


「でも、さっきはとっても気持ち良かったですよ。私なんて、声を抑えるのに必死で」

「梶谷くん!?」

「いや、ちょっとまって!だから、刈谷さん誤解を生むような発言はやめてよ」


やっぱ、刈谷さんは刈谷さんだったか。いつも通り、こじれる方に持ってかれた。


「間違ってないですよね。だってゆうくんは、その末に腰を痛めてしまって…」


少し悲しそうな声を出して、それっぽく演じる刈谷さん。


「か、梶谷くん…」


ほんとに間違ってないのがムカつく。アニメでの、勘違いシーンとしてはマッサージよくあるけど。


「いや、だからそれ違うってマッサージだからただの」

「ま、マッサージ!?」


あ、これ何言ってもダメなやつかもしれない。これは、忍さんの思考回路のせいなのか、そもそも俺達のやることが間違っていたのか。


「とりあえず、ほんとに俺と刈谷さんは何も無かったから」

「そんな、私が止めてって言っても続けてたのに…」

「一旦刈谷さんは黙ってて」


この調子だと忍さんの中で、俺が超持久力を持った男だと思われてしまう。いや、それはいいことか。


「とりあえず、この話は置いといて。2人とも帰って、送ってあげるから。忍さん家どこら辺?高校俺達と違うでしょ」


前にあった時とか、忍さんの制服はここら辺の高校の制服ではなかったはずだ。


「えっとー、私の家は…」


妙にモジモジし始めとても言いにくそうな、言動を取り始める。


「家の場所言うのいや?」

「そういう訳じゃなくて…実は私の家ここから、東方向の駅で3駅離れたところにあって…」

「東のとこ!?」


確か、東方向の駅って1駅1駅の距離が結構ある路線だったよな。となると、忍さんの家、そこそこ遠い位置にあるぞ。


「だから、徒歩ってなると結構かかっちゃうんです。ごめんなさい…」


逆に忍さんはそれを理解してて、よくこの時間までここに残ろうと思えたな。てか、こんな時間まで外で遊んでたら、親に怒られるだろ。


「でも、どうしてもゆうくんは私たちをそんなに帰したいんですか?」

「朝起きて母さん達に見つかると、面倒だから。刈谷さんも経験あるでしょ?それに、普通に考えて夜中に娘が消えるのは親が怖い」

「たしかに…」


一般的に、娘というか自分の子供が夜中、突然消えたり外に出てから帰ってこないのは、めちゃくちゃ心配するだろう。


「忍さんはどうすんの?」

「一応、友達のお家に泊まるとは言ってるから大丈夫だけど」

「それはそれで、唐突だから心配しそうだけど…まあいいや、忍さん俺の家泊まっていいよ」

「ほんとに!?」


忍さんなら刈谷さんみたいに、寝込みを襲うなんてことは無いだろうし、刈谷さんよりかは心配は無い。


「でも、絶対に始発で帰って貰うからね」

「それはもちろん。梶谷くんの家に泊まるだけでも、やばいんだから…」


そんなことを言っている忍さんの顔は、どんどんニヤけていく。


忍さんの中で、俺はどんな存在として扱われてるんだ。


「てことは、私も泊まっていいんですよね」

「なんでそうなるの」

「私もお家、遠いですしー」

「遠くないでしょ、歩いて送れる距離なんだから」


俺の家から刈谷さんの家までの距離は、おおよそ20分そこまで遠いという距離では無い。


「まあまあ、いいじゃないですか。私たち2人でマッサージしてあげますから」

「いいよ別にまたこうなりかねないし」

「ふ、2人でマッサージ!?」


あ、そうか忍さんの疑い、まだはれてないんだった。


「わかった、もういいよ刈谷さんも。でも、忍さんと同じタイミングで帰ってもらうからね」

「さすがにわかってますって」

「あとは、刈谷さんの靴を回収してからちゃんと戸締りして寝るか」


外に放置されている、刈谷さんの靴を回収してからしっかり玄関の鍵を閉め、2人の肩を借りて俺の部屋へ戻った。


「どうやって寝る?」

「そうですね、とりあえず私と優くんが一緒に寝るのは確定として…」

「なわけないでしょ。誰が下で寝るかの話」


敷布団に関しては後で出すとして、誰がベッドで寝るかの話だ。


「優くん腰痛いんですよね。それならベッドでいいですよ、そもそもここ優くんの部屋ですし」

「そうだよ、梶谷くん腰痛いならちゃんとしたとこで寝ないと」

「それなら、俺はベッドで寝るけど。敷布団はクローゼットの中にあるから、2人で出して貰ってい?」


