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隣の○○さんは俺に○○してくる  作者: 黒薔薇サユリ
第1章

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25 愛の告白少女とヤンキー少女

1/1

夏休みまで残すところあと3日という今日。俺は今、炎天下の中体育をやらされています。


別に運動は嫌いという訳じゃないんだけど、こうも暑いと全くやる気が出てこない。


その割に人によっては、元気に動いてるし、何故こうも活力に差があるんだ。


「てか、今日暑すぎ。しかもこの気温で、外バレーはもっとやばいだろ」


試合が終わって、木の下の日陰に座り込んだ夜梨が、汗を拭きながら、愚痴を漏らしている。


「でも体育館でやっても、蒸し暑いだけじゃない?」

「それもそうなんだよなー。午前授業で、体育ありは、きついぜ」

「梶谷さん!ちょっと来て」


夜梨と日陰で休憩しながら、この暑さで体育はバカだ、的な話をしていたら、突然先生に呼び出された。


「お前なんかしたの?しかも、あっち女子の方だし」

「いや何もやってないから」


呼び出されたこと自体に何も覚えは無いし、そもそも普通に生活していれば、呼び出されることなんてそうそうない。


「どうかしましたか?」

「いや、そんな大事なことじゃないんだけど」


申し訳なさそうな顔をした、先生が視線を俺から地面方向に向けたため、俺も同じところに視線を下に合わせた。


視線を向けた先にいたのは、膝から血を流している青空さんが居た。


とてつもなく嫌なような、嫌じゃないような予感がする。


「さあ!ゆうくん僕を運んで」


俺が青空さんを視界に入れた瞬間、ハグを求めるように、両手を俺に向ける青空さん。


「これはどういう…」

「いやなんていうかね、青空さんボールを取りに行ったら、派手に転んじゃったみたいで。保健委員の子に連れて行ってもらおうとしたんだけど…」

「僕は〜ゆうくん以外に運ばれたくないんだよ〜」

「こんな感じで駄々こね始めちゃったから。だから、梶谷さん運んであげて?」


なんだろうか、俺が先に言いたいのは膝を怪我したくらいなら、ギリ自分で歩けるだろ、というのとなぜ、青空さんのわがままがまかり通るんだということだ。


「わかりました、運びましょう」

「じゃあお願いね梶谷さん」

「ゆうくんおんぶ」


まあ保健室なら、冷房もきいてて涼しいだろうし、青空さんを運ぶついでに軽く涼んでこよう。


「それじゃあ、青空さん行くよ」

「は〜い頑張ってね〜ゆうくん」


怪我をしている青空さんを、おんぶして暑いながらも保健室へ向かうこととなった。


「それにしても、物は試しだね〜」

「もしかして、本心じゃなかったの?」

「いや〜あわよくばでやってみたんだけど〜、思いのほか上手くいってね〜、僕もびっくりだよ〜」


つまり青空さんは、怪我をして適当に俺の名前を叫んだら、まかり通ったということだろうか。先生、もっと強気になってくれ。


「にしても〜ゆうくんの大きな背中に担がれるなんて、僕惚れちゃうよ〜」

「はいはい、そうですね」


てか、そんな洒落を言う暇があるなら歩いて欲しい。

校庭から校舎までの距離がそこそこあるせいで、しばらく、この密着状態の暑さに耐えながら歩かなきゃいけないから。


「ていうか、青空さん派手に転ぶってなにがあったの」

「それは、ただ地面に落ちてるボールに気づかなくて〜」

「それまたドジな」


バレーボールって、そこまで小さくないだろうに、それに気づかず転ぶだなんて。


