ジローラと 待ち合う
本日2本目
「ねぇルート、やっぱりもう帰ろうよ。」
俺の隣で一緒に歩いてるミーケの口から、嫌そうな言葉が飛んでくる。
俺たち二人は今、ジローラと会う約束をした空地へと向かっている。あの後にまた電話がかかってきたんだけど、どうやら一緒に遊ぶためのお誘いの電話だったらしい。あんだけ電話してきてくれたのに断るのは心が痛む。だから、今日はジローラと遊ぶことにした。
だから空地へと向かっているのだけど、どうやらミーケは全く乗り気じゃないらしい。さっきから帰ろうって何度も連呼してくる。
「なんでそんなに嫌なの?」
俺は心で思っていた疑問をミーケへとぶつけてみた。
俺の言葉を受けたミーケは俺の方を真剣なまなざしで見つめてくる。
「だって…」
「だって…?」
ミーケが一拍置いてから、もう一度口を開く。
「せっかくルートを独り占めできると思ってたのに、ジローラ君ごときとシェアだよ?そんなのヤだよ。」
「シェアって…」
俺って俺の物だと思ってたけど、いつの間に他人の物になったんだろ。怖いよなー。しかも男にシェアされるってすごく嫌なんだけど。響きからもう既に。
「だから止めにしない…?」
なんか行くのを止めるのちょっとありな気がしてきたよ。なんかこう気分がね…。
シェア、シェアって…。
俺は、待っているだろうジローラの顔を思いだす。坊主で丸っこい顔、毛ほどもイケメンとは言えない。思い出したら、まじで行きたくなくなる。でも…
「いや、行くよ。」
もう行くって言っちゃったもん。
俺はなんでか悲しくなりながらも、震えそうな声でそう答えた。
じっ…
ミーケが何か言いたそうな目で見てくるが、疲れたから俺は進む先だけを見ることにした。
「ねぇ、ルート…。」
少しした後、またミーケが何か提案するような言い回しをしてきた。
「なーに?」
とりあえずは聞こう。とりあえずは…。
「疲れたから、ちょっと休まない?…」
いいね、僕も無駄に疲れて…
「あそこの物陰で。」
ミーケはそう言いながら、家と家との隙間を指さしてきた。
………
「じゃー、僕先に行ってるから!」
「待って、ルート待って…。冗談だから…、冗談だから、ねぇっ!!」
すごく置いて行きたかったけど、無理だった…。
誰だよ、この子にこんな知識与えてるの。
また少し歩くと、ミーケにまた何か言いたいことができたようだ。
「ルート、ねぇ…」
「なに?」
「やっぱり、二人で遊ばない?」
ミーケはまだ諦めてないようだ。ほんと、諦めが悪いことで。
「でもジローラがたぶんもう空き地で待ってるからなぁ。」
そう、ジローラの方が空地への距離が近い。だからもう空地へとついていて、待っていてもおかしくない。それに、行くと言ったのに無断で行かないのは大人してどうだろう。まぁ、まだ子供なんだけど。
「大丈夫だよ。」
ミーケが気持ちよく返してくる。
何がかな。
「きっと、ジローラ君ならわかってくれるから!」
ははは。君の性格を、かな。
「はい、行くよ。」
「むー…」
頬を膨らませながら、ミーケがそんな音で不満を伝えてきていた。
色んな苦難を乗り越え、俺たち二人はようやく空地にへと辿りついた。長く険しい道のりだった…。
空き地にはもう既に、ジローラが待っていた。
「二人とも久しぶりだなっ。」
俺たちがジローラのとこまで歩いていくと、彼が開口一番にそんなことを言ってきた。
「そうだね。久しぶり。」
「………」
ただ、ジローラの言葉に返事をしたのは俺だけで、ミーケはずっと不満そうな顔で俺を見つめてくる。でもジローラはミーケの機嫌の悪さに気がついてないようだ。
「ルート、今日は…、ん?」
だからジローラが笑顔で俺に話しかけていたが、途中でミーケが俺の方をツンツンと突いて、それを中断させた。
「どうしたの?ミーケ…」
「あのね…」
ミーケが話し出そうとするのを、俺とジローラの二人が眺める。そして…
「もう十分話したでしょ? ねぇ、早く帰ろうよ~。」
俺の服をぐいぐいと揺すりながら、ミーケがぐずり出した。
おいっ!
ミーケそれ、親戚の家に行って、子供が退屈で言うやつだからね。まだジローラと会って、二言くらいしか話してないし。しかも君にいたっては一言も話してないし。
「まだ来てすぐなんだがっ!?」
ジローラもびっくりした声を上げる。
ただ、ミーケは俺の服を引っ張り続ける。しょうがないなー。
「ミーケってそんな子だったんだぁ。あーあ、僕そんな子とは…」
俺がそうなことを口にすると、あら不思議…
「ジローラ君、今日は何して遊ぶ? ミーケ久しぶりにジローラ君と遊ぶから楽しみだなー。」
ミーケとジローラ君がすぐにいつものように仲良くなった。うん。
「お、おう…」
何故かジローラがミーケのブーメランに戸惑っているけど、気にしなくていいだろう。
こうして、俺たち三人で遊ぶことになった。皆仲良しって、いいよね。
明日も9,17




