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105 貰ったチョコ開封の儀

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「ふーむ、どれからいただかこうか」


結果6個の貰ったチョコを、自室の床に広げ、吟味を行う。嫌いなものを先に食べる、と言うなら初愛佳さんのを先にいただくのがいいか……


「よし、それでいこう。じゃあ、初愛佳さんいただきます!」


神に祈るように、おでこに初愛佳さんから貰ったチョコをあて、封を開ける。


嫌いなものと言ってしまったけれど、佐藤さん監修なわけだし、味は保証されてるも同然なんだよな。


「あっっま!」


初愛佳さんが作ってくれたのは、おそらくトリュフチョコ。食べてみたけど、チョコとは思えないレベルの甘さ。


市販のミルクチョコを余裕で、超える甘さだ。食べれなくは無いけど、甘い。佐藤さん監修のはずなのに、味が狂ってる。なにをしたんだ、初愛佳さん。


「こうなったら、次は佐藤さんのだ」


初愛佳さんのを食べてから、ほぼやけのような感じで、佐藤さんのチョコをとって初愛佳さんと同じ、動きをしてから封を開ける。


案の定、佐藤さんのチョコも初愛佳さんと同じ、おそらくトリュフチョコ。


「いただきます。美味いな」


見た目的には、初愛佳さんのと遜色ない佐藤さんのチョコを口に入れると、味は優しい甘さで舌が甘い優しさで包まれるような感覚。


なんで、チョコ単体でこの味を再現できるのか、疑問すぎるけど、なんとも美味しい。


この味は佐藤さんの、性格が反映されてるのかってくらい、優しい味だ。


「うーん、美味しい。初愛佳さんのも、不味いわけじゃないけど、味がえぐいからな」


何となく、初愛佳さんのチョコはうまく溶けるかわかんないけど、ホットミルクにでも入れて食べよう。それなら、味の塩梅も取れるはずだ。


「それはそうとして、普通に牛乳のも」


チョコを食べる時は、何となく牛乳が1番あうと思うし。ホットミルク作るついでで、冷えた牛乳を取りに行こう。



「やっぱいけるな」


とりあえずでホットミルク作ってみたけど、上手く初愛佳さんのチョコも溶けたし、いい感じに塩梅もとれてる。


とりあえず、今日は青空さんのチョコを最後に一旦区切って、残りは冷蔵庫に入れて明日明後日で、わけて食べよう。鼻血は出したくないし。


「優!入るわよ、どうせ今年は2、3個しかチョコ貰えてないんだろうし、私がチョコ――」

「いつも言ってるけど、急に入ってくるなよ。びっくりするし」


チョコを冷蔵庫にしまうため、広げたチョコをまとめていると、由乃が扉を思いっきり開いて登場した。


「あんた、貰い過ぎじゃない?」

「そうだな、今年は多めかも。去年は、結果2個だったし」


それに比べて、今年は6個ときた豊作も豊作だ。しかも、今1個増えて7個になるし。


ちなみに、去年の2個は石橋さんと由乃ので2個だ。もちろん、母さんのは除外している。


「よかったら、どれか食べるか?」

「いいの?あんたが、貰ったものなんでしょ?」


まあ、それを言われると相手に対して不誠実だ、とかそう言う感じにはなるけど、如何せん量が多いからな。


「今年は多いから、由乃におすそ分けしてあげようかと。それに大半義理だからな」


義理とは言っても、ほとんどが手作りだから、それはそれで怒られるかもだけど。


「そう、それなら貰おうかしら。そんなことより、大半が義理ってことは、そこに本命交じってるってことよね」

「いや、それは言葉の綾であって、本命は多分ないという感じでして」

「焦るとさらに怪しくなるわよ」

「う……」


て言っても、貰った本命は刈谷さんと石橋さんだけだし、刈谷さんと言えば済む話ではあるか。


「まあ、いいわ。とりあえず、1個貰うわよ」

「お、おう。持っててくれ」


一旦まとめていたチョコを、由乃への年貢かのように広げる。


「どれにしようかな。じゃあ、これで」

「それにすんのか」

「なに、悪い」


由乃が選んだチョコに関して、軽く口を出したら、強めの語気で返された。


「別に、そういう訳じゃないんだけど……」


俺が口を出したいのは、由乃が選んだチョコがこの中で1番、包装がしっかりしている石橋さんのチョコだからだ。


石橋さんの反応的に、何かあるんだろうけど、何があるかわわからないから、心構えはできても少し不安がある。


「ならいいでしょ、それじゃあ、これ私のチョコ感謝してよね」


そのまま石橋さんのチョコと、由乃のチョコをトレードして部屋を出ていこうとする由乃。


「ちょっと、待って。ここで食べをてかない?」


石橋さんのチョコを食べて、俺の目が届く範囲外で変なことになられても困るし、石橋さんのチョコを食べるなら、ここで食べて欲しい。


「別にいいけど」

「そうか、よかったじゃあ牛乳持ってくるから。ベッドの上にでも座って待ってて」


必死の思いで、由乃のことを引き止めて。俺は、牛乳を取りに1階へ降りた。


「お兄、おかえり」

「ただいま、優來」


牛乳を取りにリビングに行くと、俺が帰った時にはいなかった優來が、ソファの上でゆっくりしていた。


「優來は完全に、ゆったりモードだな」

「今日、はキビキビしてた」

「そうか、何をしてたかわかんないけど、頑張ったな」


基本ゆっくりの優來が、キビキビしていたということは、何かしら頑張ったんだろう。ということで、とりあえず頭を撫でておいた。


「お兄、今日なんの日」

「今日か?何の変哲もない日だと思うけど……」


こういう時、バレンタインを気にしている、というのは彼女なしイコール年齢の男にとって、あまりいいものではない、と思うから。こういうのは、スカしておくのが基本だ、多分。


「そう、なら、いい……」


俺がとりあえずでスカしたところ、優來の機嫌が明らかに不機嫌になってしまった。


ふむ、選択ミスとはまさにこの事か。


「ま、まあ優來。今更だけど合格発表まで、ゆっくりしな、何があるかわかんないしさ」

「お兄も、ゆっくり」


少し不機嫌になった優來との話を、無理やり方向転換してから、話を区切って俺は由乃用の牛乳をコップに注いだ。


「お兄。後で、部屋、行っていい?」

「別に、夜じゃなきゃいつ来てもいいけど」


わざわざ、部屋に来ていいか聞くって、何か大事な話でもあんのかな。


「ありがとう……後で」

「お、おう後で」


優來が俺の部屋に何をしに来るのか、不思議で気になるけど、とりあえず部屋に戻るか。由乃も待たせすぎたし。

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