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異世界マイフレンド  作者: ゆう
メインストーリー
98/190

デブ活と 父さんの

 「トイレ…」


 そう言って母さんがトボトボと歩いていく。父さんとの交渉に失敗したのが、相当に堪えたみたいだ。まぁ、無理もない。普通なら…、というか、いつもなら絶対に母さんが勝っていた交渉だろうから…。


 そう思うと、父さんの選択が気になってくる。


 「ねぇ、とーたん…」


 「なんだ?」


 父さんの力ない返事が飛んでくる。やっぱり、父さんとしても尾が引く決断だったみたいだ。でも、だからこそ気になる。


 「なんで、お小遣いの方選ばなかったの?」


 俺は落ち込む父さんに、ストレートに聞いた。


 俺の質問を聞いた父さんは、両手を合わせるようにして口元を隠す。どういう意味があるんだろうか。


 変なポーズをとった父さんから、手のせいで少し篭もったような音で、返事が聞こえてきた。


 「そんなの…、母さんにキレイでいてほしいからだよ。」


 そう言いながら、父さんの頬がちょっとずつ赤くなっていく。


 ほぉ〜〜〜〜〜〜〜ん、ほ〜〜〜〜〜〜〜ん


 なんだか、自然と表情がニマニマしてしまう…。


 あっ、そうなんだ〜。へ〜〜〜、へ〜〜〜〜〜。


 俺の表情が気に触ったのか、父がちょっと嫌そうな顔になった。


 「も、文句あるのか?」


 けっこう、動揺してるみたいだ。そんな嫌そうな顔されても困るよ〜。気持ち隠せてないよ…、気持ちがっ!


 「ふ〜〜〜〜ん」


 段々と語尾に向かって声が高くなってしまった。いやぁ、言葉に気持ちが乗っちゃったよ。


 「っ!」


 俺の反応を見て、父さんの眉間によりしわが寄った。


 そんなに照れくさかったのか〜。


 「へ〜〜〜〜〜〜〜」


 親のイチャイチャって見るに絶えないけど、こういうのはいいよね。好物だわ〜。


 父さんは唇を噛んで、こっちを忌々しそうに見てくる。よっぽど、照れくさいみたいだ。


 「母さんのこと、そんなに好きなんだね。」


 だから、ド直球で聞いてしまったよ。俺はなんて悪いやつなんだ。


 「〜〜〜〜〜〜〜!!!」


 父さんから変な音が漏れる。


 さっきまでしていた口元を両手で隠すのをまた父さんがした。たださっきまでは、口元を隠すだけだったのに、今度は顔全体をなるべく広く隠そうとしている。


 恥ずかしくて視界を塞ぎたいのか、頬が赤くなっているのを隠したいのかはわからないけど。ただどっちにしても、頬が赤いのは見え見えだ。


 「お熱いね〜。」


 ダメだとわかっているのに、自然と口から言葉が漏れてしまう。いやー、反省しないといけないな〜。


 キッ


 そんな音が出てきそうなほどに、父さんが睨んでくる。でも、まったく怖くない。強がりってのが、スケスケ過ぎる。


 そして、それが分かってるから、どうしても顔のニマニマが熔けない。ダメだと分かってるのに…。あ〜、自分の自己制御能力の低さが憎い。


 「なぁルート…」


 そんな俺に父さんが話しかけてくる。


 「なーに?」


 「母さんには黙っててくれないか?」


 ふーん。


 「なにをー?僕、わかーんない。」


 俺は心のうちを正直に伝えた。


 こんな楽しいことを黙っとく? そんなの無理に決まってるよ。


 「………」


 俺の返しに、父さんは下唇を軽く噛んだ。


 というか…


 「なんで、そんなに隠したいの? 母さんが知れば、喜ぶと思うよ?」


 ガチで。母さん、絶対大喜びだと思う。父さんの記憶がまた飛ぶと思うけど。一晩どころか、数日くらい…。なんでかは、僕、知らないけどね。ほんとに。


 俺の言葉に、少し引いた頬の赤みがまた強くなっていく。相当、恥ずかしいと思ってることを言うみたいだ。


 父さんが戸惑いながら、口を開く。


 「カッコ悪いだろ…。」


 は〜〜〜〜〜〜〜ん。恋してるね〜〜〜〜。


 これは弟か妹も近いかな。どうしたらできるかとか僕知らないけどね。


 でもさ…


 「言えば、かーたんお菓子止めると思うよ?」


 ピクッ


 父さんの肩が動く。


 「それに…、ナイトデートとか…」


 ピクピクッ


 次は両肩が…。


 分かりやすくていいね。次、止め…、かな。


 「艶やかなかーたん…」


 「俺言うわ。」


 父さんからすごく素早く言葉が飛んできた。ほんと早かった。


 はい、いっちょ上がり〜!!!


 こうして父さんは母さんに気持ちを伝えるようだ。


 「あれ? そういえば、かーたんは…?」


 「!!!」

 

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