「しょうじゃないか〜、暑いんだから。頭が回らないんだよ〜」

「俺は今、すごい暑いよ」


まじで、体が密着してるから暑くてたまらん。一刻も早く保健室、最低でも校舎の中に入りたい。


「でもいいじゃないか〜、ほら女の子の体だよ〜」


そういうと、わざとらしく上半身を揺らして青空さんの、そこまで大きいとは言えない()()を押し付けてくる。


「ほら〜どうだい最高でしょー」

「マッジで最高!人生の夢が1つ叶ったわ!」

「うわ、ゆうくん…」

「引くならやらないでよ!」


クソ、乗っかっただけでめっちゃ引かれた。まじで今のところ、1個しかいいことがない。



「やっと着いた」


密着状態の暑さに耐えながら歩き続けて、ようやく後者の前にまで到着した。


「ゆうくん疲れてるね〜」

「そりゃ、人担いで歩くのは結構体力使うって」


そもそも、大して運動しない帰宅部が人を担ぐのは結構キツイ。幸い、青空さんの体重がそこまで重くなかったのが救いだった。


「いや〜ほんとにお疲れ様。そんな君には、後でジュースでも奢ってあげよ〜」

「それはどうも」


正直、この疲労感でジュース1本は物足りない気もするけど。


「お、優じゃねえか。こんなとこで何してんだ、サボりか?」

「違いますよ、見ての通り搬送中です」


校舎に入っすぐ、いつも通り授業をサボっているであろう初愛佳さんに鉢合わせした。


「へー、でその後ろのやつ誰だよ優の妹?」

「僕とゆうくんは、家族だけど僕がゆうくんの妹なわけないだろ〜」

「ちょっと、青空さん暴れないで、落とすから」


初愛佳さんが適当な推察を立てると、担いでる青空さんが俺の後ろでじたばた暴れ始めた。


「言うなら、僕がお姉さんだろ〜」


あ、俺と青空さんの双子説は否定しないんだ。


「違うだろ、青空。俺たちは()()、だろ」

「は?ふう…ふ?」

「ゆうくん、ついに僕と結ばれる決心を…」


今回は俺も青空さんに乗っかって、初愛佳さんをからかうことにした。


適当に青空さんの言いそうなことを言うと、初愛佳さんが驚きのあまり、手に持っていた牛乳パックをするりと落とした。逆に青空さんは、俺に強めに抱きついてきた。


「ゆ、優お前許嫁でもいたのか?」

「許嫁って訳じゃないですけど、将来を誓い合った仲、みたいな感じですかね」

「ゆうくん、僕は嬉しいよ」


青空さんが俺の体を抱きしめるチカラが、さらに強くなった。ちょっと苦しい。


「そ、そうなのか優お幸せにな…」


牛乳パックを置いて、そのまま立ち去ろうとする初愛佳さん。さすがに、ネタばらしするか。この話をずっと残してても、面倒なことになりそうだし。


「なーんて、冗談ですよ」

「は?冗談?冗談って言ったか今」


俺がネタばらしをすると、すご勢いでこっちの方を振り返る初愛佳さん。


「言いましたよ、俺と青空さんがそんなに仲がいい訳ないじゃないですか」

「いや〜、僕はそう思ってるけどね〜」

「なんだ、冗談か。冗談かよ、びっくりさせんなよ!」


冗談だとわかった初愛佳さんは、俺のとこに近づいてきて軽く肩を小突いてから、牛乳を拾った。


「じゃあ、そいつはなんなんだよ」

「あー、青空さんはただの趣味仲間になるんでしょうかね」


正直今のところ、俺が釣りを趣味と言っていいのか結構曖昧な状態にあるせいで、青空さんとの関係性は友達か、趣味仲間のどっちを言えばわからない状況にある。


「で、搬送中ってことは、保健室だよな。いま、先生いないぞ」

「そうなんですか、まあ膝の怪我くらいなら自分達でできそうですし、多分大丈夫ですね」


青空さんの怪我は見た感じ、めちゃくちゃ重い、みたいな感じじゃないし、適当に消毒と絆創膏で大丈夫だろう。


