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異世界マイフレンド  作者: ゆう
メインストーリー
99/190

デブ活と 行方

 「かーたん、トイレに行ってけっこう経ったよね?」


 「あぁ…、さすがにまだ帰ってきてないのは遅すぎる気が…」


 母さんがこの場を離れてから、5分…、下手したら10分は経つかもしれない。なのにまだ帰ってきてない。さすがにそれはおかしい…。


 まるで、トイレに行ってないんじゃないか…、そう勘繰りたくなるほどに…。


 トイレに行ってない…?


 「ねぇ、とーたん…」


 「な、なんだ?」


 「もしかしてかーたん、トイレに行ってないんじゃ…」


 「トイレに…、!!!」


 俺の言葉で父さんが何か気づいたみたいだ。父さんの顔が戸惑いの色から驚いた顔…、そして苦悩に満ちた顔へと段々と変化していく。


 もしかしたら、父さんの方は母さんの行き先が分かったのかもしれない。


 一体、母さんはどこに…


 俺が母さんの行き先を考えてると、苦い顔した父さんから声が聞こえてきた。


 「母さん…、どっちに歩いて行った?」


 どっちって…


 「!!!」


 俺は父さんの言葉で思い出した。


 母さんがトイレの方になんて向かったんじゃなく、たしか台所の方に…


 「台所…」


 「たぶんな…」


 俺と父さんは見つめ合ってた。ただこの時、父さんだけじゃなく、たぶん俺も悲しい顔をしていたんだと思う。




 俺と父さんは、二人で台所へと向かう。


 「「!!!」」


 そして、見つけてしまった。悲しいモンスターを…。


 バクッバクッバクッ


 俺と父さんの目の前には、床に大量のお菓子を広げて、それを両手で無心に貪る母さんがいた。


 お菓子禁止という縛りのせいで、きっと母さんの中の枷が外れてしまったのだろう。まだルールが制定されてから、ほとんど時間は経ってないけど。


 「「………」」


 目の前の光景のせいで、俺と父さんからはまったく声が出てこない。


 バクッバクッバクッ


 ただそんな時でも、目の前のモンスターが餌を貪っている。


 あぁ…、お菓子禁止というルールのせいで、母さんがこんなになってしまった。可哀想に…


 可哀想か?ただ、欲に奔放なだけのような…


 まぁ、いいや。とりあえずは誰かがこれを止めないといけない。そしてそれは、息子の役目じゃなく、きっと旦那の役目だろう。


 「とーたん、頑張って♪」


 「俺かっ!?」


 「違うの…?」


 「うぅ…」


 父さんから、嘆く声が聞こえる。でもきっと、あなたの仕事だよ。


 「父さんじゃなくて、可愛い息子が止めても良いと思うぞ。父さんは…」


 そして父さんからふざけた言葉が返ってきた。でも俺の答えは決まっている。


 「やだよ。」


 なんでこんなモンスターの世話しないとイケないんだよ。絶対やだよ。疲れるし、しんどいし、言う事きかなさそうだし。


 「俺だって嫌だよ。」


 ただ、父さんからも拒否の言葉が出てきた。当たり前か。でも普通、それが旦那の役目だと思うんだけどなー。


 はぁー…


 「ならどうするの?」


 俺の疑問に、父さんは顎に手を当てる。父さんは数回唸る。そして答えが返ってきた。


 「ミーケちゃんにお願いするか?」


 鬼かな?絶対、ミーケも嫌だよ。こんなのを相手するの。あと、父さんの中ではミーケって何なの?母さんのセイファーか何か?


 それに…


 「誰がミーケにお願いするの?」


 「んっ。」


 俺の言葉に、父さんがさも当たり前だろって感じで俺を指差してきた。


 なんだこいつ。ふざけてる…、絶対ふざけてる。


 「やだ。」


 だから俺は端的に返した。


 すると、父さんがニヤニヤとこっちを見てくる。


 ん? なんだ?


 「やっぱり、好きな女の子にそういうお願いは嫌かー。」


 はぁっ!?


 「ルートもそういう年かー。」


 そして、ニマニマと言葉を続けてるくる。


 なんだ、このおっさん。すっごい…、もうほんと、すんごい腹立つんだけど。そっちがそのつもりなら、俺だって考えがあるよ。


 「僕リビングでゆっくりしてるから、後頑張ってね。」


 見捨てるという手がね。


 「へっ?」


 「頑張ってね〜♪」


 俺はそう言って、手を振った。


 「マジ?」


 父さんから、最後にそんな言葉が聞こえてきた。あとは頑張って♪

@1 17

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