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異世界マイフレンド  作者: ゆう
メインストーリー
70/190

お買物と 帰り道

今日、明日はまじで自信ないです。

 「今日は楽しかったね。」


 商店街を完全に抜けて少し歩いた頃、今日一日俺を拘束していた女の子からそんな言葉が飛んできた。


 楽しかった?えっ、今日って楽しかったのか?どうなんだろう。なんかいつものように君に振り回されてた記憶しかないんだけど。


 そんな風に今日を振り返っていたら…

 

 「もしかして、ルートは今日楽しくなかった?」


 ミーケが不安そうに聞いてきた。不安なのかいつも大きくて柔らかい彼女の瞳が、今すぐにでもウルウルと震えだしてしまいそうだった。

 

 「そ、そんなことないよ。楽しかった…。僕もすっごく楽しかったよ!」

 

 「そっか…」

 

 ミーケから安堵したような声が漏れる。

 

 ふー、良かった。ミーケも傷ついたりはしてなさ…


 「楽しくなかったなら、次は朝から付き合ってもらうと思ってたのに。」


 はっ!?朝から?何言ってんの、この子。怖いんだけど。半日でさえけっこう疲れるのに、一日とか俺きっと辛くて泣いちゃうよ?


 それに、半日で楽しくないものがなんで一日だと楽しく感じると思ってんだよ。頭の中どうなってんの。絶対やばいよ、この子の頭の中…。

 

 「残念だなー。」


 「あははは、ほんとにね…。」


 助かったよ、俺は。


 「あっ!でも楽しかったなら今度は朝か…」


 「行かないからね。」

 

 ミーケがこっちをムッと睨んでくる。だけどそんな顔で睨んで来ても、絶対行かないからね。絶対に。



 

 少しの間ミーケが俺に無言で圧をかけてきていたが、急にやめて、鼻をスンスンとしながら何故か匂いを嗅ぎだした。もしかして、俺臭い?そう心配するけど、どうやら違うみたいだ。


 良かった、俺じゃなくて。この年で臭いとか辛すぎるもん。


 俺のそんな思いなんか知らないミーケは何度かスンスンとしてから、前方へと鋭い視線を向けた。そして…


 ガルルルルルルル


 と威嚇しだした。何してんの、この子。とうとう壊れた?


 俺がミーケの頭を少し心配してると、すぐに曲がり角から人影が現れた。


 「あっ!ルート君だっ! それと…、ミーケちゃんも…。」


 小さくこっちへと手を振ってくる、現れた人物から声をかけられた。ただ、語尾に向かって、段々と声が明るさが消えていった。


 「久しぶりだね、セリアちゃん。」


 「だねー。」


 そう、現れたのはセリアちゃんだ。俺との短い挨拶が終わるとすぐに、彼女はミーケの方へ顔を向ける。とはいっても、向く角度はほとんど変わっていない。なぜなら…


 「で、駄犬は何してるの?」


 セリアちゃんが現れてからずっと、ミーケは俺とセリアちゃんの間に立って、”ガルルルルル”と威嚇を続けていたからだ。確かに犬かもしれない。番犬的な…。


 「化け猫を私のルートから遠ざけてるんだけど?」

 

 私の…?

 

 「ふーん、そうだったんだ。てっきり、かわいく鳴いてるのかと思っちゃった。」


 「はっ!?」


 「ふっ。」


 二人が見つめ合う。いや違った。睨み合っている。ミーケが対抗心マシマシで、今はセリアちゃんがミーケを上から見下している感じだ。


 なんでかこの二人は仲が良くない。というか、いつもミーケが突っかかって、セリアちゃんもそれに対抗している感じだ。


 で、どうやら、次はミーケのターンが始まるみたいだ。ミーケが人を小馬鹿にするような…、舐めた表情をセリアちゃんに向ける。


 「がんばってネコ被ってるセリアちゃんなんかより、ミーケの方がかわいいからもしかして悔しいの?」


 「ふぁっ!?」


 「ん?もしかして図星だった?」


 そう言いながら、ミーケがニマニマしている。

 

 「そんなわけないけどっ!」


 「ふーん。」


 なんか、すごく君たち怖いんだけど。しかも、ミーケなかなか攻撃えぐいし。そろそろ止めてくれないかな…。


 「ミーケちゃんだって、いつもルート君に無駄に尻尾振ってるだけの犬のくせにっ!!」


 くれないよね。知ってた。

 

 「無駄じゃないもん!」


 「そうなんだー。ふーん。」

 

 せめて、もっと可愛いらしいケンカに…。


 「ブス猫よりかはかわいいから、いいんだもん。」


 もなってはくれないよねぇ。それも知ってる。それにミーケさん、さっきから君ちょっとえぐいんだけど。人の容姿をいじらない。

 

 「っ!?」


 セリアちゃんにまぁまぁのダメージが入ったみたいだ。苦々しい顔をしている。大丈夫だよ、可愛いほうだとは思うから。


 「ルート君、ちゃんとこの駄犬の面倒見ててよねっ!」


 セリアちゃんは相当、悔しかったみたいだ。ミーケを指さしながら、俺へと八つ当たりしてきた。

 

 「ふぇっ!?」

 

 「まぁでも、こんなうっとうしい雌犬、ルート君が相手したくないのもわかるんだけどね。」


 次はセリアちゃんが、段々とミーケを小ばかにするような言い方になっていく。というか…


 「そ、そうなの、ルート?」


 ミーケが不安そうに見てくる。


 せめて他人を巻き込むのはやめてくれよ。こうして、彼女らのワンラウンド目が終了した。


 ワンランウンド目が…。

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