「それじゃあ、青空さん。そろそろ行こうか」

「俺も着いてってやるよ、どうせ暇だし」


なんやかんやありつつ。普通に暇らしい初愛佳さんも加わって、下駄箱から左に曲がってすぐにある保健室へ入った。


「絆創膏と消毒液があれば、大丈夫そうなんですけど。どこにありますかね」


青空さんをベットの上に下ろして、処置の道具がありそうな棚を漁り、絆創膏などを初愛佳さんと探す。


「お、これじゃね」

「ほんとだ、ありがとうございます初愛佳さん」


初愛佳さんが道具一式を見つけてくれたので、白い球に消毒液を湿らて青空さんの治療を始めた。


「少し痛いかもですよー」

「ていうか〜ゆうくん。僕は感心しないな〜」

「なにが?」

「なにって、君がヤンキーと仲良くしてることだよ〜」


それを本人がいる目の前で言うのか。デリカシーのない。


「て言われても、初愛佳さんは普通にいい人で、害はないからなぁ」

「でも、その子あれでしょ〜3日目ぐらいで出席停止食らった」


さすがの青空さんでも、初愛佳さんのその噂のことは知ってるんだ。


「そうだけど、初愛佳さんは心優しい人だから、それも何かしら理由があるんだよ。はい終わり」


初愛佳さんのことについて、話す片手間で青空さんの膝の治療が終了した。


「それに、初愛佳さんはもしかしたら、俺よりもあたまがいい」

「何その、ハイスペックヤンキー」

「それに、初愛佳さんが今サボってるのは回りへの配慮だから、ですよね初愛佳さん」


そう言って後ろを振り向くと、手の甲で口元を隠している初愛佳さんが居た。


「どうかしましたか?」

「いや、何でもない」

「にしてもほんとにここは涼しいね〜、僕ここに寝転んだら寝ちゃい…そう…だよ〜」


そう言いながら、横になった青空さんはゆっくりと睡眠の世界に落ちていった。これに関しては、寝つきがいいのレベルを超えてる気がする。


「優、こいつ寝ちまったけどどうすんだ?」

「起こしてもいいですけど、正直面倒なんでこのまま寝かしておきましょうか」

「いいのかよ、そんなに適当で」


別に青空さんの寝顔は、この間と変わらず気持ちよさそうだしこのままでいいだろ。


「とりあえず、初愛佳さん青空さんのこと見ててもらっていいですか?」

「俺?」

「初愛佳さんなら安心ですし。何より、暇そうなので」

「暇って…まあ、いいけどよぉ」


めんどくさそうながらも、普通に引き受けてくれる初愛佳さん。やっぱり優しいな。


「じゃあ一応、これを」

「これは?」

「俺のLIMEですね、交換しましょう」


一応と思って持ってきていた、スマホに俺のLIMEアカウントのQRコードを写してを初愛佳さんに見せる。


「ま、まあいいけど」


初愛佳さんがスマホで、俺のQRコードを読み取ったことにより、俺は初愛佳さんの連絡先を入手した。


「それじゃ、何も無いとは思いますけど何かあったら連絡くださいそれでは」


初愛佳さんに軽く伝言だけして、急いで保健室から脱出した。まあ青空さんに関しては、適当に足を冷やしてるとでも言っておけば通るだろう。


(優の連絡先交換ゲットしちゃった)


優が去った後の保健室で、何も話していない優とのトーク画面を見て心中で感嘆の声を出している。


(ある意味、これはこの子…確か青空ちゃんだっけ?のおかげかな)


「君〜ゆうくんと連絡先交換したのかい?」

「え、なんで起きて…」


初愛佳がスマホを見ていると、さっき寝たばかりの青空が起きていて、初愛佳の肩越しにスマホの画面を見られている。


「いや〜なんだか、ゆうくんが居なくなった気がしてね〜、ほんとに居ないみたいだけど」


(なにその、野生の勘は)