俺の部屋に敷布団2枚は、少し狭いかもしれないけどそれに関しては、我慢してもらおう。というか、我慢してもらわないと困る。


「それじゃあ2人ともおやすみ。何もしないでよ」

「そんなに信用ありませんか?」

「そりゃそうでしょ」

「手厳しい」


正直今から寝たところで、寝れるのは2、3時間程度だろうけれど、少しでも睡眠時間を取れるなら、取った方がいいだろうし、早く寝よう。



目にカーテンの隙間から、漏れている太陽の光が入ってきて眩しい。それとは別で、冷房が着いているはずのに暑い。


「あっつ…2人ともなにしてんの!?」


暑いと思って周りを見てみると、そこには俺の両脇で眠る刈谷さんと忍さんの姿があった。


「梶谷くんおはよう…あ、ごめんなさい!ごめんなさい!昨日の夜どうしても眠れなくって、それで梶谷くんの横に行ったとん眠気が来ちゃって」


なぜ眠れなくて俺の横に来るのかは、わからんけどとりあえずそれはおいといて。


「刈谷さん、刈谷さんってば」

「優…くん。おはよう、ございます…」


一応起きてはいるみたいだけど、少し寝ぼけているのかいつもとは違う、甘めの笑顔を俺に向けてくる刈谷さん。


「なんで横にいるの?」

「冷房がちょくに当たって寒くって…」


なるほど、なんとも言えない理由で、2人が俺の横に来たのはなんとなくわかった。


「もういいや、とりあえず2人とも帰るよ」

「ところで梶谷くん腰は?」

「そういえば、治ってるね」

「そ、それじゃあ朝からま、マッサージでもする?」


少しだけ顔を赤らめながら、恐らくいかがわしい方のマッサージを提案する忍さん。ていうか、忍さんもしかしてムッツリか?


「いやだから、ほんとにあれは健全なマッサージなんだって。もう、早く帰るよ」


軽く着替えて、覚醒しきっていない刈谷さんを引っ張りながら外へ出た。


「近いし先に刈谷さん送るよ」

「ありがとうございます」

「そういえば、刈谷さん寒かったなら冷房消せばよかったのに」


別にエアコンのリモコン自体、取れない場所にあった訳でもなく、分かりにくい場所にあった訳でもないのに。


「いやー、そうしようとしたんですけど。しようとした時、忍さんが優くんと一緒に寝てるの見て、私もそれで暖まろうって思いまして」

「忍さん…」

「ごめんなさいごめんなさい」


そもそも、俺の部屋のエアコンは、俺の寝るベッドの真上にあって敷布団等で寝る人に優しくない。



「それでは、優くんもまた来週ぐらいに」

「じゃあね、刈谷さん」


刈谷さんを家に届けてから、忍さんが使って来たと言う東の方の駅へ進み始めた。


「さっき来週またって、言ってたけど約束してるの?あんなに、嫌な感じ出してるのに」

「それね、クラスの集まり?みたいなのやるんだよ。なんか、海行こうって」


夏休み前から、全員がずっと海行こうと言っていて、今回はそれがかなった形になる。


「へー、そうなんだね」

「ストーカーしないでよ」

「酷い」


今までのを考えれば、そう言われてもおかしくないだろ。


「てか、ストーカーで思い出したけど。この前とかどうやって来てたの?」


忍さんの学校がどこら辺にあるのかは知らないけど、忍さんの学校が忍さん宅周辺だとすると、この前の商店街でストーカーとか結構難しいと思うんだけど。


「学校は、家からこっち方向に2駅だったから、頑張れば梶谷くんのストーカーができるの」

「たしかに、それならギリか…」


にしたって、下校中の俺を見つけるのは至難の業な気がするんだけど。もしかして、発信機とか付けられてないよね。



「じゃあね、忍さん今度からは来るにしてもちゃんとした時間にね」

「さすがに、わかってるよ!じゃあね梶谷くん」


刈谷さんと忍さんをそれぞれ送り届け、俺は1人ほとんど誰もいない街中を歩いて帰っていく。



「ただいま」

「あら、優おかえり。こんな早い時間にどこ行ってたの」

「ちょっと、コンビニでアイス買ってきた。これ、冷凍庫入れといて。俺は昨日ほとんど寝れなかったから、寝る」

「なによ、適当ね。夏休みだからって、夜更かしするからでしょ」


母さんの言うことはごもっともだけど、半分の原因はあの2人なんだよな。もう半分は、俺と福鳥さんのせいだけど。

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