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異世界マイフレンド  作者: ゆう
メインストーリー
93/190

翌朝と 父さん

今日はちょっと…

 「なぁルート…」


 さっきまでのおちゃらけたような雰囲気はどこへやら、父がこっちをすごく真剣な目で見つめてきている。


 どうしたんだろ?めずらしい…


 「ん、なーに?」


 「俺さ…、ちゃんと良い父親できているか?」


 父がすごく寂しそうな、いや不安そうなかもしれない。そんな顔で俺へと質問を投げてきた。


 良い父親か…。良い父親ってなんなんだろう。


 前世の父親で残っている記憶は、すごく幸せなもの多い。一緒に遊んでくれたもの、一緒におでかけしたもの、妹が生まれる前だったから、家族三人で遊んだもの、優しかったもの。すごく良い、幸せな、幸せだった記憶が多い。俺にとってはほんとに良い父親だった。


 たしかに浮気はした。でも、たった一度だけだったらしい。浮気は当然ダメなものだ。それはわかる。でも、一度だけだったら許してあげてもよかったんじゃないか?だって、それで家族全員が不幸になったのだから、そういう選択肢だってあったはずだ。これは結果論に過ぎない。でも、そういう選択肢だってあったはずだ。人間は完璧じゃない。だから一度だけでも、チャンスがあっても良かったんじゃないか?

 

 いや、今は昔の父についてじゃない。


 この世界の父が良い父親かどうか…


 そんなの、ダメな父親だろう。頭は弱いし、馬鹿だし、あほだし。酒が弱いくせに飲みまっくて、人様には迷惑をかける。仕事は続かない。良いとこなんて一個もない。でも、俺を、家族をちゃんと愛して、愛そうとしてくれてる。良い父親ではこれっぽちもない。ほんとに。でも俺のれっきとした…


 「おい、おいルート!」


 思考に陥っていたら、急に父が俺の意識を拾い上げた。俺は視線を父へと戻す。すごく焦ったような、緊迫したような表情だった。


 どうしたんだろう。


 俺と視線があった父は俺の方へと近づいて、顔を近づけてくる。


 「大丈夫か?」


 「えっ!?」


 なにがだろう。


 「ルートお前、どうしたんだ?急に泣き出したりして…」


 「へっ?」

 

 父の言葉を受けて、俺は目元を触る。確かに、濡れている感覚があった。泣いていたのか。まぁ、きっと、昔を思い出したからだろう。


 「大丈夫か?」


 そう言って、父が俺の顔を覗き込んでくる。急なことだったから、俺は父から視線を背けた。


 「大丈夫だよ。」


 昔のことなんて、今更どうにもならないんだから。


 「そぉーかっ!」


 そう言って、父が俺を抱えてから、俺が膝の上に乗るようにしてソファへと座り込む。さすがに、向かい合わせは避けてくれたようだ。


 「きしょいんだけど。」


 「はいはい、そうだな。」


 顔は見えないけど、父がにこやかに言っているのが伝わってくる。腹立つ。ダメ親父のくせに。


 「くさい。」


 「それは辛いなー。」


 俺の抵抗はあんまり聞いてないようだ。それでも、まだなんだか抵抗したい。


 「菌が移る。」


 「なんのっ!?」


 「ニート菌…」


 「それはまずいっ!ルートもまで将来ニートになるじゃねぇか!!!」


 自覚あるのかよ。まずは自分の心配をしろよ、まったく。


 はぁー


 俺がため息をつくと、急に左右両方のほっぺに引っ張られる感覚が現れた。後ろのニート菌が勝手に触ってるらしい。


 「いちゃい。」


 「それは大変だなー。」


 何をぬけぬけと。やってるのはテメェだろ。クソっ、絶対あとで仕返し…


 「父さんさー、また頑張るよ。」


 後ろから急にそんな言葉が飛んできた。声量は大きくない。でもすごく決意のこもっているかのような声で。


 フフ…

 

 「頑張ってよ、バカなとーたん…」


 「なにをーーっ!?」


 そう言って、父がまた俺のほっぺを引っ張ってきた。


 「いちゃーーっ!」



 

 頑張ってね、父さん…。

たまにはこういうのも

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