「でもいいな〜、ゆうくんの連絡先。ぼく持ってないや」

「そうなんだな、結構仲良さげに見えたけど」

「別にクラスLIMEから追加はできるから、持ってるも同然か」


他クラスでクラスLIMEには入っていない、初愛佳と違って簡単に優の連絡先を入手出来る青空だった。


まあ、初愛佳は自分のクラスのクラスLIMEにも、入っていないのだけれど。


「ところで、ゆうくんはなんか言ってたかい?」

「確か、面倒だからそのまま寝かしつけておくって」

「ゆうくんもゆうくんだな〜、まあいいや僕はこのまま寝るよ〜」

「戻んなくていいのか?」

「どうせ、ゆうくんが上手く言ってくれてるだろうし〜、戻ってもしっかり動けないしね〜」


青空は今の保健室の涼しさに慣れてしまい、もう一度外に出る気力がなかった。


「初愛佳ちゃんも〜寝るかい?僕と添い寝」


今回は全身をベッドにあげて、自分の横をポンポンと叩く青空。


「いいよ、俺は次の授業出なきゃだし」

「まあまあそう言わずに〜アラームセットすればいいじゃないか〜。それに寝れれば、次の授業万全な状態で受けれるし〜」


一緒に寝ることを渋る初愛佳に、甘い言葉をかけて誘惑し始めた青空。


「ま、まあそれもそうだな俺も寝るか」


結構あっさり誘惑に負けた初愛佳は、靴を脱いで何故か青空と同じベッドに入った。


「わーい、暖かい」

「急に抱きつくなよ」


初愛佳がベッドに入るなり、初愛佳に正面から抱きつく青空。


「それに、寒いならあるだろ掛け布団」

「いや〜2人で掛け布団は暑いから」

「それなら、俺いらないだろ」

「それも違うんだな〜、君のこれは気持ちがいいし、それに暖かいし、体温交換が1番効果的なわけだよ〜」


そう説明しながら、初愛佳の胸に顔を埋めて自分が1番寝やすい位置を探し始める青空。


「最初からそれが狙いなんじゃ…」

「まあいいじゃないか〜、僕は寝るから君もアラームセットして寝るんだね〜」


そう言った青空は、目を瞑るといつも通りのハイスピード睡眠で睡眠状態に移行してしまった。


(寝ちまったよ。まあ俺も寝るか)


スマホのアラームを授業終わり5分前にセットして、目を瞑りゆっくり睡眠モードに移行していく。



初愛佳のスマホのスヌーズと共に保健室中に、授業終わりのチャイムが鳴り響く。


「失礼しまーす」


そんな音がなり終わったあと、制服姿の優が静かに扉を開いて保健室に戻ってきた。


「初愛佳さん…は居ないのか時間で帰っちゃったかな。とりあえず青空さん起こすか」


保健室に来た優は、先程青空の寝ていたベッドに近づいてカーテンを開いた。


「2人とも何してんだ。青空さんに至っては、抱き枕みたいに使ってるし」


優の目に写った光景は、青空が初愛佳の腰に手を回して胸に顔を埋めて寝ている、よく分からない光景が目に写った。


「てか、俺なんかよりこっちの方がよっぽど姉妹っぽいけどな、身長差的にも」


2人の寝る足の位置は、同じところにあるはずのに青空の頭は初愛佳の胸の位置にある。


別に青空の身長は低いという訳では無い。なんなら平均ぐらいだ、ただ初愛佳の身長が平均に比べて高いという話なだけだ。


「とりあえず起こさないとな。特に初愛佳さんは絶対に。2人とも起きてください」


寝る2人の体を揺さぶって、2人の睡眠状態を覚醒状態まで持っていこうとする。


「…ゆう…おはよ」

「初愛佳さんもう次の授業始まりますよ、初愛佳さん次は出るんですよね」


優に起こされ、先に起きたのは初愛佳。まだ少し寝ぼけてはいるものの、普通に起き上がりベッドの上に座り込む。


「青空さんも、着替えないといけないんだから早く」

「ん?なんだよ〜ゆうくん、寝込みでも襲うのかい?」

「違うよ、早くしないと次の授業始まるから起こしに来たんだよ」


次に起きた青空は、洒落を言うくらいには覚醒しているらしく起き上がって、すぐに優の横に立った。


「それじゃー、行こうか〜」

「それでは、初愛佳さんも次の授業頑張ってくださいね」

「ん、じゃあな」

「さあ〜ゆうくん僕の着替えを手伝ってくれたまえ」

「青空さんは羞恥心をどこかに捨ててきたの」

「酷いな〜、まあ浜で死んでるかもだけどね〜」


2人が仲良く保健室を出ていくさなか、ベットに座る初愛佳は1人、目を擦りながらこう思った。


(眠い)

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