ジローラと 作戦を
「はぁ、はぁ、はぁ…」
今俺とミーケ、それにジローラの三人は、俺だけハードな鬼ごっこを一度中断し、皆で休憩をしている。ずっと俺だけが追って・追われてをさせられているから、めちゃくちゃにしんどい。なんで俺だけがこんなにしんどいんだろうか。納得いかない。
俺はそうなった元凶へと視線をやる。
今その元凶は疲れて座り込んでいる俺の手…、指を両手でぷにぷにと触っている。どうやら、俺の手を触ることにはまったらしい。また、変なことが身に付いてしまったみたいだ。
俺がミーケの方を可哀相に見つめていると、もう一人が俺に話しかけてきた。
「ルート、大丈夫かっ?」
ジローラが俺を心配してくれる。あー、君は優しいな。
「大丈夫だよ。」
俺は頑張って笑顔で返す。彼の心配に泥を塗りたくないから、まだしんどいけど俺は強がって見せた。
彼は俺の言葉をちゃんと受け取ってくれたみたいだ。
「なら、再開するんだっ。」
表の方だけ…。
「ごめん、めっちゃしんどいからもっと休ませて。」
ふざけんな。心配じゃなくて、催促かよ。あぁ、そうかよ。一瞬、君を褒めた俺の労力を返してくれよ。
「そ、そうなんだっ。」
ジローラがシュンと返してくる。
なんだか、心が少し痛くなった。
「あっ!」
休憩を続けていると、ジローラが急にそんな声を上げた。
「どうしたの?」
俺は尋ねた。
するとジローラが、ニマニマと笑いながらこっちを見てくる。ぶさ…、ちょっと気持ち悪い顔だった。
「さっき面白いものを見つけたんだっ!」
楽しそうに伝えてくる。
面白い物かぁ、なんなんだろう。
「何見つけたの?」
俺が聞くと、ジローラがミーケの方へ視線をやった。そして俺を手招きしてくる。ミーケには、内緒にしたいみたいだ。俺は彼の方へ耳を近づける。
「お宝なんだっ。今から二人で見に行かないかっ?」
俺の耳へ、ジローラがコソコソと伝えてきた。
お宝か~。そう聞くと気になるよね。よし。
「行こ。」
俺もジローラの耳元でそうつぶやき返す。ジローラが一度ニヤッとしてからうなずく。まぁでも、一つ問題がある。それは…
「二人ともコソコソと何話してるの?」
ミーケだよな。
ミーケが俺たち二人の会話の内容を尋ねてきた。
俺はジローラの方へ視線をやる。俺の視線を感じるや否や、ジローラが頭を振った。やっぱりミーケには言わないで欲しいらしい。
俺がミーケに質問にどう返そうか考えていると、ジローラが先陣を切った。
「ミーケちゃん、今からルートと行きたい場所があるからちょっと待っててほしいんだっ。」
でも…
「えっ!? ミーケも行きたい。」
そうなるよね。一人だけ待ってろって言われても、そんな簡単には承諾してくれないよね。ジローラ…、さすがに馬鹿正直すぎるよ。
「うぅ…」
ジローラがミーケの言葉に狼狽する。
そんな隙を見逃すミーケではない。
「もしかして、ミーケに見せれないものなの?」
ジローラを、ミーケが問いただす。
「………」
ジローラは反論できないみたいだ。しょうがない。
「二人で連れション行こうかなって。女の子のミーケにはちょっと言いにくかったんだよ。ね?」
俺は視線でジローラに同意を求める。
「そ、そうなんだっ。」
よし。さすがに連れションだったら、ミーケも怪しまないだろう。フフフ、これは勝つる。
「へー…」
ミーケが目を細めて俺たちを見てくる。まるで、俺たちを怪しんでいるようだ。おかしい。俺の回答は完璧だったはずなのに…。
じぃ…
「「う…」」
ミーケの視線が俺たちを責めてくる。でも、ミーケだって俺たちの防壁を崩せないはずだ。俺たちは彼女の視線を黙って耐える。そうして…
「はぁー、じゃー、二人ともいってらっしゃい。」
彼女からのお許しが出た。
うし、うし。
「行ってくるね。」
俺たちはそう言い残して、トイレのある空地から出ていった。




