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異世界マイフレンド  作者: ゆう
メインストーリー
65/190

お買物と 選択権

2話目

 「ルート、どっちがいいと思う?」


 もう何度されたか分かんない質問がまた飛んでくる。いつになったら終わるのだろうか。さっきから答えても答えても、まったく進捗が見られない。何をどう迷っているのだろうか。

 

 「こっち。」

 

 俺は右側の服を指さす。


 「そっちかぁ…。」


 そう言って、彼女はまた服を物色し始める。せめてもうちょい何か言ってくれないかなぁ。自分の意見がどう意味があるのか、合っているのか分からないからすごく不安だよ。


 今俺たちは、商店街にある子どもと大人の服が一緒に置いてあるお店に足を運んでいる。来てからだいたい一時間くらいは経ってるのだろうか。時計を持ってないから正確な時間までは分からない。そして…


 暇だ。


 俺は服を物色している彼女の横でそんなことを思う。最初は俺も頑張ったんだ。目についた服とかを聞いたりと。でも…


 「あんまし。」


 すごく悲しかった。グサッと、鋭利なもので胸を刺された感覚だった。どうせ俺は服のセンスなんてないよ。


 それからは聞かれたら、”こっち”と指さすだけの”bot”として頑張っている。何を頑張っているのか自分でも分からないけど。でもこんな”bot”とでも、彼女は楽しそうに服選びをしている。いや、単純に服見るのが楽しいだけの気もするけど。


 でもちょっと疲れたよ。ずっと立ちっぱだし。


 「ねぇ、ちょっと椅子で座っててもいい?」


 「ダメ。」


 「はい。」


 一瞬だった。こっちを一瞥すらしてくれない。もう少しこっちのことだって気遣ってくれてもいいのに…。シクシク。


 なら、ミーケには悪いけど、服見る体にして座るか。さすがに個人で服見るのは許してくれるだろうし。ミーケ、ごめんね。


 「じゃぁー、僕も自分の服見てきていい?」


 「ダメ。」


 「じゃー、服見てくる…、えっ!?」


 「ダメ。」


 ダメなのっ!?

 

 「な、なんで?」


 「だってルート、服見る気ないでしょ?」


 うっ、するどい…


 「それに…」


 「それに?」


 「今日はミーケのお買い物なんだから、最後までずっとミーケに付き合ってよ。」


 鬼かっ!少しくらい俺のこと考えてくれたっていいじゃんか。しかも”ずっと”って何?俺に今日、自由ないの?


 「トイレとかは?」


 さすがに、これくらいは…


 「いいけど…」


 さすがにね。


 「時間測るからね。」


 トイレって時間測られるものだったっけ?


 「さすがにそれは嫌なんだけど。」


 「なんで?」


 いや、嫌だろ。なんで、俺がおかしいみたいな風に返してくるの。


 「ミーケだって、トイレの時間測られるの嫌でしょ?」


 「嫌。」


 即答かよっ。いや、それが普通なんだけどさ。


 「でも…」


 ミーケが手を下唇に当て、悩むような素振りを見せてから…


 「ルートなら別にいいかも…。」


 「良くないよ。」


 何言ってんだ?この子…


 「むー…」


 「むーじゃないから。」


 怖いから。愛が…。


 「で、いいのは見つかった?」


 さすがに話題を変えたかった。


 「何着かは…」


 良かった。今までの時間は無駄じゃなかったのか。


 「試着してきたら?ここってあるよね?」


 「そうだね。じゃー、付いてきて。」


 まぁ、そうだよね。


 俺たちは試着室の方へと向かった。


 少し歩いて、俺たちは試着へと辿りついた。このお店の試着室は、いくつかの着替えるスペースが隣接しているタイプのものだった。空いているそのうちの一つにミーケが入っていく。


 「ルート、ちゃんと待っててねっ!」


 そう言い残して。


 待つこと数分。やることもなくて、俺は退屈していた。他のスペースの前でもいくつかには、男の子や男が待っている、暇そうに。どうやらみんな仲間のようだ。皆どこかを眺めながら、ぼーっとしている。


 そんな時間が少し経ってようやく、


 「ルート~。」


 彼女から呼ばれた。ようやく。俺はミーケが入ったスペースに近づき、


 「開けていい?」


 「いいよ。」


 すぐにミーケから、返事が返ってきた。俺は閉められているカーテンを開く。そこには、着替え終わったミーケが立っていた。


 彼女を見ると、すぐに変化が分かった。上の服だ。どうやらそこだけが変わっているみたいだ。白いTシャツに。絵柄自体は普通だ、絵柄は。


 「どう?似合ってる?」


 彼女からそんな声が飛んできた。けど…


 ぷぷぷ


 と、俺は笑ってしまった。なんか異様に服が大きい。いや、オーバーサイズを意識したのはわかる。けど、大きすぎるのか、すごく微笑ましい。子供が大人の服を着たみたいになってる。


 「に、似合ってるよ。」


 俺はなんとか笑わずにいようと思ったけど、笑ってしまう。無理だよ。


 「へ、変?」


 彼女が俺の反応を不思議に思ってか、心配そうに聞いてきた。


 「子供みたい。」


 実際子供だし。


 むっ。


 彼女からそんな効果音が飛んでくる。顔もちょっと膨れてる。


 あっ、やべっ。


 俺はとっさにそう思ったけど、


 「選びなおす。最後まで付き合ってよね。」


 彼女がそう言い放ってきた。


 あぁ、やっちゃたなー。これはフルコース確定かな。でも面白かったもんはしょうがないかっ♪

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